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ブエルタ第17ステージ個人TTでドゥムランが圧勝、総合首位に返り咲き!

レース

スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月9日にブルゴスで38.7kmの個人タイムトライアルを競い、オランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)が下馬評通り圧勝し、総合首位の座に返り咲いた。

この日、リーダージャージのマイヨ・ロホを着て個人タイムトライアルに挑んだ地元スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)は、ドゥムランよりも3分以上遅れてゴール。総合成績はかろうじて3位に留まったが、ドゥムランとのタイム差は1分15秒に開いてしまった。

その一方で、イタリアのファビオ・アルー(アスタナ)は個人タイムトライアルでドゥムランに1分53秒遅れと健闘し、たった3秒差で総合2位に留まった。ブエルタは日曜日にマドリードでゴールするまでに厳しいステージが3日間残っていて、総合逆転の可能性はまだ残されている。
 
得意のTTで快走したドゥムラン
得意のTTで快走したドゥムラン
第18ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
第18ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
プエルト・デ・ラ・ケセラ峠(MAP:Unipublic)
プエルト・デ・ラ・ケセラ峠(MAP:Unipublic)
24歳のドゥムランは厳しい山岳3連戦で何とか生き残り、1分51秒遅れの総合4位で得意の個人タイムトライアルを迎えた。彼はもともと今年のブエルタではこのステージでの区間優勝が最大の目標だった。午前中に試走し、自分向きのコースであることを確認したドゥムランはさらに自信を付けていた。

ときおり雨粒が落ちる曇り空の下、ドゥムランは最後から4番目の走者としてスタートランプから飛び出した。その時点での暫定1位はポーランドのマチエイ・ボドナル(ティンコフ・サクソ)。しかしドゥムランの走りに迷いはなかった。13.5kmの最初の計測地点で、彼は誰よりも早い17分44秒というタイムを叩きだした。

ドゥムランの後方では、ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ)が1分遅れ、アルーが44秒遅れで最初の計測地点を通過。マイカは前日のインタビューで、長い個人タイムトライアルを2ヶ月走っていないことを不安げに口にしていた。

そしてマイヨ・ロホのロドリゲスは、最初の計測地点ですでにドゥムランよりも1分11秒遅れてしまっていた。彼が個人タイムトライアルで遅れることは誰もが予想していたが、それでもマイヨ・ロホの魔法を地元のファンは期待していたかもしれない。しかし、現実はあまりにも厳しかった。

ドゥムランは2分前にスタートしたミケル・ニエベ(チームスカイ)をあっさりと抜き去り、ゴールを目指して快走を続けた。そして彼は、暫定1位だったボドナルに1分以上のタイム差を付けるトップタイムでゴールした。

27.5km地点の計測地点ではマイカも2分以上遅れ、アルーだけが1分44秒遅れで総合首位奪還の夢をつないだ。40秒台をキープできれば、総合でドゥムランには抜かれないはずだった。しかし結局1分53秒遅れでゴールし、マイヨ・ロホには手が届かなかった。

激しい総合争いの影で、地元スペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)と病み上がりのナイロ・キンタナ(モビスター)も快走。バルベルデは1分08秒遅れの区間3位、キンタナは1分33秒遅れの区間6位でゴールした。バルベルデは総合成績を9位から6位へと上げ、キンタナは8位から5位になった。しかし、総合5位のキンタナでもタイム差は3分近くあり、頂上ゴールのない終盤戦での逆転は難しい。


「この優勝と、またマイヨ・ロホが獲得できたことはとてもうれしい。脚はすごく調子がよく、自分のパフォーマンスに集中できた。中間タイムにことは考えなかった。勝利をもたらす自分の努力にただ集中していたよ」と、ドゥムランは喜びを語っている。

「日々調子がよくなっていると感じていた。今でもまだ相対的にフレッシュであると感じている。この後まだ難しい日々があるが、それはファンにとっては見どころになるということだろう。総合成績で重要なライバルたちが僕の後ろに迫っている。彼らがお互いにつぶし合うことを願うよ。チームと僕にとって、このブエルタは区間2勝ですでに成功している。それをより良いものにするためにベストをつくすつもりさ」


9月10日はロアからリアサまでの204kmで中級山岳区間の第18ステージが行なわれる。コースは中盤にカテゴリー3の峠を2ヶ所越えたあと、終盤に標高1740メートルでカテゴリー1のプエルト・デ・ラ・ケセラ峠に挑むが、ゴールは峠を下った先にある。


■第17ステージ結果[9月9日/ブルゴス~ブルゴス/38.7km(個人TT)]
1 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)46分01秒
2 マチエイ・ボドナル(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分04秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分08秒
4 バシル・キリエンカ(チームスカイ/ベラルーシ)+1分31秒
5 ジェローム・コッペル(IAM/フランス)+1分32秒
6 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分33秒
7 ロマン・シカール(ヨーロッパカー/フランス)+1分36秒
8 ネルソン・オリベイラ(ランプレ・メリダ/ポルトガル)+1分38秒
9 スティーブン・カミングス(MTN・クベカ/英国)+1分40秒
10 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+1分53秒
17 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+2分38秒
30 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+3分06秒
59 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+4分15秒

■第17ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)68時間40分39秒
2 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+3秒
3 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+1分15秒
4 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+2分22秒
5 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+2分53秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分15秒
7 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+3分30秒
8 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+3分46秒
9 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+4分10秒
10 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+6分51秒
75 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+2時間08分44秒

[各賞]
■マイヨ・ベルデ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)
 


Summary - Stage 17 (Burgos / Burgos) - Vuelta a... 投稿者 la_vuelta