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将来はスポーツタイプの商機が拡大? 電動アシスト自転車専門店が描く販売戦略

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欧州ではスポーツタイプが相次ぎ登場――。電動アシスト車の最新事情と今後の動向について、電動アシスト車専門店「モトベロ」常務取締役の澤山俊明さんが18日夜、都内で講演した。NPO自転車活用推進研究会が主催。シティサイクル(ママチャリ)や子供乗せタイプが大半を占める国内市場だが、若者や現役層にスポーツタイプの需要が期待できるという。

 
モトベロで来年販売を予定しているスポーツタイプの電動アシスト車、BESV(ベスビー)・JS1。2015年度グッドデザイン賞ベスト100に選定。アルミフレームのダウンチューブ内にバッテリーを収納する
モトベロで来年販売を予定しているスポーツタイプの電動アシスト車、BESV(ベスビー)・JS1。2015年度グッドデザイン賞ベスト100に選定。アルミフレームのダウンチューブ内にバッテリーを収納する

代官山で月100台販売

モトベロはツタヤ事業を展開するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)ほかが共同で設立。澤山さんは1998年にCCCに入社して事業企画などを経験し、2012年にモトベロに転籍した。モトベロはツタヤのショッピングモール「T-SITE」を中心に出店。店には試乗車が用意され、代官山店では月100台もの電動アシスト車を販売している。

売れ筋は子供乗せタイプだが、店舗正面には1台数十万円もする高級車を展示。「電動アシスト車が拓く新しい生活を提案する」(澤山さん)との狙いがある。東洋フレーム製のフレームを用いた1台約40万円の高級車は100台製作し、すでに50台が売れた。

 
ユーロバイクに出品された電動アシスト仕様のファットバイク
ユーロバイクに出品された電動アシスト仕様のファットバイク
モトベロ常務取締役の澤山俊明さん=18日
モトベロ常務取締役の澤山俊明さん=18日


欧州のスポーツ自転車見本市「ユーロバイク」ではMTB、クロスバイクといったスポーツタイプの電動アシスト車が多数展示され、人気を博している。電動アシストが切れる時速は日本の24kmに対して欧州は25kmで、中には40kmのものもあるそうだ。

欧州の電動アシスト車の特徴の一つにバッテリーの収納位置がある。欧州ではダウンチューブ内に収納するタイプが市販。また、ハブモーター内にバッテリーを収めたタイプもある。日本ではシートチューブの後ろが大半だが、その際にシートステーとチェーンステーを長く取る必要があり、デザイン上の制約ともなっている。

澤山さんは電動アシスト車の国内需要について「子育てママと『プレミアムエイジ』(消費意欲が高い中高年)が中心で、近年は高校生の通学用の需要が急増している」と述べた。その上で、スポーツタイプの電動アシスト車は「スポーツ車に親しんでいる若者や現役層、通学利用で電動アシスト車の良さを知っている高校生に今後需要が期待できる」と展望した。(斉藤円華)

 
JS1のバッテリーはこのように収納されている
JS1のバッテリーはこのように収納されている


<参考サイト>
モトベロ  http://www.motovelo.co.jp/