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【RACE NEWS】 ツアー・オブ・ジャパン

レース

第10回ツアー・オブ・ジャパンは5月21日(日)に全日程を終え、ウクライナ出身のウラジミール・ドゥマ(チームウニベルサルカフェ・CBインモビリ アーレ)が総合優勝を果たした。総距離は713.08kmで、優勝タイムは18時間15分5秒。ドゥマは第2ステージ(奈良)を制してリーダージャージを 獲得し、そのまま最終日までこのグリーンジャージを守りとおした。 総合2位は16秒差でジョンリー・オーガスティン(チーム・コニカミノルタ)。南アフリカ出身のオーガスティンは現在たった19歳。過酷な富士山TTで優 勝し、山岳賞のレッド・ジャージも獲得した。総合3位には、最終日の逃げでスキル・シマノの狩野智也を逆転したカザフスタン出身のアンドレイ・ミズロフ (サイクリングチーム・カペック)が、1分9秒差で入った。

総合優勝のドゥマは現在34歳。1998年にイタリアのスクリーニョ・ガエル ネチームでプロデビューし、その年にツール・ド・スイスで区間優勝。2000年からはパナリア、2003年からはランボークレジットに所属。昨年コンチネ ンタルチームのウニベルサルカフェに移籍するまでの7年間、ジロ・デ・イタリアに毎年出場し、すべて完走という素晴らしい実績を持つ。しかし、ステージ レースの区間やワンデーレースでの優勝はあるものの、総合優勝でリーダージャージを着るのは、ドゥマにとって今回が初めての経験だった。「私は素晴らしい チームと一緒に日本に来られてとてもうれしい。スタート前、私のこのレースでの目標は総合優勝だけだったが、チームメートが私のために一生懸命働いてくれ たおかげで、奈良で区間優勝することもできた」

今回のレースで、ドゥマのアシストとしてその働きぶりが際立っていたのはラトビア出身のラ イビス・ベロフォシクス。かつてはランプレに所属していたTTスペシャリストで、ドパンヌの3日間レースで総合優勝したこともある有名選手。もしもツ アー・オブ・ジャパンにツールのような敢闘賞が存在していたら、まちがいなく彼が受賞していただろう。ベロフォシクスは第1、第2ステージで序盤からの逃 げを担当。ドゥマがリーダージャージを獲得したあとは、集団の先頭でリーダーを守る走りに徹した。最終日、そんなベロフォシクスにアントニオ・ヤコボッ ツィ監督はごぼうびとして区間を取りに行くことを許可した。その指示通り、彼は得意の逃げで自らの区間優勝を難無く手中に収めた。

6ス テージの優勝者はワールドワイドなラインナップで、第1ステージが香港のワン・カンポー、第ステージがウクライナのドゥマ、第3ステージがイタリアのダニ エーレ・ディヌッチ(チームウニベルサルカフェ・CBインモビリアーレ)、第4ステージが南アフリカのオーガスティン、第5ステージがオーストラリアのマ テュー・ロイド(サウスオーストラリアドットコム・AIS)、そして第6ステージがラトビアのベロフォシクス。残念ながら日本は1勝も上げることができな かったが、最終日の逃げで鈴木真理(ミヤタ・スバル)が中間ポイントを稼ぎ、逆転でポイント賞のブルージャージを獲得して表彰台に上がった。団体総合時間 賞は南アフリカのチーム・コニカミノルタが受賞した。