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第23回小海マイティデューロ MTB24時間耐久レース 参加レポート

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「小海マイティデューロ」は、フランスで世界初開催された大会にならって、世界で2番目に開催されたMTB24時間耐久レース。今回で23回目の大会は、マレットゴルフコースを縫うようにレイアウトされ、夜間でも安心してコーナリングが楽しめる。今年は10月の3連休に行われた。

レース主催者・いしまるさんからのレポートをお届けする。

 

24時間を楽しんだのは誰!?

雨のスタート。路面コンディションは悪化の一途!
雨のスタート。路面コンディションは悪化の一途!

~マイティデューロ24時間は、フランスで世界初開催された大会にならって、アメリカより早く、世界で2番目に開催されたMTB24時間耐久レースです。今回で23回目のレースは、マレットゴルフコースを縫うようにレイアウトされ、夜間でも安心してコーナリングが楽しめると評判。日程は10月の3連休のため、2泊3日のオートキャンプも愉しむ準備と、寒さ対策や雨対策が必要です。~ と、大会ガイドの冒頭にあるように、愉しむ準備からこの戦いは始まっています。

ジェット気流の蛇行が極端に南北に伸び、鬼怒川の氾濫も記憶に新しいところです。天気予報が二転三転し、雨の降り始めが速くなったのは幸いでしたが、南からの湿気の供給は予想の倍の雨量をもたらし、レースが読めない展開に。。。

スタート直後、雨具を来たライダーから、「このコースは楽しい!」との評価があったものの、徐々に路面が荒れて行き、木の根の露出や、水はけの不良個所、さらに表土が剥がれて粘土層が露出と、雨が止む1時間半の間で路面が激変。その後、翌朝まで、走行ラインの見極めに悪戦苦闘することに。それは、周回数に如実に現れていました!
 
特に悪路だったのは以下の5箇所!マレットから作業道へのカーブは、三段落ちの構造で、ライダーは気付いていたかどうか判らないが、倒木の切り株のプレッシャーがあって、ベストラインが取れなかった。舗装路からの登り返し、通称「ダルダル坂」は、木の根が育ったこともあり、ダブル障害物と粘土路面露出で、ソロライダーから一度もクリア出来なかったと、強烈なダメ出しが!

グラウンドへの下りは、ペースダウンのバロメーターが隠されていた。下り切った右90度ターンの斜面走行距離が例年の半分以下。粘土層露出と木の根が張り出し走行ラインが皆無で、スピードに乗ったターンが出来ない。さらに夜中にはコースアウト続出し、グラウンドのピットからは転げ落ちるライトが何度も目撃されたとか。。。

旧御神木ループ、現小バルタン&大バルタンは、微妙な雨量のため、中途半端に表土が残り、下りも登りも、ズルズル状態。特に林道の登りは雨上がり直後はスベリ台、時間が経つにつれ粘着路面と化し、コースの印象をそこだけで半減させていた!
 
天候と路面は全てのライダーにイコールコンディションだが、装備や作戦はチーム毎に異なる。松原湖高原オートキャンプ場は例年の倍以上の一般利用者があるバブル状態。そのため、3か所を予定していたピットが2ヶ所になり、初参加チームにやや有利になったのかも?

いつも「とれとれグループ」の独占状態だったグラウンドのピットに、今年は他に4チームが陣取り、その中に初参加枠の「キクミミモータース」があり、当日朝にやって来て、ドタバタと準備を始めた。しかし、スタート直後から上位争いに絡み、ハーフタイムを過ぎるころに一旦はトップに立つ予想外の走りを示し、夜間走行でオヤスミタイムかと思いきや、後半も落ちずに3位をキープし、見事に入賞!しかも、サブメニューの仮装、シェフ、ライティング、全てにエントリーするという、離れ業を示す、○△□集団!
 
 
小海町開発公社提供のBBQ
小海町開発公社提供のBBQ


その上位争いの前半を引っ張ったのは#102・京都MTB朝ライド・ソロだったが、ライダーチェンジの度に路面に悩むチームとは違い、走行ラインの見極めが必要なこの悪コンディションが有利に働いたのかも・・・?そして上位争いは、2連覇中の常連チームに新興勢力が挑む構図が最後まで続き、特別シード権を持つとれとれチームの追い上げも気にせずに3年目でピットワークも充実したゼッケン311/Pana-bishi(パナビシ)が、47周回/24:21:40の最高成績でフィニッシュした。
 
チーム力の目安となるファイブラップスを昼間:#303・とれとれ1番隊、夜間:#301・キクミミモータース、早朝:#306・マティーノ・GDT隊が取る中、優勝チームは最速ラップを獲得しており、安定感で走り抜いたと思われる。実は今回、カテゴリー設定で迷いがあり、24時間はほぼオープンクラスの戦いとなってしまい、上位2チームは6名以上とチーム構成人数で戦闘力に偏りが出てしまっていた。ただ言えるのは、周回数から見て過去3年間は、69周回、64周回、58周回だったものが、54周回に留まり、良く耐えて走った展開であって、高速バトルと違い、チーム人員の差は少なかったのでは?

そんなチーム対抗戦とは異なり、もうひとつの24時間、ソロカテゴリーの戦いにも異変があった。シードゼッケン、#101を持つ、マイティマン橋立の調子がスタート直後から上がらず、他の参加者からもその異変に心配の声が寄せられいた。そしてレース終盤、計測テントで尋ねる前後のライダーとの差も、いつもの後続を気にするものではなく、3位キープを確かめるものだった。

8名のソロライダーの内、初挑戦は3名。そしてカテゴリー優勝は、17年ぶりの優勝となった#102・京都MTB朝ライド・ソロの足立磨砂幸。日没まではトップをキープ、夜間も粘って70%完走をクリアする、総合7位・47周回/24:21:40でフィニッシュした。

 
朝日の八ヶ岳を望む
朝日の八ヶ岳を望む


上位争いのリアル24時間耐久も重要だが、如何に楽しむかもさらに大切な要素です。職場やクラブのメンバーで参加するチームがある一方、大学のサークル仲間の年に一度の恒例行事として参加しているチームや、昔のMTB仲間との再会の場として利用しているチームもある。そして彼らの楽しみは、キャンプとMTBとサブメニューとなる。

そのサブメニューも、前夜祭的なBBQパーティから始まり、仮想コンテスト、シェフコンテスト、ライティングコンテストと仕込みの必要なものもある一方、サンセット、ハーフ、サンライズと偶然性の三トロフィーや、復活実施のミッドナイトクイズなどで、24時間の「時」の逃れを楽しんでいた。
 
開会式で傘を差しながら挨拶をして下さった小海町副町長の小池和利氏の言葉にもあったように、恵まれた環境や、参加者、スタッフの熱意で継続出来ており、今回も景品として特産野菜の詰め合わせで大会をサポートして下さる小海町役場や観光協会など、多くの人に支えられています。MTBブーム時には今の倍以上の参加チームがあり、賞品協力メーカーも30社以上あった夢のような時代でしたが、継続が力と考え、来年の24/24記念大会は何かしら仕掛けを設けたいと思います。そして、新興勢力の台頭も感じられる状況は、その先の開催も充分に期待できると強く感じた大会でした。
 
参加者およびご協力を頂いた皆様、本当ありがとうございました!

文責:企画担当/いしまるひであき 20151015

 


第23回小海マイティデューロ MTB24時間耐久レース 2015
コース:松原湖高原オートキャンプ場特設MTBコース(約4.3km)
2015年10月11日午前9時スタート、12日午前9時34分32秒フィニッシュ
天候:雨後晴れ(時々突風)
出走:30チーム

★主催:小海プティリッツア探索委員会2015
★共催:(一社)小海町開発公社
★後援:小海町、小海町観光協会
★賞品協力:株式会社シマノ、東京サンエス(株)、(株)ユニコ、ミズタニ自転車(株)
http://www.bike-joy.com/MD23th.htm