筑波自転車道は、1987年3月に廃止された筑波鉄道の廃線跡を利用する自転車道。川の堤防上に敷かれた自転車道を別にすれば、ほとんどの区間が自転車道単独で存在するものは珍しく、また起終点が駅のすぐそばというのも廃線跡ならでは。田園風景や低く連なる山並を眺めながら、鉄道が活躍した時代に思いを馳せてみよう。
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●かつての筑波鉄道樺穂駅のホーム跡。桜の季節には花見が楽しめる

●カラー鋪装が施され、ひと目で分かる自転車道

●交差する北関東自動車道の建設現場
 JR水戸線岩瀬駅裏手にある自転車道の起点。ここにはトイレや休憩所が整備され、無料の駐車場もある。車道にまぎれやすい自転車道も、こと筑波自転車道に関しては、単独で存在するためひと目で分かる。
 のどかな田園風景を進んでいくと、目の前に建設中のコンクリート橋が立ちはだかった。北関東自動車道の工事現場である。「この先迂回路あり」の看板に従って右にハンドルを向けると、迂回といっても距離はごくわずか。すぐ元の道に戻った。

●自転車道の随所に、起終点からの距離を示す標識が立つ
 田畑の背後のなだらかな里山を眺めながらの道のり。左右のペダルが一定のリズムを刻み、着実に距離を稼いでいく。かつての鉄道車両も、同じようにここを行き来していたことだろう。
 やがて自転車道に6カ所設けられた休憩所の1つ、雨引休憩所に到着。この休憩所に限らず沿道の駅跡には、プラットホームが往時のまま残されている。ここでも鉄道にならって一時停車。跡地を利用したトイレで、体内の水分を新しいものと入れ替える。
 続いて真壁休憩所。この真壁は城下町として栄えたところで、町内には蔵や白壁など歴史をしのばせるものが残っている。自転車道からわずかに外れるだけだから、ぜひ立ち寄ってみよう。

 自転車道は酒寄で県道41号線に飲み込まれ、道路端の歩道へと姿を変える。自転車道にあったカラー塗装も消えるため、そのまま進んでよいものか躊躇するが、やがて現われる交差点に引かれたラインが行く手を示し、上大島バス停のすぐ先で廃線跡が復活する。
 この自転車道を走っていると、意外に人が多いことに気づく。自転車に乗った人に限らず、散歩をする人や休憩所のベンチでくつろぐ人など、さまざまな人が利用している。沿道の田畑や庭先で仕事をする姿もある。

●藤沢休憩所前にある宮崎酒店では、生ビールが290円で飲める
 周辺の手入れも行き届いている。これまで荒れるに任せた自転車道をいくつも目にしてきたが、筑波自転車道の路傍には桜並木があり、さまざまな花が植えられている。かつて鉄道が地元の人の生活とともにあったこと、鉄道がなくなった今でも身近な存在であることが、こんなところにも垣間見える。
 つくば市に入ると、北条市街を案内する看板が目に止まった。江戸時代に隆盛を誇った中禅寺の門前町として栄えた北条も、今は静かに時を刻むばかり。面影を残す建物はあるものの、見物客を当て込んだ化粧直しもされず、ありのままのたたずまいを見せている。
 自転車道に戻って先を目指す。駐車場のほか、隣接する酒屋に生ビールサーバーのある藤沢休憩所を過ぎ、最後の虫掛休憩所までたどり着けば残りはわずかとなる。
 土浦市街に入って神天橋の手前、右折かと早合点した案内標識が「左に見える神天橋を右折して渡る」ことを理解して進むと、まもなく自転車道の終点となった。
 起点から終点まで40kmを超える道のりは、途中でお腹も空いてくる。酒寄から北条にかけて目の届く範囲に数軒の食堂があったので、そこで食事にするといい。また、テーブルやベンチの整った休憩所で、弁当を広げる食べるのも楽しい。

●のどかな田園風景と、その背後に連なる里山

●真壁休憩所にあるトイレは、デザインが凝っている

●居眠り運転防止用(?)のカーブ。アップダウンのものもある

●収穫を間近に控えた麦畑越しに筑波山を望む

●一般道に並行する区間でも、交差点手前には行く手を示す矢印がある

●上大島バス停先の自転車道入り口

●自転車道からわずかに外れたつくば市北条は、門前町として栄えた名残をとどめている

●一般道との交差部には、「止まれ」の標識が立つ。でも、こんなとこには必要ない

●左の標識はすぐに右折するように見えるが、実際には左に見える神天橋まで進み、そこを右折して渡る
 
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●計画距離(整備済み距離)
40.1km(40.1km)
●区間
自転車道起点-(0:14)4.67km→雨引休憩所-(0:16)5.39km→真壁休憩所-(0:27)7.99km→上大島バス停-(0:08)2.34km→筑波休憩所-(0:14)3.74km→北条入口-(0:30)9.21km→藤沢休憩所-(0:13)3.79km→虫掛休憩所-(0:16)3.95km→自転車道終点
鉄道の場合:
[往路]JR水戸線「岩瀬駅」(東京駅からJR京浜東北線、JR宇都宮線、JR水戸線経由 1時間57分、1890円)駅前の道を進んで赤の点滅信号の交差点を左折、再び現われる赤の点滅信号の交差点も左折する。踏切を渡ったすぐ左、岩瀬駅裏が自転車道の起点。ここには無料の駐車場もある。(2分、0.51km)。
[復路]自転車道終点から駅前のイトーヨーカ堂が見えるので、それを目指して進めばいい。JR常磐線「土浦駅」(東京駅までJR常磐線、JR京浜東北線経由 1時間19分、1110円)となる(2分、0.44km)。
クルマの場合:
常磐自動車道「水戸インター」(首都高速各インターから常磐自動車道経由 3150円)から国道50号線を経由して約30kmの自転車道始点に無料駐車場がある。
●問い合わせ先
茨城県土木部道路維持課
TEL.029-301-4464
●最寄りのサイクルショップ
スポーツバイクつくばマツナガ(つくば市)
TEL.0298-55-1309
エルデポルテ(つくば市)
TEL.0298-51-6587
川崎乗物デパート(土浦市)
TEL.0298-21-1147
シブラス(土浦市)
TEL.0298-23-5592
●最寄りのサイクリング道路
筑波自転車道の終点が、霞ヶ浦自転車道の終点にもなっている。ただし、この区間の霞ヶ浦自転車道は整備されていない。