ニュース

後半はげしい雨に見舞われたジロ第9ステージの個人TTはログリッチが優勝し、マリア・ローザはブランビッラがキープ!

レース

第99回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月15日にトスカーナ地方のラッダ・イン・キャンティからグレーベ・イン・キャンティまでの40.5kmで個人タイムトライアルを競い、後半にはげしく降り続いた雨がレースを大きく左右した。

後半スタートだった総合を争う選手たちは、雨で路面がすべりやすくなった影響で失速。区間優勝は前半に走って好タイムを出したスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ロトNL・ユンボ)の手中に収まった。

ログリッチは今年のジロ初日の個人タイムトライアルで、たった100分の1秒差でオランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)に負けていた。

マリア・ローザを着て最後にスタートしたジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ)は、雨にもかかわらず好タイムで走り、たった1秒差で総合首位の座をキープすることができた。

総合上位の選手の中で最も良い成績だったのはドゥムランで、ログリッチよりも1分58秒遅れてゴール。そのTTスペシャリストのドゥムランよりも、マリア・ローザのブラッビッラはたった7秒遅れでゴールしたのだ。

前日まで総合14位で、新人賞のマリア・ビアンカを着ているルクセンブルクのボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ)は、45秒遅れの区間6位になり、チームメートのブランビッラにたった1秒差の総合2位に浮上した。

キーステージになるだろうと思われていた個人タイムトライアルは、雨のせいで総合争いに大きな影響を与えることはなかったが、前日まで総合2位に付けていたロシアのイルヌール・ザカリン(カチューシャ)は2度落車してタイムを失い、3分51秒遅れでゴール。総合トップ10から脱落してしまった。

ジロに初出場中の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、6分16秒遅れで個人タイムトライアルを終えている。


第9ステージでは今大会で区間2勝したマルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)がスタートしなかった。この日区間4位になったファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード)も、第9ステージでジロを去ると発表している。2人ともシーズン後半戦に備えるためだ。

■UCIワールドツアーのレースで初優勝したログリッチのコメント「自分のパフォーマンスには本当に満足している。ボクは飛び跳ねて笑うべきだろうが、それは馬鹿げている。アーペルドールンでは不運にも勝利を逃した。たった数センチでドゥムランに負けてしまった。でも今日は逆だった。天候の変化がボクを幸運な男にしてくれた」

「スキージャンプを止めて自転車競技を始めた時、最高になることを夢見てはいたけれど、こんなに早く成功するとは期待していなかった。10km以上長いTTは走ったことがなかったのに。この後は総合でクルイスウエイクをサポートするためにベストを尽くすよ」

■マリア・ローザを守ることができたブランビッラのコメント「難しくてテクニカルなコースで、雨でより過酷なものになった。ボクはとてもたくさんのクラッシュを見たけれど、ボクたちは力強く走った。“ボクたち”と言ったのは、もしボクがダメでも、ここでチームメートのユンゲルスがマリア・ローザになったからだ。自転車レースでは、アシスト選手がこのマリアを得ることが起きるものなのさ」

 
区間優勝したチームロトNL・ユンボのログリッチ
区間優勝したチームロトNL・ユンボのログリッチ
 
■第9ステージ結果[5月15日/キャンティ・クラッシコ・ステージ(ラッダ・イン・キャンティ~グレーベ・イン・キャンティ)/40.5km(ITT)]

1 プリモシュ・ログリッチ(チームロトNL・ユンボ/スロベニア)51分45秒
2 マティアス・ブランドレ(IAM/オーストリア)+10秒
3 ベガルトスターケ・ランゲン(IAM/ノルウエー)+17秒
4 ファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード/スイス)+28秒
5 アントン・ボロビエフ(カチューシャ/ロシア)+30秒
6 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+45秒
7 シュテファン・クン(BMC/スイス)+58秒
8 ヨス・ファンエムデン(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+1分08秒
9 マールテン・チャリンギー(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+1分16秒
10 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)+1分19秒
15 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+1分58秒
17 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)+2分05秒
19 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+2分13秒
20 ミケル・ランダ(チームスカイ)+2分20秒
21 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+2分23秒
22 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分24秒
31 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+2分56秒
48 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+3分39秒
51 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+3分48秒
54 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+3分51秒
64 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+4分12秒
132 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+6分16秒
■第9ステージまでの総合成績
1 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)34時間33分04秒
2 ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)+1秒
3 アンドレイ・アマドール(モビスター/コスタリカ)+32秒
4 スティーブン・クルイスウエイク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)+51秒
5 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+53秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+55秒
7 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+58秒
8 ミケル・ランダ(チームスカイ)+1分18秒
9 ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド)+1分45秒
10 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+1分51秒
11 イルヌール・ザカリン(カチューシャ/ロシア)+2分09秒
12 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+2分28秒
13 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+2分31秒
15 リゴベルト・ウラン(キャノンデール/コロンビア)+2分56秒
182 山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ/日本)+1時間14分38秒
[各賞]
■ポイント賞(マリア・ロッサ):アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル/ドイツ)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ティム・ワロンス(ロット・ソウダル/ベルギー)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ボブ・ユンゲルス(エティックス・クイックステップ/ルクセンブルク)
(http://www.giroditalia.it/it/)
 
 
 
5月16日の月曜日は2度目の休養日となり、翌日はカンピ・ビゼンツィオからセストラまでの219kmで中級山岳区間の第10ステージが行われる。ゴールのセストラはカテゴリー3の頂上ゴールだ。


Giro d'Italia 2016 - Stage 9 - Highlights 投稿者 giroditalia