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2009年ロードレース10大ニュース

レース

■アームストロング現役復帰

今年は37歳のランス・アームストロングが現役復帰を果たし、ニュースを独占した年だったと言えるだろう。2008年の9月に現役復帰宣言をしたアームストロングは、ディスカバリーチャンネルでコンビを組んでいたヨハン・ブリュイネールがチームマネージャーを務めるアスタナに加入。それまでチームリーダーだったアルベルト・コンタドールとの確執も話題の1つだった。今年4年ぶりで出場したツールで総合3位になったアームストロングは、来季はみずから立ち上げた米国の新チーム、ラディオシャックで8度目のツール優勝を目指す。

■コンタドールがツール総合優勝

2008年はチームが招待されず、ツール連覇を果たせなかったスペインのアルベルト・コンタドールはジロとブエルタを制して、3大ツアー全制覇をやってのけた。今年はチームメートとなったアームストロングとの冷戦をものともせず、2年ぶりで参加したツールで総合優勝し、メジャーツアーでは現在最強であると見せつけた。アスタナ残留を巡っては長い時間を費やしたが、チームも無事プロツアーライセンスを獲得。来年はツールでアームストロングと真の戦いが待ち受けている。

■ヴィノクロフが復帰してアスタナ奪還

2007年のツールで輸血ドーピングの陽性になり、2年間の競技停止処分を受けていたカザフスタンのアレクサンドル・ヴィノクロフは、今年7月で処分が明け、アスタナで現役復帰を果たした。これを受けて2年間チームマネージャーを務めたヨハン・ブリュイネールはチームを去ることになり、来年アスタナはふたたびカザフスタン主導のチームに再生することになった。

■バルベルデがプエルトへの関与でイタリア国内競技禁止

スペインのアレハンドロ・バルベルデは、イタリア五輪委員会(CONI)から、オペラシオン・プエルトの首謀者であるエウフェミアーノ・フエンテスの顧客だったと断定され、イタリア国内で2年間競技を禁止する処罰を下された。今年のツールは一部イタリア国内を通過するコースだったため、バルベルデはツールに参加することができなかった。オペラシオン・プエルトは発生から3年半が経過したが、いまだに解決の糸口は見つかっていない。

■レベッリンが北京五輪で陽性

昨年北京オリンピックのロード種目で銀メダルを獲得したイタリアのダビデ・レベッリンが、この時行われた検査でCERA(第3世代EPO)で陽性になった。北京五輪では、昨年のツールですでにCERA陽性が発覚していたドイツのシュテファン・シューマッヒャーも陽性になっている。イタリア車連は国際オリンピック委員会の要請を受けて、レベッリンの銀メダル剥奪を決定したが、レベッリン本人はドーピングの事実を一切否定している。

■ディルーカがジロで陽性

100周年を祝った今年のジロで、総合優勝したロシアのデニス・メンショフと渡り合ったイタリアのダニーロ・ディルーカが、大会中に行われた検査で2回、CERA(第3世代EPO)の陽性になった。ディルーカはBサンプルによる再検査でも陽性になり、CONIは彼に対し、3年間の競技停止処分をリクエストしている。

■エバンズがオーストラリア初の世界チャンピオンに

スイスのメンドリーズィオで開催された世界選手権ロード部門で、カデル・エバンズが優勝し、母国オーストラリアに初のアルカンシエルをもたらした。タイムトラアイル部門では、すでにマイケル・ロジャースが優勝していたが、ロードは史上初の快挙。来年の世界選はオーストラリアのメルボルンで開催される予定で、エバンズはゼッケン1を付けて走ることになるだろう。

■英国初のプロツアーチーム、チームスカイが誕生

2012年にロンドン五輪が行われる英国で、ドリームチームのチームスカイが誕生した。英国五輪パフォーマンス・ディレクターのD・ブレイルスフォードが5年計画のプロジェクトとして立ち上げ、衛星放送局のブリティッシュ・スカイ・ブロードキャスティングがスポンサーになったこのチームには、各国のチームにちらばっていた英国人選手が集まっているが、年末になって今年のツールで総合4位になったブラッドリー・ウィギンスも電撃移籍して話題になっている。

■フランク・バンデンブルック急死

ベルギー人のフランク・バンデンブルックが、休暇で訪れていたセネガルで急死した。34歳だった。バンデンブルックはホテルの一室で死亡しているのが発見され、一緒にいたセネガル人女性とその仲間が窃盗容疑で逮捕されたが、検死の結果、自然死と断定されている。彼の両親はベルギーでの検死やり直しを望まず、結局彼の死因は謎のままとなってしまった。

■日本人2選手がツール初完走

今年のツールには13年ぶりで日本人選手が出場し、大いに盛り上がった。しかもスキル・シマノの別府史之とBボックス・ブイグテレコムの新城幸也の2選手が同時参加し、2人とも日本人として初の完走も果たした。新城はBボックス・ブイグテレコムとの契約を延長。来年もツールで元気な走りが見られるかもしれない。