ニュース

【Tour速報】ツール・ド・フランス第16ステージは35歳のプラサが逃げ切って区間初優勝!

レース

第102回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月20日にブール・ド・ペアージュからギャップまでの201kmで第16ステージを競い、終盤のマンス峠(カテゴリー2)で逃げ集団からアタックしたスペインのルベン・プラサ(ランプレ・メリダ)がそのまま独走で逃げ切り、35歳で区間初優勝した。

マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が守った。
*

第16ステージは170選手がスタート。間もなく第1子が生まれる予定のグレッグ・バンアーベルマート(BMC)が出走しなかった。スタートしてすぐにマイヨ・ベールのペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)を含めた29選手が先行した。

15km地点で逃げ集団は2つに分断し、先頭は12人になった。この時、メイン集団はすでに2分近く遅れていた。追い風ということもあり、最初の1時間の平均時速は53.6km/hという非常に速いレースとなった。ここで、集団ではピーター・ケノー(チームスカイ)が病気でリタイアした。

86.5km地点の中間スプリントポイントはサガンが先頭で通過し、20ポイントを獲得した。総合で上位の選手は加わっていなかったため、集団は逃げを追わず、93km地点で7分という大差が付いていた。105km地点で、追走していた11人が先頭の12人に追いつき、逃げ集団は23人に膨らんだ。この逃げには区間優勝経験者が6人含まれていた。メイン集団とのタイム差は10分になっていた。

23人の逃げ集団がカブル峠(カテゴリー2)を上り始めた時、タイム差は12分15秒になっていた。集団ではラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ)が落車して左ヒザを負傷したが、レースを続行。130km地点のカブル峠山頂は、セルジュ・パウエルス(MTN・クベカ)が先頭で通過した。

ゴールまで残り50kmで、先頭の逃げ集団からオーストリアチャンピオンのマルコ・ハーラー(カチューシャ)、エドワルド・ボアソンハーゲン(MTN・クベカ)、ネルソン・オリベイラ(ランプレ・メリダ)がアタックしたが、マイヨ・ベールのサガンが引き戻した。

つづいてアダム・ハンセン(ロット・ソウダル)がアタックし、ゴールまで残り44km地点で後続に30秒差を付けた。すぐにハーラーがハンセンに合流。ゴールまで残り30kmで、2人は追走する21人に50秒差、メイン集団には18分差を付けていた。

ゴールまで残り25kmで2人のタイム差は1分に開いていたが、残り21kmでマンス峠(カテゴリー2)の登坂が始まると、先頭の2人と追走のタイム差はすぐに縮まり始めた。このとき、チームスカイがコントロールする集団はすでに20分後方にいた。

先行していた2人は、ゴールまで18.6kmでクリストフ・リブロン(AG2R)が先頭の追走グループに捕まった。ここでカウンターアタックを仕掛けたのがベテランのプラサだった。

1km先でプラサはリブロン、サガン、シモン・ゲシュケ(ジャイアント・アルペシン)、ダニエル・テクレハイマノット(MTN・クベカ)の4人に19秒差を付けていた。この4人に後方から5人が追いつき、残り15kmで追走グループは9人になっていた。

マイヨ・ベールを着たサガンは、カテゴリー2の上り坂で驚くような強さを見せて追走グループの先頭を走っていたが、プラサを捕らえることはできなかった。マンス峠の山頂でプラサはサガンのグループに55秒差を付けていた。

マンス峠の下り坂でサガンは必死で追い上げたが、プラサはまんまと逃げ切り、30秒差を付けたままギャップのゴールへと飛び込んだ。サガンはまたもや区間2位で終わってしまった。彼は今年のツールで5回2位になっている。

イタリアのランプレがツールで区間優勝したのは、なんと2010年のアレッサンドロ・ペタッキ以来のことだった。

逃げ集団よりも20分近く遅れてマンス峠を登り始めたメイン集団では、いくつかのアタックがかかった後、山頂まで1km地点からイタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が飛び出した。

ニーバリは単独で坂を下りきり、フルームよりも28秒早くゴールしたが、総合成績には何の影響もなかった。メイン集団ではマンス峠の下りのカーブで、フランスのワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン)がバランスを崩し、英国のゲラント・トーマス(チームスカイ)をコースから押し出してしまう事故が発生した。

トーマスはそのままコースアウトし、電柱にぶつかって転倒したのだが、奇跡的にケガはなく、すぐレースに復帰した。しかも彼はチームメートのウォートル・プールス(チームスカイ)の助けを借りて、フルームからたった38秒遅れでゴール。総合6位の座も守ることができた。


■区間初優勝したプラサのコメント「ボクはモビスターの頃から知っていたルイ・コスタのリクエストでランプレに加入した。この勝利は家族に捧げるが、コスタにも捧げる。彼のリタイアはチームにとって痛手だったからね」

「35歳になると、25歳の頃よりもずっと勝利に感謝するものだ。グランツールでの最後の勝利は2005年のブエルタで、タイムトライアルだった。こんなふうに区間優勝するのもすばらしい」

「サガンが追ってくるのはわかっていたし、彼が下りが得意なのも知っていた。でも、山頂で50秒という十分なタイム差を付けていたからパニックにはならなかった」


7月21日は2度目の休養日となり、22日からはいよいよアルプスを舞台に4日間の山岳ステージが始まる。第17ステージは161kmで、ディーニュ・レ・バンをスタートし、峠を4つ越えたあと、標高1620メートルでカテゴリー2のプラ・ルー山頂にゴールする。(MAP:ASO)
*

■第16ステージ結果[7月20日/ブール・ド・ペアージュ~ギャップ/201km]
1 ルベン・プラサ(ランプレ・メリダ/スペイン)4時間30分10秒
2 ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)+30秒
3 ハーリンソン・パンタノ(IAM/コロンビア)+36秒
4 シモン・ゲシュケ(ジャイアント・アルペシン/ドイツ)+40秒
5 ボブ・ユンゲルス(トレック/ルクセンブルク)+40秒
6 クリストフ・リブロン(AG2R/フランス)+40秒
7 ダニエル・テクレハイマノット(MTN・クベカ/エリトリア)+53秒
8 トーマス・ドヘント(ロット・ソウダル/ベルギー)+1分00秒
9 ルイスアンヘル・マテ(コフィディス/スペイン)+1分22秒
10 トマ・ヴォクレール(ヨーロッパカー/フランス)+1分22秒
24 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+17分44秒
28 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+18分12秒
34 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+18分50秒
■第16ステージまでの総合成績
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)64時間47分16秒
2 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分10秒
3 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+3分32秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+4分02秒
5 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+4分23秒
6 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+5分32秒
7 ロベルト・ヘーシンク(ロトNL・ユンボ/オランダ)+6分23秒
8 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+7分49秒
9 バウケ・モレマ(トレック/オランダ)+8分53秒
10 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+11分03秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)
■チーム成績(黄ゼッケン):モビスターチーム(スペイン)
■敢闘賞(赤ゼッケン):ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
(http://www.letour.fr/le-tour/2015/fr/)
 


Summary - Stage 16 (Bourg-de-Péage > Gap... 投稿者 tourdefrance_en