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スペシャライズド:S-Works + McLaren TTヘルメット

新製品

スペシャライズドとマクラーレンとの2度目の提携により、エアロダイナミクスをさらに進化させた「S-Works + McLaren TTヘルメット」が第99回ツール・ド・フランスのプロローグ(個人タイムトライアル)でデビューした。オメガファルマ・クイックステップのリーヴァイ・ライプハイマーとTT世界チャンピオンのトニー・マルティンの両選手が着用。マルティンは不運なパンクに見舞われ45位という成績に終わってしまったが、その卓越した走行技術とスピードはこの日一番のトピックとして語り継がれるだろう。

この「S-Works + McLaren TTヘルメット」は世界最速のエアロダイナミックサイクリングヘルメットで、何時間にもおよぶ風洞実験や計算流体力学(CFD)のモデリング、そして走行テストへの先例のない投資による成果となる。このプロジェクトにより、スペシャライズドのエアロダイナミクスの計測と調整に関する能力が新たなレベルに達した。それは単なる反復ではなく、エアロダイナミクスへのアプローチ方法における未来への躍進となる。

ギルベント計算流体力学:マクラーレンのCFD(計算流体力学)によって生まれたギルベントと排気ポートが連動してヘルメット側部からエアフローを引き込んで後部に流し、空気抵抗を低減して通気を増やす

 

最初にVengeを開発したとき、風洞実験に多額の投資を行なった。成果はミラノ~サンレモでのデビューウインに始まり、最近ではボーネンによるヘント~ウェヴェルヘム制覇まで数々の劇的な勝利によって報われている。「S-Works + McLaren TTヘルメット」は、Vengeに比べて風洞実験の回数だけでも2倍以上の投資がなされた。マクラーレンとの提携を通して、風洞実験やCFD分析のデータ解析においてさらに優れた新しい方法が採用されている。今回の提携により、空気という最大の障害を低減して選手をさらに速く走らせるというプロサイクリングのユニークな要求に対して、F1で培われたエアロダイナミクスの知識とノウハウを応用することができた。

 

仮説は立てず、すべてを試験:SPECIALIZEDが設計した新しいマネキン人形とプロトタイプのシステムにより、8日間の風洞実験で60個以上の新しいコンセプトモデルがテストされた。ヘルメットの性能を多様な頭の形やヨー角に合わせて最適化することにより、最終的な形状は、あらゆるライダーとすべての風の条件に対して、実質的なフリースピードを提供している。

 

このヘルメットはプロ選手専用に開発されたもので、CE安全規格認証を付けて少数の限定数で供給される。CPSC/Snell/AUS認証のバージョンの製造は予定していない。しかしマクラーレンのF1が常にエアロダイナミクスの向上を追求しているように、デビューとともにこのヘルメットのプロジェクトが終了するわけではない。プロジェクトはまだスタートしたばかりといえる。

※日本での販売予定は現在のところありません。

問 スペシャライズド・ジャパン http://www.specialized.com/ja/ja/home/