難易度=(1~5)〈1=初めての人でも安心/2=自分で「やる気はあるぞ!」と言える人向き/3=1日に80km走った経験がある人向き/4=1日に160km走ってみたい健脚派向き/5=風雨の下でも160kmを完走するやる気のある人向き〉
「百哩走大王」とは、30歳以上の大人のサイクリストの全国組織である『センチュリーランを走る会』が、会員の年間活動記録に応じて与える称号。自転車百哩走大王たちが国内外のレースではない長い距離を走るイベントを、実際に参加したライダーの目で紹介する。
※この記事はサイクルスポーツ2004年3月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●滑走路を走る。とにかく広い。飛行機の着陸時のタイヤ痕も凄まじい


●前夜祭が行なわれる居酒屋では、スタッフや他の参加者とともに盛り上がる


●第2給水ポイント、田代町役場前を出発するサイクリストたち
 思う存分スピードを出してほしい。サーキットで? いや、滑走路で! 日本広しといえども、コース上に滑走路が組み込まれているサイクリング大会はほかにあるまい。新緑がまぶしい南国九州の、鹿児島県大隅半島で開催される「ツール・ド・おおすみ」が、それだ。
 目玉は滑走路だけではない。生命力あふれる原生林の緑、南国の青い海、まっ白な砂浜……。どれをとっても最高のコース設定だ。
 この大会、鹿屋市をはじめとする大隅半島の1市6町を周回する120kmが最長のコースになっている。それ以外にも最短は20kmのコースまであり、初心者やファミリーにも参加しやすい大会だ。
 どのコースにエントリーしても滑走路走行は体験できる。また、コース案内も親切で、迷うことはないだろう。危険箇所にも注意を促す看板があったり、スタッフが立っていたりした。

●昼食後のスタート。ここでは昼食をとりながら、指定された時間まで休憩をとる
 コース上にコンビニはほとんどないが、その代わり給水ポイントが充実し、水やスポーツドリンク、バナナが用意されてる。1カ所ながら、オレンジジュースやケーキを用意しているところもあったぐらいだ。また、昼食も用意されている。
 では、簡単に120kmコースを紹介をしよう。今回は、鹿屋青年会議所の40周年記念イベントということもあり、スタート会場を自衛隊基地内から市役所前に移すほどの力の入れようだった。
 今大会で、気合が入っていると思われる部分がもう一つあった。滑走路上で1km、上りの途中で6kmのタイムトライアルがあったのだ。前輪部分に計測チップを装着し、100分の1秒単位での計測だ。
 コースの紹介に戻ろう。いっせいにスタートした後、10分ほど走ると自衛隊基地に到着する。そう、滑走路である。広大な敷地内のまっすぐに延びた滑走路を、大勢のサイクリストが駆け抜ける様は圧巻である。
 基地を出ると(この時点で、すでに10km以上走っている。滑走路は長いのだ)、錦江湾まではサイクリングロード。ここは視界が開けた滑走路から一転して、木々に覆われたトンネルとなる。緩やかな下り坂ということもあって、実に気持ちがいい。とても癒されるコースだ。
 錦江湾に出ると、10kmほど海岸沿いを走ることになる。アップダウンはそこそこあるが、この先に控えている峠へのウォームアップと考えるべき。トロピカルムード満点の海岸線、そして対岸の薩摩半島にはきれいな円錐型の開聞岳が見える。桜島に次いで、鹿児島を代表する名山だ。ここでは存分に景色を楽しみたい。
 大根占の栄町交差点を左折して錦江湾に別れを告げると、スタートから約25km。本格的なヒルクライムの始まりだ。上り始めてすぐ、最初の給水ポイントが現われる。途中平坦な箇所があるものの、しばらく上りは続く。
 坂がきつくなるに従い、森の様子が変わってくる。後で調べて分かったことだが、この付近には「緑の回廊」と呼ばれる原生林の保護区があるらしい。上りに疲れたら、ひと休みして原生林を眺めてもいいのでは……。

●ゴール後はバーベキューや抽選会で盛り上がる。鹿児島牛、鹿児島の黒豚を堪能できる
 38km付近で立派なトンネルが現われ、「ここで上りは終わりか」と思う。しかし、だまされてはいけない。最高地点はまだ先、4km付近なのだ。なんとかここを過ぎると、昼食をとる岸良シーサイドパークまで、約13kmのスーパーダウンヒルだ。眼下に太平洋が見えた瞬間、ちょっとした感動を覚える。昼食ポイントがまた美しい。まっ白なビーチと常夏を思わせる青い海が、今までの疲れを忘れさせてくれる。
 この先も見どころはいっぱい。ただし、それがなんであるかは実際に走ってのお楽しみだ。スタートから75kmほどの海蔵に、昼食後初の給水ポイントが現われる。ここまで来るとさすがにホッとする。もう、この先に上り坂はない。
 ラスト30kmほどは、肝属川沿いのサイクリングロードを走る。この道はかつての国鉄大隈線で、今の鹿屋市役所は駅の跡地に建っている。そのため市街地を走ることなく、スムーズにゴールできる。
 そのゴールには、大隅の絶景に負けず劣らず美しいミス鹿屋が待っていて、これが親父サイクリストの励みとなる。
 そして、最後に忘れてならない魅力をもう一つ。走っていると、地元の人々が沿道から温かい声援を送ってくれる。普通のおじさんに、いっぱしのアスリート気分を味わせてくれる瞬間だ。
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白鳥 充 東京都在住
三十路を迎えた頃から始めた自転車生活。東京の喧騒を離れ、静かな郊外を走るのは最高。そんな郊外で催されるイベントを見つけては、参加する今日この頃。
[参加データ]
(第3回大会=2003年5月11日)
バイク:GIANT CROSS-3400
タイヤ:700×38C
ギヤレシオ:前42×32×22T/後11~28T
●コース
鹿屋市役所-錦江湾-田代町役場-新旧峠-新田トンネル-岸良シーサイドパーク-海蔵-肝属川河畔自転車道-鹿屋市役所
●距離数
20km&40km&60km&120km
●問い合わせ先
エアーメモリアルinかのや実行委員会事務局
〒893-0005 鹿児島県鹿屋市共栄町17番23号
TEL&FAX.0994-42-6690
Eメール:info@air-memo.com
URL=http://www.air-memo.com/e02a.html
●会場までのアクセス
飛行機の場合:鹿児島空港から空港バス(100分)
船の場合:鴨池港から南海郵船フェリーで垂水港(35分)。鹿児島交通バスに乗り換え(40分)