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【速報】ツール第7ステージでフルーム初優勝! 総合首位はウィギンス

レース


第99回ツール・ド・フランスは、7月7日にトンブレーヌからラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユまでの199kmで中級山岳ステージを競い、ケニア生まれの英国人、クリストファー・フルーム(チームスカイ)がカテゴリー1級の上りゴールでビッグネームたちを打ち負かし、ツール区間初優勝を果たした。2位はカデル・エヴァンス(BMCレーシング)、3位はブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ)だった。フルームはこの区間優勝で山岳賞のマイヨ・アポワも獲得している。この日、マイヨ・ジョーヌを着ていたファビアン・カンチェッラーラ(レディオシャック・ニッサン)は1分52秒遅れでゴール。着用日数記録は28日間で止まってしまった。代わって総合首位の玉座には、フルームのチームメートであるブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ)が着いた。
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第7ステージは快晴で、途中気温は27度Cまで上がった。この日は182選手がスタート。前日の落車事故で負傷したアメツ・チュルカ(エウスカルテル・エウスカディ)、ライダー・ヘシェダールとロバート・ハンター(ガーミン・シャープ)、ユベール・デュポン(AG2R・ラモンディアル)、オスカル・フレイレ(カチューシャ)、マールテン・ワイナンツ(ラボバンク)、イマノル・エルビディ(モビスターチーム)、イバン・グティエレス(モビスターチーム)の8人が出走しなかった。アントニー・ドゥラプラス(ソール・ソジャスン)は舟状骨を骨折した状態でスタートしていたが、途中リタイアした。

15km地点で集団からシリル・ゴチエ(ヨーロッパカー)がアタック。クリストフ・リブロン(AG2R・ラモンディアル)、クリスアンケル・セーレンセン(サクソバンク・ティンコフバンク)、マルティン・ベリッツ(オメガファルマ・クイックステップ)、ミカエル・アルバズィーニ(オリカ・グリーンエッジ)、ドミトリー・フォフォノフ(アスタナ)、ルイスレオン・サンチェス(ラボバンク)が合流して7人になり、50km地点で5分40秒差を付けて逃げ続けた。この日は最初の1時間の平均時速が43.9km/hで、今年最速だった。7人の逃げは76km地点で最大5分55秒差になった。

集団はBMC、スカイ、リクィガス、カチューシャがコントロール。ゴールのラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ峠に向けて、着実にタイム差を縮めていった。5.8kmつづくラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ峠に到着したとき、先頭ではアルバズィーニとセーレンセンが抵抗を続けていたが、マイケル・ロジャース(チームスカイ)が引く集団に残り5kmで捕まってしまった。10%近い勾配が続く上りの前半で、集団ではスカイの加速に耐えられずにビッグネームがボロボロと脱落。マイヨ・ジョーヌのカンチェッラーラも残り4.7kmで遅れてしまった。残り3kmでメイン集団はチームスカイのリッチー・ポートが引き、先頭は彼とウィギンス、フルーム、エヴァンス、ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・キャノンデール)、デニス・メンショフ(カチューシャ)、レイン・ターラマエ(コフィディス)の7人になっていた。残り2kmでポートは仕事を終了し、今度はフルームが先頭を引いた。そして彼を先頭にこの精鋭グループは残り1kmのフラム・ルージュを通過。最初に仕掛けたのはディフェンディングチャンピオンのエヴァンスだったが、ゴール手前残り400メートルでフルームが彼をあっさり抜き去り、そのまま2秒差を付けてゴールへと飛び込んだ。

「最後はエヴァンスがちょっと加速したけど、ボクは彼がもっと厳しいく行くものだと思っていた。彼が知っていたのかどうかはわからないけど、ゴールはとても急坂だったんだ。彼がちょっとペースダウンしたのを見たとき、ブラッドリーは完璧な位置取りでタイムを失うことはなさそうだから、ここでちょっと加速してみて、ボクたちが区間優勝も取れるかどうかやってみよう、と思ったんだ。それがうまくいって本当にうれしいよ」と、27歳のフルームは区間優勝の喜びを語っている。彼は昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで、総合優勝したフアンホセ・コボ(モビスターチーム)と闘って山岳ステージを制し、総合2位になっている。

ついに念願だったツールのマイヨ・ジョーヌにソデを通したウィギンスは「ボクは開幕から本当にツイていた。ボクの目標はマイヨ・ジョーヌを獲得することだった。クリス(フルーム)も区間を取れると思い、ゴールまで残り1.5kmで彼にそれを勧めたんだ。ボクの優先事項はエヴァンスを監視することだった。彼がこの類のゴールでアタックするのはわかっていたからね。彼がアタックしたとき、ボクはリズムを崩して自分の努力を無駄にはしたくなかったからサドルに座ったままだった。ボクは彼の後ろについていってマイヨ・ジョーヌを獲得し、さらにクリスは区間優勝とマイヨ・アポワを獲得した。我々にとって特別1日だよ」と、語っている。英国出身の選手がマイヨ・ジョーヌを着たのは、2000年のデービッド・ミラー以来だった。

7月8日はベルフォールから隣国スイスのポラントリュイまでの157.5kmで、中級山岳ステージが行われる。山岳ポイントはカテゴリー3と4が1ヶ所ずつ、カテゴリー2が4ヶ所あり、ゴール手前にはカテゴリー1のクロワ峠越えが設定されている。(MAP:ASO)
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■第7ステージ結果[7月7日/トンブレーヌ~ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ/199km
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)4時間58分35秒
2 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+2秒
3 ブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ/英国)+2秒
4 ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・キャノンデール/イタリア)+17秒
5 レイン・ターラマエ(コフィディス/エストニア)+19秒
6 アイマル・スベルディア(レディオシャック・ニッサン/スペイン)+44秒
7 ピエール・ロラン(ヨーロッパカー/フランス)+46秒
8 ヤネシュ・ブライコビッチ(アスタナ/スロベニア)+46秒
9 デニス・メンショフ(カチューシャ/ロシア)+50秒
10 マクシム・モンフォール(レディオシャック・ニッサン/ベルギー)+56秒
11 ニコラス・ローチ(AG2R・ラモンディアル/アイルランド)+1分06秒
12 フランク・シュレク(レディオシャック・ニッサン/ルクセンブルク)+1分09秒
16 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+1分31秒
20 ファビアン・カンチェッラーラ(レディオシャック・ニッサン/スイス)+1分52秒
27 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+2分19秒
29 バウケ・モレマ(ラボバンク/オランダ)+2分19秒
46 ティージェイ・バンガルデレン(BMCレーシング/米国)+3分08秒
102 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+9分42秒
■第7ステージまでの総合成績
1 ブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ/英国)34時間21分20秒
2 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+10秒
3 ビンチェンツォ・ニーバリ(リクィガス・キャノンデール/イタリア)+16秒
4 レイン・ターラマエ(コフィディス/エストニア)+32秒
5 デニス・メンショフ(カチューシャ/ロシア)+54秒
6 アイマル・スベルディア(レディオシャック・ニッサン/スペイン)+59秒
7 マクシム・モンフォール(レディオシャック・ニッサン/ベルギー)+1分09秒
8 ニコラス・ローチ(AG2R・ラモンディアル/アイルランド)+1分22秒
9 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分32秒
10 マイケル・ロジャース(チームスカイ/オーストラリア)+1分40秒
11 ファビアン・カンチェッラーラ(レディオシャック・ニッサン/スイス)+1分43秒
12 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+2分02秒
13 ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル/ベルギー)+2分11秒
17 ヤネシュ・ブライコビッチ(アスタナ/スロベニア)+3分04秒
18 ティージェイ・バンガルデレン(BMCレーシング/米国)+3分09秒
26 フランク・シュレク(レディオシャック・ニッサン/ルクセンブルク)+3分43秒
30 バウケ・モレマ(ラボバンク/オランダ)+4分36秒
35 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+4分50秒
■マイヨ・ジョーヌ:ブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ/英国)
■マイヨ・ベール:ピーテル・サガン(リクィガス・キャノンデール/スロバキア)
■マイヨ・アポワ:クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
■マイヨ・ブラン:レイン・ターラマエ(コフィディス/エストニア)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:ルイスレオン・サンチェス(ラボバンク/スペイン)

(http://www.letour.fr/)