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【ブエルタ速報】山岳初日はモンクティエ区間、アントン首位

レース

第65回ブエルタ・ア・エスパーニャは、いよいよ山岳ステージに突入。9月4日はバレンシア地方のビリェナからショレト・デル・カティまでの190kmで第8ステージを行い、フランスのダビー・モンクティエ(コフィディス)が単独で逃げ切って、ブエルタ通算3度目の区間優勝を果たした。2位には山岳賞ジャージのセラフィン・マルティネス(シャコベオガルシア)、3位にはヨアン・チョプ(Bボックス・ブイグテレコム)が入り、上位3選手がプロコンチネンタルチームという結果になった。総合優勝を狙う選手たちは、1分29秒後にホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ)を先頭にゴール。ロドリゲスは残り4kmでメイングループからアタックしたが、ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・ドイモ)とイゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ)は、彼をしっかりとマークしてゴールしたため、タイム差は付かなかった。総合首位のマイヨ・ロホはロドリゲスとのタイム差ゼロで、地元スペインのアントンが獲得した。

第8ステージは、スタートしてたった10kmで大落車事故が発生。マイヨ・ロホのフィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット)、ダビド・アロヨ(ケスデパーニュ)、デニス・メンショフ(ラボバンク)、アレッサンドロ・ペタッキ(ランプレ・ファルネーゼビーニ)が巻き込まれてしまい、山岳初日から厳しいレースを強いられることになってしまった。集団は落車で遅れた選手を待ったため、主催者は17.5km地点に予定していたスプリント・ポイントをキャンセルしている。それを知らなかったロドリゲスは、マイヨ・ロホを獲得するためにスプリントに参加してボーナスタイムを獲得していたが、ゴール後に自分が首位ではないことがわかった後で、キャンセルを知ってがっかりしていた。

モンクティエは53km地点から、山岳賞総合争いのライバルであるS・マルティネス、チョプ、ホセルイス・アリエタ(AG2R・ラモンディアル)、アッサン・バザイエフ(アスタナ)とともに集団からアタック。途中3ヶ所あったカテゴリー2の山岳ポイントではS・マルティネスに1位通過を奪われてしまい、目標としている山岳賞ジャージは獲得できなかったが、ゴール手前5.2kmにあった、カテゴリー1のアルト・ショレ・デル・カティ峠で先頭集団からアタック。山頂を単独で通過し、そのままゴールに飛び込んだ。「ブエルタに来て以来、ボクの目標は山岳賞ジャージを獲得することだ。2日前に、後で自由を得るためにタイムを失うリスクを犯した。ショレト・デル・カティへの区間は狙っていて、シナリオはきっちりボクが予想していた通りになった。山岳賞ジャージは取れなかったけどね。セラフィン・マルティネスがまだそれを持っていて、彼はボクの人生を簡単にはしてくれないだろう。ブエルタで3年連続区間優勝して、とてもうれしいよ。今日の勝利はローラン・フィニョンと、昨日亡くなったチームスカイのスタッフに捧げたい。スポーツよりもずっと大切なものがあるのさ」と、35歳のモンクティエは語っている。

昨日マッサージャーが病死する不幸に見舞われたチームスカイは、この日、チームごとブエルタから撤退する決定を下した。しかしスタートには選手、スタッフともに姿を見せ、参加選手たちとともに黙祷を捧げている。第8ステージの賞金は、亡くなったチェマ・ゴンサレスさんの家族に贈られることになっている。

総合首位に立った27歳のアントンは「誰がマイヨ・ロホを獲得したのかわかるまで、ゴール後3分か4分、スリルに満ちた時間を過ごした。ホアキン・ロドリゲスが途中のスプリントポイントでボーナスタイムを獲得していたから、ボクは彼が取ったんだと思って気にしていなかった。そのポイントが落車のせいでキャンセルになっていたなんて、知らなかったんだよ。首位になるなんて、ものすごい驚きだった。明日はコントロールしなければならないから大変だけど、ボクのチームメートたちはどうすればいいのかちゃんと知っている。ストレスの多い、厳しいステージになるだろう。2008年のツール・ド・スイスで総合首位になったときは勝てなかったけど、ボクはその経験から学んでいる。最初の山岳ステージというものは、いつも難しい。ボクのチームメートのサムエル・サンチェスも、去年ここで45秒失っている。このブエルタが、ロドリゲスとアントンの一騎打ちになるとは思ってないよ。もっとも危険なライバルはニーバリだ。彼は好調で、モチベーションもすごいからね。ボクはこのマイヨ・ロホを昨日亡くなったチェマに捧げる。彼はエウスカルテルで7年間働いていたんだ。彼のために区間優勝に挑戦しようと昨日は思ってた。それはできなかったけど、このジャージは彼のものさ」と、語っている。(foto: Unipublic/Graham Watson)

■第8ステージ[ビリェナ→ショレト・デル・カティ/9月4日/190km]
1 ダビー・モンクティエ(コフィディス/フランス)           5時間14分32秒
2 セラフィン・マルティネス(シャコベオガルシア/スペイン)           +54秒
3 ヨアン・チョプ(Bボックス・ブイグテレコム/スイス)             +54秒
4 ホセルイス・アリエタ(AG2R・ラモンディアル/スペイン)          +54秒
5 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン)           +1分29秒
6 ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・ドイモ/イタリア)         +1分29秒
7 イゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)       +1分29秒
8 アッサン・バザイエフ(アスタナ/カザフスタン)              +1分32秒
9 シャビエル・フロレンシオ(セルヴェロテストチーム/スペイン)       +1分32秒
10 カルロス・サストレ(セルヴェロテストチーム/スペイン)          +1分35秒
22 ルイスレオン・サンチェス(ケスデパーニュ/スペイン)           +2分36秒
23 フランク・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)        +2分36秒
25 ダビド・アロヨ(ケスデパーニュ/スペイン)                +2分36秒
38 フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)        +3分34秒
41 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア)                 +3分44秒
82 ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ/チェコ)          +8分12秒
83 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)        +8分12秒
■第8ステージまでの個人総合成績[マイヨ・ロホ]
1 イゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)   32時間28分49秒
2 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン)
3 ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・ドイモ/イタリア)            +2秒
4 シャビエル・トンド(セルヴェロテストチーム/スペイン)            +42秒
5 マルツィオ・ブルセギン(ケスデパーニュ/イタリア)             +1分10秒
6 ルベン・プラサ(ケスデパーニュ/スペイン)                +1分15秒
7 エセキエル・モスケラ(シャコベオガルシア/スペイン)           +1分18秒
8 ニコラス・ローチ(AG2R・ラモンディアル/アイルランド)        +1分19秒
9 ピーテル・ベリッツ(チームHTC・コロンビア/スロバキア)        +1分26秒
10 ティージェイ・バンガルデレン(チームHTC・コロンビア/米国)      +1分26秒
13 フランク・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)        +1分47秒
16 ダビド・アロヨ(ケスデパーニュ/スペイン)                +1分58秒
17 カルロス・サストレ(セルヴェロテストチーム/スペイン)          +2分11秒
18 ルイスレオン・サンチェス(ケスデパーニュ/スペイン)           +2分21秒
20 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア)                 +3分16秒
49 ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ/チェコ)         +13分10秒
87 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)       +36分33秒
[各賞]
■ポイント賞:マーク・カベンディッシュ(チームHTC・コロンビア/英国)
■山岳賞:セラフィン・マルティネス(シャコベオガルシア/スペイン)
■コンビネーション賞:ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・ドイモ/イタリア)
■チーム成績:ケスデパーニュ(スペイン)
(http://www.lavuelta.com/)