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筧五郎店長が圧巻の勝利!「第7回全日本最速店長選手権」詳細レポート

今年も全日本最速店長選手権の日がやってきた! 

過去最多の44人の中の頂点を獲得したのは、チャリダーにも出演するベテラン、筧五郎だった。活躍した店長たちのインタビューも交えた内容でお届けしよう。

 
text&photo:滝沢 佳奈子

年に1度の本気のお祭り騒ぎ!

集団は様子を伺いながらひたすら逃げを潰していく

9月20日(水)、今年もやってきたサイクルスポーツが誇る、本気お祭りイベント「全日本最速店長選手権」。日本全国から豪脚自慢の店長たちが千葉県成田市の下総フレンドリーパークに集った。出走者はなんと過去最高の44人となった。

安易な思いつきではじまった主催者側の軽い気持ちとは裏腹に、年々激化するレース展開に備えてなぜか本気の調整をしてくる店長たち。そこらでやっている草レースよりよっぽどレベルが高くなり、毎年このレースを1年のピークに持ってくる店長さえいるほどだ。
一筋縄ではいかないこのレースに、機材選び、コンディショニングなど、全てをかけて照準を合わせてくる。特に機材面に関しては、ショップの店長ともあればその道のプロ。一目バイクを見ただけで"本気仕様"であることが伺える。(それぞれの店長バイクについての詳細は後日紹介予定)

「自分の店の店長は出てないし興味ない」、「どうせ内輪ネタでしょ?」こんなふうに思う人ももちろんいるはずだ。しかし、出場者のなかには元プロ選手やオリンピアンまで揃うため、ライディングテクニックや集団走行スキルなど一般ライダーから見れば学ぶところだらけなのだ。
 
スタート地点にて一番最後にコールされるディフェンディングチャンピオンの岩島
レースの一番最初にアタックを決めた井上大我
「2人で連携する作戦は特になかった」というBicicletta SHIDOの2人(前:安藤光平、後:中尾峻)がレースを掻き回す
岩佐も後半にかけて勝負どころとなり得るところで必ず出てくる
このレースで一番動きを見せた筧
藤岡も元選手であり、集団の様子をしっかり見ながら動くべきところで動いていた
14時、雲が太陽を厚く隠したまま、ディフェンディングチャンピオンである岩島啓太(エイジサイクル)を先頭にローリングスタート。今年もおよそ1.5kmのコース×50周、総距離75kmの闘いの幕が上がった。

一番最初に飛び出したのは井上大我(サイクルぴっとイノウエ刈谷店)。しかしそれもすぐに吸収される。昨年、集団がごっそりタイムアウトとなり、完走者6人という結果が招いた「逃げを行かせてはならない」という意識が集団内で一致しているようであった。
その後も、安藤光平(Bicicletta SHIDO)や梅林康典(ワイズロード名古屋店)、中尾峻(Bicicletta SHIDO名護店)、筧五郎(56サイクル)、津末浩平(津末サイクル)などを中心に、1~3人程度の逃げができては潰されが繰り返される。集団のスピードもなかなか緩まず、後方では80%ルールによってレースを降ろされる店長も出てきた。

レースが3分の1を過ぎた頃からポツポツと雨が降り始めた。逃げてつかまり、の展開は変わらず。その中でも中尾、安藤、筧の動きが活発だ。
中尾は、「去年が消極的に行って、脚をためて、勝ち逃げに乗れなかったので、そういう風にならないことだけ考えて、前々でずっと動いてました」と、去年の反省を生かしていた。

23周目、筧がまたも仕掛ける。これにベテランの藤野智一(なるしまフレンド神宮店)が乗るが、次の周回では筧の一人逃げに。レース残り距離が半分を消化した時点でコース上に残るは36人。まだまだ何が起こるか分からない。

残り20周を目前に筧が吸収される。最速店長選手権で優勝経験がある岩佐昭一(サイクルフリーダム)はこの逃げについて、「一人で逃げた時は五郎さんもかなりゆっくり走ってたと思うんですけど、あれは上手でしたね。私が3年前に一人で行ったときは、12周でいっぱいでした。だからもし行ったとしたら10周くらいでキャッチされるだろうなと思っていて、35周目あたりまではゆったりかなと思ってたんですが、5周でやめた五郎さんはさすがでしたね」と振り返る。

 

勝敗の分かれ目を見抜くのは

中盤でも果敢な一人逃げを見せる筧。「誰も追っかけてきてくれないんでもうやめた」と話した

​30周目、集団先頭を昨年までブリヂストンアンカーサイクリングチームに所属していた井上和郎(バルバワークス ハクサンストア)が引く。出場選手の中で最も直近までプロ選手であったからゆえに、もちろん優勝候補の一人であり、まわりのマークも厳しい。昨年の大島での全日本選手権を彷彿とさせるような集団牽引で脚を使わされている様子であった。

雨が上がり、井上和郎が引く集団から昨年4位の遠藤健太(サイクルワークスFin’s)と昨年3位の井上大我が飛び出すが、それも1~2周の間に吸収されてしまった。集団が一つのまま、レースも残り20kmを切ったあたりの下り坂でスピードが緩んだ。
そこでスルスルとゆるく抜け出した安藤に岩佐がついていく。さらにその後ろから津末、藤岡徹也(シルベストサイクル みのおキューズモール)が張り付き、38周目完了時点で、4人の逃げが形成された。この動きがレース終盤を大きく動かすことになった。

4人と集団とのタイム差はじわじわと広がっていく。初めてまとまった逃げが形成され、このまま逃してはまずいと、こちらも昨年までJプロツアーで走っていた小清水拓也(CYCLO NERO)と荒上光亮(Fun Cycle)が追走をかける。42周目には先頭4人に追走2人がジョインし、先頭グループは津末、岩佐、安藤、藤岡、小清水、荒上の6人に。さらに集団から、勝敗の分かれ目を嗅ぎ取った筧、井上大我が先頭にジャンプし、44周目には先頭8人に。前年度チャンピオンの岩島らが残る集団も一気に加速する。

 
自ら集団先頭を引く岩島
井上和郎も集団前方で存在感を見せつける
レース終盤に差し掛かるところで遠藤と井上大我が飛び出す
38周目完了時点でできた4人の強力な逃げ(前から津末、藤岡、岩佐。写真に写っていないがこの後ろに安藤が続く)
42周目に後ろから小清水らがジョインし、6人の逃げ集団となった

46周目に先頭からまたしても筧が飛び出すが、次の周には吸収。ラスト2周で、岩島や2年前のチャンピオンである涌本正樹(スクアドラ滋賀守山)、中尾らが逃すまいと集団からブリッジをかけ、先頭に合流した。優勝候補とされるメンバーがいよいよ顔を揃えた。ラスト1周、誰もがゴールスプリント勝負になると確信した。

だがこの男だけは違った。計測地点でラスト1周のジャンが鳴る直前の上り坂で筧が仕掛けた。それも計算ずくで。
「みんなが『ラスト1周だ!』と気を引き締めかけたところでパンッて行くと『あれ?五郎行ったけど誰か追うのか?』って一瞬の間ができるので、そこの集団心理を利用しました。集団がみんなで深呼吸をするんです。完全にその瞬間を狙っていました」と筧。

「全部計算していました。みんながどれくらいの速度で行っているか、逃げを追うときの速度もちゃんと集団の中で見ていました。追ってくるときは時速55kmでした。最後は僕は時速55kmまで乗せたので、これは逃げ切れるなと思って。最後時速43kmで津末と行って、ラスト、(うしろと)5秒離れてるからもうここで(スプリント)かけてもいいなって思って、先頭交代した津末の死角を狙って行って決まった感じでしたね」。

先頭集団にいた岩佐は、「(後方の集団に)キャッチされる直前に五郎さんが行ったんですよね。あの精神には負けちゃいましたね。精神的に無理でした。脚もいっぱいいっぱいだったし、苦しさもあったし、あれはもうさすがですね。ゴールした瞬間に、『レースってもんを教えてやるよ!』って(筧に)言われて。もう参りました! 走りも男前だったし、仕掛けた回数も一番多い人の一人じゃないかな」と舌を巻いた。

グランフォンド世界選手権にも出場し、かなり調子を上げており、連覇を狙っていた岩島も不意の隙を突かれてしまった。「ラスト1周で筧さん含めて何人か抜け出して、後ろは大集団だったのでお見合い状態になり、前の方をなかなか引かない状態になってしまって、ギリギリ追いつくか追いつかないかくらいのところで、みんなスプリントをかけだしました」。スプリントをかけるも間に合わず、筧の計算に狂いはなく、ゴールラインを一番最初に切り、拳を突き上げた。
 
前を追う集団
中盤まで集団の後ろが固定位置であった涌本も、勝負どころの終盤にかけて集団内の位置を上げる

今回のレースで一番動きを見せたのは間違いなく筧だ。最後に抜け出すための体力まで計算していたのか聞くと、「ラスト10周くらいからもう脚にきていて、ラスト3周からもう一回一人で逃げてやろうと思っていました。
残り7周くらいで一人で逃げたときに、あぁもうみんな脚ないんだなって思って。結局みんな追うために脚使って、僕はずっとイーブンペースに入れてただけなので、みんなが脚使ってくれて、それでもう一回7人くらいになったときに抜け出られました。
去年でこの店長選手権の怖さを知ったので、常に前に前にいないといけないと思っていました」と答えた。25年もレースをしてきているだけあり、まわりを観察する力が突出していたようだ。

レースをしていてチェックすべき選手は誰だったのだろうか。「中尾くんと岩佐くんがよく走れていました。ただ、積極的だけど踏める脚はないなって感じでしたね。西谷(雅史 サイクルポイントオーベスト)さんも踏める脚はあるけれど、昔みたいにずっと高いスピードを維持する力はもうないなと思いました。
怖かったのが涌本くんですね。あと、シルベストの元NIPPOの藤岡くんはずっと集団を見てましたね。最後はスプリンターを出し抜いてやろうと思っていました。僕、彼らに勝てるスプリント力はあるんですけど、でもそれで勝ってもうれしくないなと思って。ゴール後に『なんだ、あいつスプリントだけかよ』って言われたくないので。レース後にみんなが『おめでとう』って言ってくれるのは、やっぱり賞賛してくれたんだなぁ、と」と話した。

さらにこう続けた。「もともと勝つつもりで来たわけじゃないんですが、やっぱり調子はいいと思っていたので、どのくらい踏めるかっていうのをやりたかったんです。結構踏めましたね。
去年、シクロクロスのマスターズカテゴリーの世界選手権に行って、ヨーロッパの強い奴らの走りを見てきてしまったので。今はただ単にあそこで世界チャンピオンになりたいと思って走っているので、だからどうせスプリントだけ狙っても練習にならないなと思って、とにかく踏んで踏んで、前に前に行かないとと思っていました」。
世界を目指す人も最速店長選手権に出ていると思うと、それはレベルも上がる一方だとただただ納得するばかりだ。


年々レベルが上がるレースに、元プロ選手の井上和郎が「上から目線になっちゃうかもしれないですけど、みなさん本当に強いです。うまく立ち回ったとしても多分勝てなかったんじゃないかと思うくらいレベルが高くて。みんなと一緒にレースを作って、正々堂々闘って表彰台に登りたいなぁとは思ってましたけど……完敗です!(笑)」と感服するほど。

来年こそ!と息巻く店長たちをぜひとも応援してあげてほしい。10月20日発売のサイクルスポーツ12月号でも詳細をお届けする。11月発売の2018年1月号からは、今回優勝した筧五郎店長の連載もスタートするので、要チェックだ!
 
1位筧、2位藤岡、3位涌本の順
全店長たちの前でシャンパンファイト




全日本最速店長選手権2017 TOP10リザルト


1位 筧五郎(56サイクル) 1時間50分56秒
2位 藤岡徹也(シルベストサイクル みのおキューズモール) +0秒12
3位 涌本正樹(スクアドラ滋賀守山) +0秒22
4位 岩島啓太(エイジサイクル) +0秒29
5位 小清水拓也(CYCLO NERO) +1秒64
6位 荒上光亮(Fun Cycle) +1秒64
7位 佐藤成彦(DEVOTION BIKES) +1秒81
8位 森俊夫(ユーロワークス) +1秒84
9位 藤原龍治(Cicli Pioniere) +1秒86
10位 酒井紀章(バルバワークス フクイストア) +2秒04

 
全員集合! お疲れ様でした!
■協賛:日本新薬
「ウィンゾーン エナジー×エナジー」というサプリメントを製造販売する医療用新薬メーカー・日本新薬がメインスポンサー。
この商品は、最速店長選手権参加店長へも提供を行った。

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クエン酸の構造によく似ているが(クエン酸より水酸基-OH が 1 つ多い)、クエン酸とは異なる機能性をもつ天然成分

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計測協力:マトリックス
MC協力:スポーツ エンターテインメント ラボラトリー

 

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