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ツアー・オブ・カタール途中経過

レース

中東のカタールを舞台に熱戦が続く第9回ツアー・オブ・カタール(UCIアジアツアー2.1)は、第4ステージまでを終了し、第2ステージで区間優勝したヒールト・ストゥールス(トップスポルトブラーンデレン・メルカトル)と一緒に逃げ切って総合首位に立ったオランダのウォートル・モル(バカンソレイユ)が、リーダージャージを守っている。

初日のチームタイムトライアルを制し、ノルウエーのエドワルド・ボアソンハーゲンが最初のリーダージャージに袖を通し、そのまま初出場のカタールを制覇する意気込みだった英国のチームスカイ。しかし、勝利の美酒に酔ったのもつかの間、翌日には思わぬ落とし穴が待ち構えていた。強い北風にさいなまれたレースは、オフィシャルスタートが切られる前から落車が発生し、チームスカイのクルトアスル・アルベセンが鎖骨骨折でリタイアした。

スタートからわずか2kmで飛び出したはモル。すぐにストゥールスが追いつき、逃避行がスタートした。2人は36km地点で最大22分40秒という差を付け、スプリンターでディフェンディングチャンピオンのトム・ボーネン(クイックステップ)、ハインリッヒ・ハウスラー(セルヴェロ)、フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット)を含む28選手が追走する展開になったが、リーダージャージのボアソンハーゲンは後続グループで苦しい闘いを強いられていた。

ゴールまで残り25kmになっても、先頭の2人はまだ後続に5分半の差を付けて逃げ続けることに成功。そのまま2人は2分近い差を付けたままゴールへと飛び込み、ストゥールスが区間、モルが総合首位を分け合った。トップスポルトブラーンデレンのストゥールスにとって、その勝利は昨年今大会参加中に急死したチームメートのフレデリク・ノルフへの追悼を意味していた。「この勝利はたしかにノルフのための勝利だ。チーム全員からのね」ストゥールスは天国のノルフにその勝利を捧げるために両手で空を指差し、ゴールラインを通過している。

大会2日目で総合首位に立ったモルは、優勝候補のスプリンターたちに2分以上の差を付けてしまったため、区間優勝のボーナスタイムでひっくり返すのは困難になってしまった。モルに9秒差のストゥールスは第2ステージ終了後に「リーダージャージは後々目指す」と語っていたが、モルを出し抜く走りはできていない。残すところあと2区間となったツアー・オブ・カタールは、2月12日に閉幕する。

 

■第2ステージ[2月8日/キャメルレース・トラック~カタール・ファンデーション/147km]
1 ヒールト・ストゥールス(トップスポルトブラーンデレン/ベルギー) 3時間31分00秒
2 ウォートル・モル(バカンソレイユ/オランダ)
3 ロジャー・クリューゲ(ミルラム/ドイツ)                +1分51秒
4 ハインリッヒ・ハウスラー(セルヴェロ/ドイツ)             +1分54秒
5 フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)       +1分55秒
6 ロジャー・ハモンド(セルヴェロ/英国)                 +1分55秒
7 トム・ボーネン(クイックステップ/ベルギー)              +1分55秒
8 ジェレミー・ハント(セルヴェロ/英国)                 +1分55秒
9 ダニーロ・ナポリターノ(カチューシャ/イタリア)            +1分55秒
10 マルクス・ブルクハルト(BMCレーシングチーム/ドイツ)        +1分55秒
■第2ステージまでの総合成績
1 ウォートル・モル(バカンソレイユ/オランダ)           3時間40分50秒
2 ヒールト・ストゥールス(トップスポルトブラーンデレン/ベルギー)       +9秒
3 ロジャー・クリューゲ(ミルラム/ドイツ)                +2分02秒
4 トム・ボーネン(クイックステップ/ベルギー)              +2分05秒
5 マルクス・ブルクハルト(BMCレーシングチーム/ドイツ)        +2分06秒
6 フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)       +2分18秒
7 ダニーロ・ナポリターノ(カチューシャ/イタリア)            +2分18秒
8 スチュアート・オグレディ(サクソバンク/オーストラリア)        +2分40秒
9 タイラー・ファーラー(ガーミン・トランジションズ/米国)        +2分41秒
10 マルコ・ベーロ(クイックステップ/イタリア)              +2分47秒  
■第3ステージ[2月9日/ドゥカン~メサイイード/136.5km]
1 トム・ボーネン(クイックステップ/ベルギー)           3時間01分39秒
2 ハインリッヒ・ハウスラー(セルヴェロ/ドイツ)
3 バーデン・クック(サクソバンク/オーストラリア)
4 ケニー・ドゥハース(オメガファルマ・ロット/ベルギー)
5 ダニエーレ・ベンナーティ(リクィガス・ドイモ/イタリア)
6 ペーター・ウロリッヒ(ミルラム/オーストリア)
7 タイラー・フィニー(トレック・リブストロング/米国)
8 ボビー・トラクセル(バカンソレイユ/オランダ)
9 タイラー・ファーラー(ガーミン・トランジションズ/米国)
10 フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)
■第3ステージまでの総合成績
1 ウォートル・モル(バカンソレイユ/オランダ)           6時間42分30秒
2 ヒールト・ストゥールス(トップスポルトブラーンデレン/ベルギー)       +9秒
3 トム・ボーネン(クイックステップ/ベルギー)              +1分55秒
4 ロジャー・クリューゲ(ミルラム/ドイツ)                +1分59秒
5 マルクス・ブルクハルト(BMCレーシングチーム/ドイツ)        +2分05秒
6 ダニーロ・ナポリターノ(カチューシャ/イタリア)            +2分15秒
7 フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)       +2分17秒
8 スチュアート・オグレディ(サクソバンク/オーストラリア)        +2分40秒
9 タイラー・ファーラー(ガーミン・トランジションズ/米国)        +2分41秒
10 ハインリッヒ・ハウスラー(セルヴェロ/ドイツ)             +2分43秒  
■第4ステージ[2月10日/ザ・パール~アル・コール・コルニッシュ/146.5km]
1 フランチェスコ・キッキ(リクィガス・ドイモ/イタリア)      3時間16分58秒
2 ハインリッヒ・ハウスラー(セルヴェロ/ドイツ)
3 フアンホセ・アエド(サクソバンク/アルゼンチン)
4 テオ・フォス(セルヴェロ/オランダ)
5 ケニー・ドゥハース(オメガファルマ・ロット/ベルギー)
6 ロジャー・クリューゲ(ミルラム/ドイツ) 
7 クリストフ・ゴダールト(AG2R・ラモンディアル/ベルギー)
8 タイラー・フィニー(トレック・リブストロング/米国)
9 ダニーロ・ナポリターノ(カチューシャ/イタリア)
10 バーデン・クック(サクソバンク/オーストラリア)
■第4ステージまでの総合成績
1 ウォートル・モル(バカンソレイユ/オランダ)           9時間59分28秒
2 ヒールト・ストゥールス(トップスポルトブラーンデレン/ベルギー)       +9秒
3 トム・ボーネン(クイックステップ/ベルギー)              +1分55秒
4 ロジャー・クリューゲ(ミルラム/ドイツ)                +1分59秒
5 マルクス・ブルクハルト(BMCレーシングチーム/ドイツ)        +2分05秒
6 ダニーロ・ナポリターノ(カチューシャ/イタリア)            +2分15秒
7 フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)       +2分17秒
8 ハインリッヒ・ハウスラー(セルヴェロ/ドイツ)             +2分37秒
9 フランチェスコ・キッキ(リクィガス・ドイモ/イタリア)         +2分38秒
10 スチュアート・オグレディ(サクソバンク/オーストラリア)        +2分40秒
■ポイント賞:ハインリッヒ・ハウスラー(セルヴェロ/ドイツ)
■新人賞  :ロジャー・クリューゲ(ミルラム/ドイツ)
■チーム成績:トップスポルトブラーンデレン・メルカトル(ベルギー)

 

*ミルラムのツィオレックは落車で全治2ヶ月

●第3ステージのゴール争いで落車したミルラムのエース、ゲラルド・ツィオレックは右鎖骨と右手舟状骨を骨折して手術を受けた。完治するには2ヶ月を要し、トレーニングを再開するのも最低で3週間後となる。ツィオレックは3月20日のミラノ~サンレモに参加する予定だったが、春のクラシックでの活躍は難しくなってしまった。