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【ツール速報】 第12ステージはロドリゲスが区間優勝

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第97回ツール・ド・フランスは、7月16日にブール・ドゥ・ペアージュからマンドまでの201.5kmで第12ステージを競い、スペインのホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ)が、同郷のアルベルト・コンタドール(アスタナ)と一騎打ちのゴールスプリントを制して区間優勝した。3位にはアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ)が入った。マイヨ・ジョーヌのアンディ・シュレック(チームサクソバンク)は10秒遅れでゴール。総合2位のコンタドールとのタイム差は31秒に縮められてしまったが、総合首位の座は死守している。

第12ステージは、疲労を理由にサミュエル・デュムラン(コフィディス)が出走せず、177選手がスタート。中央山塊が舞台のステージには、カテゴリー3の上りが3ヶ所、カテゴリー2が2ヶ所設定され、ゴール手前のクロワ・ヌーヴ峠は、1995年の革命記念日に200kmを逃げ切ってマンドで区間優勝した偉業にちなみ、『ローラン・ジャラベールの登坂』と名付けられていた。今年3月に開催されたパリ・ニースでは、コンタドールがこの登坂を制して区間優勝していた。

序盤はいつも通りアタックがつづいたが、逃げを成功させる選手は現われなかった。31km地点の山岳ポイントの手前で、マイヨ・アポワのジェローム・ピノー(クイックステップ)とゲラント・トーマス(チームスカイ)が落車したが、すぐに集団に復帰している。59km地点のノニエール峠で18選手が先行し、山頂で集団に22秒差を付けることができた。メンバーはアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ)、アンドレアス・クローデン(チームレディオシャック)、サンディ・カザー(FDJ)、ライダー・ヘスイェダール(ガーミン・トランジションズ)、トール・ヒュースホーウト(セルヴェロテストチーム)、マリオ・アールツ(オメガファルマ・ロット)、カンスタンツィン・シウツォウ(チームHTC・コロンビア)、マウロ・サンタンブロージョ(BMCレーシングチーム)、カルロス・バレド(クイックステップ)、アントニ・シャルトー(Bボックス・ブイグテレコム)、バシリ・キリエンカとマテュー・ペルジェ(ケスデパーニュ)、クリストフ・ケルン、アマエル・モワナール、レミ・ポリオル(コフィディス)、ゴルカ・ベルドゥゴ(エウスカルテル・エウスカディ)、グレガ・ボレ(ランプレ・ファルネーゼビーニ)、ラファエル・バルス(フートン・セルベット)。スプリントポイントを狙って逃げに入ったヒュースホーウトは、2ヶ所のポイントをきっちり1位で通過し、アレッサンドロ・ペタッキ(ランプレ・ファルネーゼビーニ)からマイヨ・ベールを奪い返すことに成功した。序盤の落車の影響か、この逃げ入れなかったピノーは、ふたたびマイヨ・ジョーヌをシャルトーに奪われてしまっている。

158.5km、2つ目のスプリントポイント通過直後、逃げ集団からクローデンがアタックし、キリエンカ、ヘスイェダール、そしてヴィノクロフが追走。ゴールまで残り40kmで、4人は逃げていた仲間に40秒差、メイン集団には2分50秒差を付けていた。残り25km地点で米国のタイラー・ファーラー(ガーミン・トランジションズ)がリタイアした。彼は第2ステージの落車で手首を骨折し、ヒジを捻挫した状態で競技をつづけ、昨日は区間3位になっていた。残り6kmで、メイン集団の前に先行していたのは4人だけになった。残り3km、クロワ・ヌーヴ峠で、先頭からヴィノクロフがアタック。メイン集団からはロドリゲスがアタックを仕掛け、コンタドールは反応できたが、マイヨ・ジョーヌのシュレックは付いていけなかった。スペイン・コンビは残り2kmでヴィノクロフを追い抜き、ゴール手前の平坦区間でコンタドールの後ろに付いて好機をうかがっていたロドリゲスが、最後はスプリントで競り勝ってツールで初めての区間優勝を手中に収めた。

「アルベルトとの協力体制はとてもよかった。ボクたちはお互いによく知ってたし、2003年にはオンセで一緒に走っていたし、彼はボクの弟と一緒にレースしてたんだよ。でも今日のステージの最後には、合意なんてなかった。とくにボクはとても自身があったからね。ボクのトップスピードは、彼のものよりもすごいってわかってたからサ」と、ロドリゲスは語った。彼は区間優勝しただけでなく、総合成績も9位から8位に上げている。「ツールをスタートしたときの目標は明らかだった。ボクは区間1勝して、総合成績で可能な限り上位を目指したかった。今日は2つの目標が同時にかなってうれしいよ。コンタドールとシュレックの間のタイトル争いを注目すると、これからのステージはコンタドールにとってより有利だろうと感じている。シュレックはすでにツール前半でかなりのエネルギーを費やしていると思うよ。ボクの意見では、アルベルトは総合優勝するビッグチャンスがあるね」

この日、逃げに乗って果敢な走りを見せた36歳のヴィノクロフは「この上り坂は2005年のツールにあったのを覚えていたし、若い頃、ミディ・リブルの区間で勝ったこともあった。このステージの最後の上りは、道程のほんの一部でしかない。しかし、私はアンディからタイムを取り戻せる好機だと信じていた。我々のチームはこのステージでアルベルトか私のどちらかが区間優勝することを望んでいたのだが、状況はそれを許してはくれなかった。区間優勝できなかったのはちょっと残念だったが、総合成績では得るものがあった。まだステージはたくさん残っているが、私は完全にアルベルトを信頼している」と、語った。ヴィノクロフはこのステージで敢闘賞を獲得している。

■第12ステージ[7月16日/ブール・ドゥ・ペアージュ→マンド/210.5km]
1 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン)        4時間58分26秒
2 アルベルト・コンタドール(アスタナ/スペイン)               
3 アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ/カザフスタン)             +4秒
4 ユルフン・バンデンブルーク(オメガファルマ・ロット/ベルギー)        +10秒
5 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)          +10秒
6 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)        +10秒
7 アンドレアス・クローデン(チームレディオシャック/ドイツ)          +10秒
8 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア)                   +10秒
9 ロベルト・ヘシンク(ラボバンク/オランダ)                  +15秒
10 ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ/チェコ)            +15秒
■第12ステージまでの総合成績
1 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)    58時間42分01秒
2 アルベルト・コンタドール(アスタナ/スペイン)                +31秒
3 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)      +2分45秒
4 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア)                 +2分58秒
5 ユルフン・バンデンブルーク(オメガファルマ・ロット/ベルギー)      +3分31秒
6 リーバイ・ライフェイマー(チームレディオシャック/米国)         +3分59秒
7 ロベルト・ヘシンク(ラボバンク/オランダ)                +4分27秒
8 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン)           +4分58秒
9 ルイスレオン・サンチェス(ケスデパーニュ/スペイン)           +5分02秒
10 ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ/チェコ)          +5分16秒
■マイヨ・ジョーヌ:アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)
■マイヨ・ベール :トール・ヒュースホーウト(セルヴェロテストチーム/ノルウエー)
■マイヨ・アポワ :アントニ・シャルトー(Bボックス・ブイグテレコム/フランス)
■マイヨ・ブラン :アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)
■チーム成績   :チームレディオシャック(米国)
(http://www.letour.fr/)