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シクロクロス世界選で機材違反を犯したバンデンドリーシュに6年の処分が下された

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今年1月にベルギーのフーズデン・ゾールドルで開催されたUCIシクロクロスの世界選手権で、自転車に電動モーターを仕込んだ違反を行った女子アンダー23のフェムケ・バンデンドリーシュ(ベルギー)に対し、国際自転車競技連合(UCI)は6年間の競技停止処分を下した。

処分期間は2015年10月11日から2021年10月10日までとなる。19歳のバンデンドリーシュは、すでに3月に、自転車競技からの引退を発表している。

バンデンドリーシュは6年間の処分を受けただけでなく、昨年10月11日以降の全成績も剥奪された。これにより、彼女はアンダー23ヨーロッパチャンピオンと、アンダー23ベルギーチャンピオンのタイトルを失ってしまった。さらに彼女には、20000スイスフラン(約230万円)の罰金も課されている。


UCIの発表によれば、問題の自転車はUCIが今年配備した新しい新しい磁気反応検査を用いてスキャンされた。この検査装置は、自転車が選手のピットエリアにある間にモーターを検出した。

そのモーターはVivaxで、バッテリーとともにシートチューブに隠されていた。それはバーテープの下に取り付けられていたBluetoothのスイッチでコントロールされていた。

メカニカル・ドーピング、あるいは自転車ドーピングと呼ばれる自転車に電動モーターを仕込んだ違反は、2010年からその存在が物議をかもし、UCIが検査を続けていたが、長らく違反は発見できていなかった。バンデンドリーシュの事件で、初めてその存在が明らかになったわけだ。

この事件後、UCIは自転車の検査を強化し、ロンドンで開催されたUCIトラック世界選手権では274台、ロンド・バン・ブラーンデレンでは216台、パリ〜ルーベでは232台、アンダー23のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでは173台を検査したと発表している。UCIは今後も厳しい検査を続ける予定だ。

しかしその一方で、フランス・テレビジョンとイタリアのコリエーレ・デッラ・セーラ紙は、3月にイタリアで開催されたストラーデ・ビアンケ(ヨーロッパツアー1.HC)とセッティマーナ・コッピ&バルタリ(ヨーロッパツアー2.1)で、独自に競技中の自転車を熱感知器で検査し、モーターが隠された自転車が存在することを暴露する報道を行っている。
(http://www.uci.ch/)