【ブエルタ速報】第9ステージはダビド・ロペスが区間優勝
第65回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月5日にカルペからアルコイまでの187.7kmで第9ステージを競い、地元スペインのダビド・ロペス(ケスデパーニュ)が逃げ切って、母国での初優勝となる区間優勝を果たした。2位はロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ)、3位はジャンパウロ・カルーゾ(チームカチューシャ)だった。メイングループは7分02秒遅れでゴールし、イゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ)が総合首位の座を守った。
区間優勝したロペスはこの日、27km地点から逃げ出した15人の逃げグループのメンバーだった。ここには前日区間優勝したダビー・モンクティエ(コフィディス)が、7ヶ所あった山岳ポイントを狙って入っていた。しかし、セラフィン・マルティネスの山岳賞ジャージを守ろうと働くゴンサロ・ラブニャル(シャコベオ・ガリシア)に阻止され、最初の5ヶ所はトップ通過できなかった。ラブニャルは132km地点のアルト・デ・トゥドンス峠を先頭で通過したあと、単独で先行。一時は逃げの仲間に2分差を付けたが、ゴール手前残り25kmで捕まってしまった。
残り14km、ポルト・デ・ベニファリム峠の下りでロペスがアタック。次の峠でモンクティエが追いつき、ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ)、ジャンパウロ・カルーゾ(チームカチューシャ)、エゴイ・マルティネス(エウスカルテル・エウスカディ)が追いついた。このグループからロペスが最後にもう一度アタックし、カルーゾが必死で追いすがったが、捕らえることはできなかった。
この日、メイン集団は先頭グループが残り2kmになっても、まだ8分以上遅れていて、アントンのマイヨ・ロホは逃げに入っていたジャンクリストフ・ペロー(オメガファルマ・ロット)に奪われるのではないかと思われたが、最後はきっちり追い込み、たった1日で玉座から陥落する失態は逃れた。山岳賞はラブニャルの働きが報われることなく、今日も1日逃げ続けたモンクティエが総合首位に立っている。
区間優勝したロペスは「最後の数キロはアタックの応酬だった。ボクはクロイツィーゲルやカルーゾのように手強い選手を怖れていた。ボクは単独でアタックする好機を見つけられた。ゴールまでタイム差を守るためにすごく苦しんだけど、その甲斐はあったよ。残り1kmで、ボクは負けないとわかった。苦しんだけど、この勝利がもたらす感情は言葉では言い表せないものだ。こんなにすごいなんて、想像してなかったよ。みんなにはよく、ボクのスキルは成績リストよりも大きいと言われていた。でもボクは、素晴らしいリーダーたちのために働けて幸運だった。ボクにとってこれまでで最高の優勝は、2009年のアレハンドロ・バルベルデのブエルタ優勝なんだ。そのときボクはとても貢献したからね。もちろん、この区間優勝もボクにとっては重要だ。イゴール・アントンとボクは2人とも(バスクの)ビスカイア出身で、今日は栄光を分かち合えたからさ」と、アシスト選手の鑑としてのコメントを出している。
第9ステージでは、前日の落車で負傷したアレッサンドロ・ペタッキ(ランプレ・ファルネーゼビーニ)がリタイアした。この日は故フランコ・バレリーニに代わってイタリア代表監督に就任したパオロ・ベッティーニがブエルタ視察に到着したところだった。ベッティーニ監督はまだメルボルン世界選のイタリア代表メンバーを発表していないが、チームカチューシャのフィリッポ・ポッザートが有力候補だと語っている。
9月6日はタラゴナでの休養日となる。(foto: Unipublic/Graham Watson)
■第9ステージ[カルペ→アルコイ/9月5日/187.7km]
1 ダビド・ロペス(ケスデパーニュ/スペイン) 5時間20分51秒
2 ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ/チェコ) +6秒
3 ジャンパウロ・カルーゾ(チームカチューシャ/イタリア) +13秒
4 ダビー・モンクティエ(コフィディス/フランス) +21秒
5 ビエル・カドリ(AG2R・ラモンディアル/フランス) +27秒
6 エゴイ・マルティネス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン) +30秒
7 ジャンクリストフ・ペロー(オメガファルマ・ロット/フランス) +55秒
8 ゴンサロ・ラブニャル(シャコベオ・ガリシア/スペイン) +2分36秒
9 オスカル・プホル(セルヴェロテストチーム/スペイン) +3分52秒
10 イェル・バンエンデルト(オメガファルマ・ロット/ベルギー) +4分17秒
15 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン) +7分02秒
16 イゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン) +7分02秒
18 ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・ドイモ/イタリア) +7分02秒
83 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク) +8分12秒
■第9ステージまでの個人総合成績[マイヨ・ロホ]
1 イゴール・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン) 37時間56分42秒
2 ホアキン・ロドリゲス(チームカチューシャ/スペイン)
3 ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・ドイモ/イタリア) +2秒
4 シャビエル・トンド(セルヴェロテストチーム/スペイン) +42秒
5 ジャンクリストフ・ペロー(オメガファルマ・ロット/フランス) +52秒
6 ルベン・プラサ(ケスデパーニュ/スペイン) +1分15秒
7 エセキエル・モスケラ(シャコベオガルシア/スペイン) +1分18秒
8 ニコラス・ローチ(AG2R・ラモンディアル/アイルランド) +1分19秒
9 マルツィオ・ブルセギン(ケスデパーニュ/イタリア) +1分22秒
10 ピーテル・ベリッツ(チームHTC・コロンビア/スロバキア) +1分26秒
11 ティージェイ・バンガルデレン(チームHTC・コロンビア/米国) +1分26秒
13 フランク・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク) +1分47秒
17 カルロス・サストレ(セルヴェロテストチーム/スペイン) +2分11秒
18 ダビド・アロヨ(ケスデパーニュ/スペイン) +2分15秒
19 ルイスレオン・サンチェス(ケスデパーニュ/スペイン) +2分21秒
20 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア) +3分29秒
31 ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ/チェコ) +6分02秒
[各賞]
■ポイント賞:マーク・カベンディッシュ(チームHTC・コロンビア/英国)
■山岳賞:ダビー・モンクティエ(コフィディス/フランス)
■コンビネーション賞:ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・ドイモ/イタリア)
■チーム成績:ケスデパーニュ(スペイン)
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