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ブエルタ第16ステージでシュレクが区間優勝/ロドリゲスが総合首位!

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スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月7日にルアルカからカテゴリー超級のエルミタデ・アルバ(キロス)までの185kmで今年最後の頂上ゴールだった第16ステージを競い、ルクセンブルクのフランク・シュレク(トレック)がスタートから逃げ切って独走で区間初優勝した。

総合争いのグループからは、ゴールまで残り700メートルの急峻な坂で地元スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)がアタック。リーダージャージのマイヨ・ロホを着たイタリアのファビオ・アルー(アスタナ)とポーランドのラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ)は必死で追いつこうともがいたが、ロドリゲスを捕らえることはできなかった。

ロドリゲスは総合争いのグループで最初にゴール。アルーに2秒差を付けることに成功し、たった1秒差で総合首位に立った。しかし、第17ステージの個人タイムトライアルを2日後に控え、TTスペシャリストのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)には27秒差しかつけることができなかった。

最後の休養日を終えると、いよいよ最終週へと突入する今年のブエルタは、マイヨ・ロホを獲得したロドリゲスをアルーが1秒差、ドゥムランが1分51秒差で追う展開になっている。

 
ロドリゲスはアルーに2秒差をつけてゴールし、総合首位に立った

7ヶ所の上り坂に挑む第16ステージは167選手がスタート。すぐに山岳賞ジャージを着たオマール・フライレ(カハルラル)を含めた5選手がアタックし、5km地点で2分差を付けた。その5人にさらに選手が合流し、最初のカテゴリー3の峠をこえた時には先頭は10人になっていた。

逃げでもっとも総合成績が上位だったシュレクでも40分以上遅れていたため、集団はこの逃げを容認し、スローペースを続けたため、33km地点で10分以上の差が付いていた。最初の2つの峠は山岳賞ジャージを着たフライレが先頭で通過。54km地点でタイム差は18分にまで開いていた。

ゴールまでの110kmで、集団の先頭はカチューシャがコントロールを開始。タイム差は22分になっていた。つづく2つの峠もフライレが先頭で通過し、ポイントを着実に稼いでいった。ゴールまで残り57kmで、タイム差は19分にまで縮まっていた。

ゴールまで35km地点にあった、この日5つ目の登坂だったコルダル峠(カテゴリー2)山頂もフライレが先頭で通過。ティンコフ・サクソが先頭を引き始めた集団とのタイム差は14分だった。メイン集団ではコルダル峠から下り坂で、シルバン・シャバネル(IAM)とレオナルド・ドゥケ(コロンビア)が落車。シャバネルは鎖骨を骨折したのではないかと思われたが、このステージを完走している。

最後から2つ目のコベルトリア峠の登坂がゴールまで残り28.3km地点からスタートすると、先頭の10人からは脱落者が続出。ここでついに山岳賞ジャージのフライレも力尽きた。そして山頂まで2.5km地点で、先頭の逃げはシュレクとロドルフォ・トレス(コロンビア)の2人になった。

メイン集団はコベルトリア峠でアスタナ勢が全員で先頭を引き始め、50人ほどになっていた。そしてシュレクとトレスが山頂を通過した時、タイム差は10分36秒にまで縮まった。アスタナはハイテンポで引き続け、マイヨ・ロホの集団は18人に絞りこまれてしまったが、総合を争う選手は全員そこに生き残っていた。ここで遅れることを危惧していたドゥムランの姿も集団の前方にあった。

ゴールまで残り6.8kmから、ゴールへとつづくカテゴリー超級のエルミタデ・アルバ山の登坂がスタートし、先頭の2人はまだ11分近いタイム差を維持していた。そしてゴールまで残り3kmの、最も勾配がキツイ場所でシュレクがアタック。格の違いを見せつけるように、トレスを置き去りにして独走を開始した。

マイヨ・ロホの集団はマイカをアシストするパベウ・ポリャンスキー(ティンコフ・サクソ)が先頭で最後のエルミタデ・アルバ山に突入。序盤にドゥムランは集団の後方にいたが、残り3km地点では先頭を引いていたミケル・ランダ(アスタナ)のすぐ後ろに付けていた。その一方で、マイヨ・ロホのアルーは集団の後方に下がっていた。

エルミタデ・アルバ山の厳しい坂で激しい総合争いが繰り広げられている頃、先頭では35歳のシュレクが独走でフィニッシュラインを通過していた。彼はツール・ド・フランスで区間優勝したことはあったが、ブエルタの区間で勝ったのはこれが初めてだった。

マイヨ・ロホの集団は、勾配が21%を超える難所でアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)やエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)が脱落したが、ドゥムランはまだ生き残っていた。しかし、フラムルージュを通過したあとに付いて行けなくなり、その後は自分のペースでゴールを目指していた。

先頭はランダが引いていたが、残り700メートルでついにマイヨ・ベルデを着たロドリゲスが飛び出した。一度は後方に下がっていたアルーは追走を試みたが、最後の1kmは誰も想像していなかったほど急峻な坂だった。そこを駆け上がったロドリゲスは、アルーに2秒差を付けることに成功した。
 
厳しい山岳3連戦で生き残ることができたドゥムラン
第17ステージ(個人TT)のコースプロフィール(MAP:Unipublic)
区間優勝したシュレクは「ここには総合でいい成績を目指すために来たのだが、2度の落車でチームは戦略を変えなければならず、区間優勝を狙うことに集中した。僕たちはこのステージについて、たくさんの上り坂のことや、軽量の僕にどれくらい向いてるかについて話し合った。そして僕は今日、逃げに加わる計画を立てたのさ」と、語っている。

総合首位に立ったロドリゲスは「今年のブエルタではすべてがまだ可能だ。1秒というタイム差は僕を興奮させはしないが、最終的にこのブエルタはすでに期待していた以上のものをもたらしてくれている。区間優勝とマイヨ・ロホだ。最終的な目標はマドリードに表彰台圏内で到着することで、それが一番てっぺんでもいいじゃないか?」と、語った。

しかしロドリゲスは、2日後に挑まなければならない個人タイムトライアルを冷静に考えてもいる。「僕は超人的なTTが必要で、全力を尽くすつもりだ。そのためにここにいるのだから。ドゥムランとのタイム差が2分未満というのは厳しいが、不可能なわけではない。彼は明日回復して、TTは非常にモチベーションを持って挑むだろう。けれど僕たちも闘うよ!」

一方、厳しい山岳3連戦で生き残ることができたドゥムランは「調子がいいと感じている。今日脚はとても調子が良くて、もう一度タイムロスをなんとか最小限に抑えられた。僕たちは一緒にとてもよく働き、チームメートたちはすばらしかった。終盤はペースがとても速かったけれど、最後から2番目の登坂までクラドックが一緒にいてくれたからよかった。その後、小さい集団になってしまったが、総合を争う選手の多くが孤立していた。最後に自分のやり方でゴールを目指して闘った」と、この日のレースをふり返っている。

しかしTTスペシャリストであるドゥムランもまた、総合優勝に関しては慎重だ。「水曜日のTTの後になれば、総合成績でのチャンスについてもう少しわかってくるだろう。TTで僕が本当によく走れたとしても、まだ厳しいステージが3日間残っているからね」


9月8日は最後の休養日となり、9日はブルゴスで総合争いを決定づけるであろう38.7kmの平坦な個人タイムトライアルが行なわれる。


■第16ステージ結果[9月7日/ルアルカ〜エルミタデ・アルバ(キロス)/185km]
1 フランク・シュレク(トレック/ルクセンブルク)5時間49分56秒
2 ロドルフォ・トレス(コロンビア/コロンビア)+1分10秒
3 モレノ・モゼール(キャノンデール・ガーミン/イタリア)+1分48秒
4 ジョーシ・ベネット(ロトNL・ユンボ/ニュージーランド)+2分42秒
5 ピエール・ロラン(ヨーロッパカー/フランス)+2分49秒
6 オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)+3分05秒
7 カルロス・ベロナ(エティックス・クイックステップ/スペイン)+4分26秒
8 ローレンス・ウォーバス(IAM/米国)+6分02秒
9 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+8分51秒
10 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+8分53秒
11 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+9分03秒
12 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+9分03秒
13 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+9分05秒
14 ミケル・ランダ(アスタナ/スペイン)+9分06秒
15 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+9分07秒
16 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+9分18秒
23 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+10分25秒
97 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+29分05秒

■第16ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)67時間52分44秒
2 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+1秒
3 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分35秒
4 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+1分51秒
5 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+2分32秒
6 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+2分38秒
7 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+2分49秒
8 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分11秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分58秒
10 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+5分22秒
75 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+2時間06分20秒

[各賞]
■マイヨ・ベルデ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:ロドルフォ・トレス(コロンビア/コロンビア)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)
 


Summary - Stage 16 (Luarca / Ermita de Alba... 投稿者 la_vuelta