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2015 淡路島ロングライド150 参加レポート

イベント

「アワイチ」は絶景・走り応え・食べ応えが見事にマッチ 



10月25日(日)、約2000人もの参加者が淡路島を一周する関西随一のロングライドが開催された。今年で6回目となり、名物イベントへと成長した本大会をサイクルスポーツ編集部・大宅が実走。当日の様子をレポートするとともに、大会の魅力を探ってみた。


 

これ以上ない最高の天気!強風がいいスパイスに

淡路島ロングライドは、兵庫県の淡路島を1周するロングライドイベントで、今年で開催6回目を迎える。淡路島を1周することは「アワイチ」と呼ばれ、この通称で親しまれている。今では、東日本最大の島1周ロングライドイベント「佐渡ロングライド」と並ぶ大規模な大会に成長した。10月24日(土)に前日受付と前夜祭が行われ、25日(日)に本番という形式だ。
 
当日は晴天に恵まれ、また気温も涼しく、ロングライドをするにはベストコンディションの1日となった。今回は約1980人(定員は2000人)が出走し、過去最高の参加者数となった。


 
淡路島を時計方向に一周する。距離は約150km、エイドステーションは4カ所ある
淡路島を時計方向に一周する。距離は約150km、エイドステーションは4カ所ある
途中いくつか長い上り坂がある。全体として平坦とアップダウンが連続するコースレイアウトになっている
途中いくつか長い上り坂がある。全体として平坦とアップダウンが連続するコースレイアウトになっている


晴天と快適な気温には恵まれたものの、終始北西からの強い風が吹いた。前半は追い風で快調に飛ばすことができたが、島の南端地点を過ぎた頃から逆に強い向かい風となった。だんだんと疲れが出てくる後半がずっと向かい風という状況は辛いものがあったが、参加者はみな明るい表情に見えた。向かい風が大会を演出するよいスパイスとなったようで、ゴール後の感動もより大きくしてくれたと感じた。


 
序盤、立ち昇る朝日とともに大集団が駆け抜ける
序盤、立ち昇る朝日とともに大集団が駆け抜ける
後半はずっと向かい風。ペースの合う人と一緒に協力して走る
後半はずっと向かい風。ペースの合う人と一緒に協力して走る
明石海峡大橋の見える坂を越えればゴールは間近
明石海峡大橋の見える坂を越えればゴールは間近

「アワイチ」なら、島一周でも飽きない

筆者は過去2回このコースを走ったことがあり、今回で3回目となる。個人的には非常に好きなコースで、今回もとても楽しむことができた。何名かの参加者に話を聞いてみると、2回目、3回目というリピーターがほとんどだった。このコースの魅力はどこにあるのだろうか。
 
1つは、島1周なのに最後まで飽きがこない、という点だろう。実は、島を1周するロングライドは、景色とコースが単調で、途中で飽きてしまいやすい。もちろん、見渡す限りの大海原を見つつ海岸線を走り続けるのは、爽快以外の何物でもない。しかし、それが延々と続くとだんだんと慣れてきてしまい、淡々とペダルを回すだけの気分に陥りやすいのだ。
 
筆者は、他に「佐渡ロングライド」や「ツール・ド・おきなわ」のサイクリング部門など、島1周をするロングライドイベントをいくつか経験している。それらと比べると、本大会のコースはずっと海沿いの道を走り続けるだけでなく、途中でバランス良く峠道、市街地(決して走りにくくない)、田園を抜ける平地が織り交ぜられている。バラエティに富んでいるからこそ、海沿いの道が引き立ち、最後まで飽きることなく楽しめるのだろう。

 
途中、本格的なヒルクライムポイントがいくつかあり、海と坂道のコントラストが楽しめる。きついけどね
途中、本格的なヒルクライムポイントがいくつかあり、海と坂道のコントラストが楽しめる。きついけどね
感動のゴール!坂道、向かい風を乗り越えたあとでのゴールは格別だ
感動のゴール!坂道、向かい風を乗り越えたあとでのゴールは格別だ

ロングライドで満腹になるというぜいたく

もう一つの魅力はエイドステーションで出される食べ物の充実っぷりだろう。サザエのつぼ焼き、豚汁、おしるこ、かまぼこ串揚げ天、温そうめん、ちょぼ汁(郷土料理)、淡路島生クリームブリュレ、玉ねぎスープ、ちくわ、ドーナッツ、メロンパン、おにぎり、バナナ、エナジーゼリー・・・・・。ここでは書ききれないほど、地元特産品やら郷土料理やら菓子パンやらスウィーツやら補給食系やら、とにかく大量の食べ物が出てくる。とても全部は食べきれない。
 
これだけ食べ物が充実しているロングライドイベントも珍しい。特に数量限定のサザエのつぼ焼きは絶品。温そうめん、淡路島生クリームブリュレもなかなかの味だった。食いしん坊の人は、エイドステーション全メニュー制覇、なんていう楽しみ方も面白いかもしれない。

 
全エイドステーションでできるだけ色々なものを食べようと試みた
全エイドステーションでできるだけ色々なものを食べようと試みた
サザエのつぼ焼きは第1エイドで早い者勝ちだ。ただし公道なので競争はしないように
サザエのつぼ焼きは第1エイドで早い者勝ちだ。ただし公道なので競争はしないように
パン、おにぎり、ドーナッツなどはかなり種類が豊富だった
パン、おにぎり、ドーナッツなどはかなり種類が豊富だった

仲間と一緒ならさらに楽しい あなたも来年はぜひ!

大会当日はチームや自転車仲間と参加する人が多く見られた。今回は筆者1名で走ったが、仲間で集まって走る参加者はみなとても楽しそうで、ちょっとうらやましかった。仲間と一緒なら大会の楽しみは倍増することだろう。
 
また、女性の参加率も高かったようだ。東京からクルマで何時間もかけて淡路島まで来たという、末松さんと武内さんの女性2人にゴール後の完走を聞いた。「今回が初参加です。同業者で結成したチームで参加しました。坂道、向かい風はきつかったですが、景色もコースも全て最高でした。そして、ゴールできて最高です」。
 
まだ参加したことのない読者には、ぜひ来年参加を検討してほしい。特に、東日本の自転車乗りはなかなか淡路島を走る機会はないと思われるので、ぜひ一度この大会で「アワイチ」にチャレンジしてみてはいかがだろうか。きっと忘れられない思い出となることだろう。

 
前夜際でシルベストサイクルのブースに集まった女性グループ。「明日は絶対完走!」と意気込む
前夜際でシルベストサイクルのブースに集まった女性グループ。「明日は絶対完走!」と意気込む
大人数で参加したイオンバイク、ガノー、モーメンタム混成チーム。夜明け前に大集合
大人数で参加したイオンバイク、ガノー、モーメンタム混成チーム。夜明け前に大集合
ゴール後インタビューした末松さんと武内さん。完走おめでとう。
ゴール後インタビューした末松さんと武内さん。完走おめでとう。


text●本誌・大宅宏幸 photo●吉田悠太

主催者●2015淡路島ロングライド150実行委員会
開催地●兵庫県淡路島
 
2015淡路島ロングライド150 公式ウェブサイト
http://www.awajishima-longride.jp/