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宇都宮市が自転車利用計画を加速! 5年以内に自転車通行空間を3倍近く延伸

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栃木県宇都宮市は今年度から、「市自転車のまち推進計画」の後期計画に取り組む。計画全体の実施期間は2011年度から20年度の10年間。後期計画では、15年度まで実施した前期計画を検証した上で、19年の開業をめざすLRT(次世代路面鉄道)との連携強化などが新たに盛り込まれた。
 

LRT停留所に駐輪場を併設予定

宇都宮LRTの導入イメージ(市制作CG動画から引用)
宇都宮LRTの導入イメージ(市制作CG動画から引用)


前期計画では「安全」「快適」「楽しく」「健康とエコ」を施策の柱に掲げた。自転車走行空間の整備や駐輪場の増設、スポーツ車のレンタル等を行う「宮サイクルステーション」の運営などに取り組み、自転車通行空間の総延長は5年間で21.7kmと倍増した。

一方、自転車を取り巻く環境はこの間に大きく変化。スポーツ車の販売台数が伸び、東日本大震災を経て自転車利用者が増加した。国が12年に示した「自転車安全利用環境創出ガイドライン」では自転車走行空間のネットワーク化を掲げる。15年には改正道交法が施行し、自転車の危険運転に対する取り締まりが強化された。

 
市内に整備される自転車走行空間。赤線が後期計画での優先整備路線(市資料から引用)
市内に整備される自転車走行空間。赤線が後期計画での優先整備路線(市資料から引用)


これらを受けて市では5年間の取り組みを検証。自転車走行空間の連続性確保といった課題を踏まえ、後期計画では新たな施策の柱として「つながる」を盛り込んだ。

具体的には自転車走行空間の延伸、公共交通と自転車との連携などを行う。自転車レーンほか自転車通行空間をさらに36km増設し、市中心部を核としたネットワーク化を進める。総延長は現在の約3倍近い57.7kmとなる。主なLRTの停留所には駐輪場を併設するほか、通勤通学ラッシュ時を除く時間帯にLRT車内への自転車持ち込みが可能かを検討する。

さらに「自転車の日」を制定することで、自転車重視のまちづくりに対する市民意識を醸成し、かつ「自転車のまち宇都宮」としてのブランド力を高める考えだ。市道路建設課では「LRT停留所に併設する駐輪場の数や収容台数、自転車の日をいつにすることなどについては今後決めていく」と話している。(斉藤円華)

<参考サイト>自転車のまち宇都宮の推進(宇都宮市ウェブサイト)
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kotsu/jitensya/015606.html