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山岳区間のジロ第16ステージでバルベルデが区間初優勝して総合3位へ浮上

レース
 
第99回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、休養日明けの5月24日からいよいよ最終週に突入。ブレッサノーネからアンダーロまでの132kmで山岳区間の第16ステージを競い、36歳でジロに初めて出場したスペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が区間初優勝した。

イタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)は、1分47秒遅れてゴールしたため、バルベルデが総合3位へ浮上した。

マリア・ローザのスティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ)は、バルベルデと一緒にゴールして区間2位になり、総合首位の座を守っただけでなく、総合2位のエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)とのタイム差を3分にまで広げることができた。

ジロに初出場中の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、17分57秒遅れの区間124位でゴールした。この日は132kmと距離が短かったこともあり、山岳区間だというのに平均時速が44.270km/hという高速レースになった。

 

ゴールまで75kmのメンドーラ峠登坂で、ロシアのイルヌール・ザカリン(カチューシャ)がアタックし、集団はバラバラになった。マイヨ・ジョーヌの集団ではアタックが続き、ニーバリが飛び出すシーンもあった。ここで10人の先頭グループが形成された。

そこにマリア・ローザのクルイスウエイク、ニーバリ、バルベルデ、イルヌール・ザカリン(カチューシャ)、マリア・ビアンカのボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ)は加わっていたが、エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)やラファウ・マイカ(ティンコフ)は遅れを取ってしまった。

メンドーラ峠の下り坂で、マリア・ローザの先頭グループはチャベスのグループに40秒ほどのタイム差を付けて先行していた。しかし、残り20kmでカテゴリー2のファイ・デッラ・パガネッラ峠の登坂が始まると、チャベスは自ら追撃を開始。タイム差は次第に縮まっていった。

先頭グループではニーバリのアシストであるタネル・カンゲルト(アスタナ)が先頭を引き続けていたが、残り18kmで仕事を終えて後退した。そこからアタックが始まり、残り15kmでバルベルデが仕掛けたが、付いて行ったのはマリア・ローザのクルイスウエイクとザカリンだけで、ニーバリは動けなかった。

ニーバリは後方から追いついてきたチャベス、マイカらとともに3人を追ったが、残り12kmでその差はすでに30秒以上開いていた。残り10kmを切って、勾配のキツいエリアにさししかかると、ニーバリはチャベスたちからも遅れてしまった。

先頭は3人でのゴール勝負になり、バルベルデが難なく制してジロで初の区間優勝を勝ち取った。これで彼は、3大ツアーすべてで区間優勝した選手の1人になった。

「ボクはジロに2つの目標を持ってやって来た。区間1勝することと、表彰台に上がることだ。ミッションの半分は達成され、トップ3にも上がったが、生まれついてのアタッカーであるニーバリは、ボクを表彰台から蹴落とそうとするだろうとはわかっている」と、バルベルデは語っている。

総合4位に陥落したニーバリとバルベルデのタイム差は1分20秒だ。
 
 
■第16ステージ結果[5月24日/ブレッサノーネ~アンダーロ/132km]

1 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)2時間58分54秒
2 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)
3 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+8秒
4 ディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ/イタリア)+37秒
5 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+37秒
6 ダビド・ロペス(チームスカイ/スペイン)+38秒
7 セルゲイ・フィルサノフ(ガズプロム・ルスベロ/ロシア)+38秒
8 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+42秒
9 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+50秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+1分47秒
11 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+1分47秒
25 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+5分28秒
124 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+17分57秒
■第16ステージまでの総合成績
1 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)63時間40分10秒
2 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+3分00秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分23秒
4 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+4分43秒
5 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+4分50秒
6 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+5分34秒
7 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+7分57秒
8 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)+8分53秒
9 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+10分05秒
10 カンスタンティン・シウツオウ(ディメンションデータ/ベラルーシ)+11分03秒
12 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+13分53秒
160 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+3時間34分20秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・ロッサ):ジャコモ・ニッゾロ(トレック・セガフレード/イタリア)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/イタリア)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/it/)
 
 
5月25日はモルベーノからカッサーノ・ダッダまでの196kmで、山岳ポイントがなくスプリンター向きの第17ステージが行われる。