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ブエルタ第18ステージはロッシュが逃げ切って区間優勝

レース

スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月10日にロアからリアサまでの204kmで中級山岳区間の第18ステージを競い、アイルランドのニコラ・ロッシュ(チームスカイ)と地元スペインのアイマル・スベルディア(トレック)が集団から逃げ切った。

そして最後は一騎打ちのゴールスプリントを競い、ロッシュが2013年につづいて2度目の区間優勝を勝ち取った。

終盤に越えたカテゴリー1のプエルト・デ・ラ・ケセラ峠では、マイヨ・ブランコを着たイタリアのファビオ・アルー(アスタナ)が攻撃を繰り返したが、リーダージャージのマイヨ・ロホを着たオランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)は決して振り落とされることはなく、この日は総合上位に変動はなかった。

 
アルーの攻撃に耐えたマイヨ・ロホのドゥムラン
アルーの攻撃に耐えたマイヨ・ロホのドゥムラン
第19ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
第19ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
第19ステージのゴールのプロフィール(MAP:Unipublic)
第19ステージのゴールのプロフィール(MAP:Unipublic)
第18ステージは5選手が出走せず、162人がスタートした。スタートからアタックと吸収が繰り返され、最初の1時間の平均時速は50.4km/hだった。そこから25人の選手が逃げ出し、63km地点で4分差を付けた。この25人の中に、ロッシュとスベルディアも加わっていた。

最初のカテゴリー3の峠が始まった時、集団と逃げのタイム差は6分10秒にまで開いていたが、それ以上にはならなかった。この日最後の峠だったプエルト・デ・ラ・ケセラのふもとで、先頭の逃げ集団からシリル・ゴチエ(ヨーロッパカー)がアタックして先行したとき、メイン集団はすでに2分15秒後方に迫っていた。

プエルト・デ・ラ・ケセラ峠の登坂がスタートすると、メイン集団はアスタナ勢が引き始めた。そしてゴールまで残り19kmで、アルーが攻撃を開始。しかし、マイヨ・ロホに敢闘賞の赤ゼッケンをつけたドゥムランはピタリと彼の後輪に付いていった。

攻撃が開始されたマイヨ・ロホのグループは10人ほどに絞られていたが、総合上位の選手は全員顔を揃えていた。残り17.5kmではエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)が飛び出し、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が追走したが、すぐに吸収された。

その前方では、ゴールまで残り17kmでロッシュがゴチエを抜いて先頭に立っていた。2km先でスベルディアが合流し、2人はゴールまで残り13kmの山頂をマイヨ・ロホのグループに1分差を付けて通過していった。

マイヨ・ロホのグループでは、残り15.7kmでふたたびアルーがアタックしたが、ドゥムランが振り落とされることはなかった。結局決定的な攻撃を成功させる選手はなく、マイヨ・ロホのグループは一緒にプエルト・デ・ラ・ケセラ峠山頂を通過した。

マイヨ・ロホのグループは逃げていた選手たちを次々と回収していったが、先頭のロッシュとスベルディア、そして単独で追走を続けていたジョゼ・ゴンサルベス(カハルラル)だけは逃げ切ることができた。それはつまり、総合争いの選手たちはこの日誰も区間3位までに与えられるボーナスタイムを獲得できないことを意味していた。

ロッシュとスベルディアがフラムルージュを通過した時、マイヨ・ロホのグループとのタイム差はまだ45秒あった。区間優勝をかけた一騎打ちのゴールスプリントは、ロッシュが難なく制した。

「20秒後方に選手が1人いたのを見たから(スベルディアに)“ゴールまで一緒に走って、一騎打ちのスプリントをしよう”と言ったんだ。それは実際本当にうまくいって、残り15kmから協力し合った。僕らとってそれが唯一のチャンスだった」

「スプリントが近づいて、僕はそれをリードしたかった。スベルディアは経験が豊かな選手で、過去には彼に何度かスプリントで負けたことがあった。たとえばクラシカ・サンセバティアンでね。スロースタートのスプリントはしたくなかった。ハイスピードのスプリントがしたかったんだ」と、区間優勝したロッシュは語っている。


9月11日はメディナ・デル・カンポからアビラまでの185.8kmで中級山岳区間の第19ステージが行なわれる。中盤にカテゴリー3の峠を1つ越え、終盤にはカテゴリー2の峠を越える。カテゴリーの付いた頂上ゴールではないが、残り2kmの手前からフラムルージュまでがアップヒルのゴールになっている。


■第18ステージ結果[9月10日/ロア〜リアサ/204km]
1 ニコラ・ロッシュ(チームスカイ/アイルランド)5時間03分59秒
2 アイマル・スベルディア(トレック/スペイン)
3 ジョゼ・ゴンサルベス(カハルラル/ポルトガル)+18秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+38秒
5 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+38秒
6 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+38秒
7 ピーテル・セリー(エティックス・クイックステップ/ベルギー)+38秒
8 アダム・ハンセン(ロット・ソウダル/オーストラリア)+38秒
9 ジャンルーカ・ブランビッラ(エティックス・クイックステップ/イタリア)+38秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R/イタリア)+38秒
11 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+38秒
15 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+38秒
79 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+15分54秒

■第18ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)73時間45分13秒
2 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+3秒
3 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+1分15秒
4 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+2分22秒
5 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+2分53秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分15秒
7 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+3分30秒
8 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+3分46秒
9 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+4分10秒
10 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+6分51秒
74 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+2時間24分00秒

[各賞]
■マイヨ・ベルデ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■チーム成績:モビスターチーム(スペイン)
■敢闘賞:アンヘル・マドラソ(カハルラル/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)

 


Summary - Stage 18 (Roa / Riaza) - La Vuelta a... 投稿者 la_vuelta