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【ツール速報】 ピレネー初日はリブロンが逃げ勝ち!

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第97回ツール・ド・フランスは、いよいよピレネー山脈に突入。7月18日は、ルベルからアクス・トロワ・ドメーヌまでの184.5kmで第14ステージを競い、地元フランスのクリストフ・リブロン(AG2R・ラモンディアル)が逃げ切って区間初優勝を果たした。2位はデニス・メンショフ(ラボバンク)、3位はサムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ)だった。マイヨ・ジョーヌのアンディ・シュレック(チームサクソバンク)と総合2位のアルベルト・コンタドール(アスタナ)は、同じグループでゴール。総合上位に変動はなかった。日本の新城幸也(Bボックス・ブイグテレコム)は、27分10秒遅れの103位でゴール。総合は1時間48分8秒遅れの98位になった。

第14ステージは175選手がスタート。前日はコフィディスのレイン・ターラマエが途中リタイアしたが、今日は全員が出発した。最初の1kmでドイツチャンピオンのクリスティアン・クニース(チームミルラム)がアタック。11人が追いかけて先行し、そのなかからゲラント・トーマス(チームスカイ)、パベル・ブルット(チームカチューシャ)、アマエル・モワナール(コフィディス)、デービッド・ザブリスキー(ガーミン・トランジションズ)が生き残った。24km地点で、後方からブノワ・ボーグルナール(FDJ)、ユルフン・バンドワル(クイックステップ)、ピエール・ロラン(Bボックス・ブイグテレコム)、ステファヌ・オジェ(コフィディス)、リブロンが追いつき、先頭は9人のグループになった。

終盤にそびえるカテゴリー超級のポルト・ド・パイエール峠のふもとで、9人とアスタナがコントロールする集団のタイム差は4分5秒。残り40kmで、カルロス・サストレ(セルヴェロテストチーム)がチームメートのボロディミル・グストフとともに集団からアタックし、追走してきたバシリ・キリエンカ(ケスデパーニュ)とともに山頂を目指した。この登坂で集団からはランス・アームストロング(チームレディオシャック)が脱落。この日、『ボス』は結局15分14秒遅れの70位でゴールしている。

9人の先頭集団はリブロン、モワナール、バンドワルの3人でゴールを目指していたが、最初にバンドワルが脱落し、山頂まで残り2kmでモワナールも付いていけず、リブロンの一人旅が始まった。29歳のリブロンはポルト・ド・パイエール峠山頂をトップで通過。モワナールには37秒差、サストレとキリエンカには1分55秒差、そしてメイン集団には2分45秒差を付けていた。20km近くつづいた下りでも、リブロンは後続に追いつかれることなく、ゴールへと向う最後のアクス・トロワ・ドメーヌの登坂をスタート。そのまま逃げ切り、ツール区間初優勝の栄冠を手に入れた。

アクス・トロワ・ドメーヌ峠で、メイン集団は前日区間優勝したアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ)が先頭を引き、この加速でイバン・バッソ、ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ)そしてリーバイ・ライフェイマー(チームレディオシャック)が脱落した。残り4km、有力選手が生き残ったグループで、コンタドールが2度アタックを仕掛けたが、マイヨ・ジョーヌのシュレックはけっして彼を逃すことなくぴったりマークした。残り2kmで、この集団からメンショフがアタック。S・サンチェスは追走したが、コンタドールとシュレックは、2人だけの闘いを続けていた。結局ピレネー初日で決着はつかず、シュレックはコンタドールとのタイム差は維持したが、総合3位のS・サンチェスと総合4位のメンショフには14秒縮められてしまった。

ツール初優勝のビッグタイトルをつかんだリブロンは「ツールでの自分の出だしには本当にがっかりしていた。総合でいい成績を上げたかったのに、うまく行かなかったからだ。とくに昨日までの2日間はとても厳しく、ボクはかなり落ち込んでいた。そのあとで、ラブヌー監督、ジュルディ監督とじっくり話したとき、彼らはボクが大抵ツールの3週目に調子がよくなるのだと説明した。だからボクは自分のチャンスをつかんで、逃げに乗らなければいけなかったんだ。彼らはボクにやる気を与えてくれれたんだ。でも、夕べはまだ、自分自身に1ユーロだって賭けたいとは思わなかったよ」と、喜びを語った。

ピレネー初日を乗り切った25歳のマイヨ・ジョーヌ、アンディ・シュレックはこう語った。「ボクには計画があって、それに従いたかった。もしアルベルト(コンタドール)が本当に調子が悪いのなら、ボクはアタックするつもりだったけど、そんなチャンスはなかった。彼は実際、かなり好調だった。けれど、ボクだって好調だった。彼がアタックしたとき、ボクは彼を追い越すことはできなかった。だから彼の後ろに付くしかなかった。あれはボクと彼の間のちょっと心理戦だった。明日はまたまったくちがう展開になるだろう。けれど今日、ボクが彼を追い越せなかったのは明らかだ。彼がアタックして、ボクからタイムを奪おうとしたからだ。もちろんボクはリラックスしている。けれどそれは簡単じゃあない。ストレスだらけで、すごい重圧を背負っているよ。ボクは落ち込まない。うまくやれるさ。プレッシャーはボクのモチベーションになる。でも、簡単じゃあないよ」

ピレネー2日目の第15ステージは、パミエからバニェール・ドゥ・ルションまでの187.5km。中盤にカテゴリー2のポルト・ダスペット峠を越え、終盤には19.3km上る標高1755mのポルト・ド・バレス峠(カテゴリー超級)を越えなければならない。しかしゴールのバニェール・ドゥ・ルションは、ポルト・ド・バレス峠を下った先にある。

 

■第14ステージ[7月18日/ルベル→アクス・トロワ・ドメーヌ▲▲▲▲/184.5km]
1 クリストフ・リブロン(AG2R・ラモンディアル/フランス)     4時間52分42秒
2 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア)                   +54秒
3 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)        +54秒
4 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)        +1分08秒 
5 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン)           +1分08秒
6 ロベルト・ヘシンク(ラボバンク/オランダ)                +1分08秒
7 アルベルト・コンタドール(アスタナ/スペイン)              +1分08秒
8 ユルフン・バンデンブルーク(オメガファルマ・ロット/ベルギー)      +1分08秒
9 ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・ファルネーゼビーニ/イタリア)       +1分49秒
10 カルロス・サストレ(セルヴェロテストチーム/スペイン)          +1分53秒
■第14ステージまでの総合成績
1 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)    68時間02分30秒
2 アルベルト・コンタドール(アスタナ/スペイン)                +31秒
3 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)      +2分31秒
4 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア)                 +2分44秒
5 ユルフン・バンデンブルーク(オメガファルマ・ロット/ベルギー)      +3分31秒
6 ロベルト・ヘシンク(ラボバンク/オランダ)                +4分27秒
7 リーバイ・ライフェイマー(チームレディオシャック/米国)         +4分51秒
8 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン)           +4分58秒
9 ルイスレオン・サンチェス(ケスデパーニュ/スペイン)           +5分56秒
10 イバン・バッソ(リクィガス・ドイモ/イタリア)              +6分56秒              
■マイヨ・ジョーヌ:アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)
■マイヨ・ベール :アレッサンドロ・ペタッキ(ランプレ・ファルネーゼビーニ/イタリア)
■マイヨ・アポワ :アントニ・シャルトー(Bボックス・ブイグテレコム/フランス)
■マイヨ・ブラン :アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)
■チーム成績   :ケスデパーニュ(スペイン)
(http://www.letour.fr/)