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キャニオン史上最軽量 アルティメットCFエボ 10.0 SL ついに販売開始

2年前に現行アルティメットシリーズと同時に国際試乗会で発表された、キャニオンの超軽量車「アルティメットCF エボ」が2017年夏、ついに市販に至った。 そのディティール、乗り味を2年前の試乗会も取材したライター吉本司がチェック。

 
text:吉本 司 photo:吉田悠太

超軽量なフレームとパーツで究極が究極に進化した



究極の軽さを求めた「アルティメットCF エボ(以下 エボ)」は、 標準仕様のアルティメットCF SLX(以下SLX)と同じフレーム形状にして、フレーム単体665g(Mサイズ)、フロントフォーク270gの重量を実現。 SLXに対して135gの軽量化のために、エボではカーボン素材が見直された。これまでSLXで用いたPAN系の高強度、中・高弾性糸に加え、新たにピッチ系の超高弾性糸を投入している。  

キャニオンではその理由について「剛性を維持しながら軽量化のためにカーボン量を減らしてフレームを作るには、ある一定のレベルを超えると、PAN系よりも剛性を高められるピッチ系の繊維が必要になる」と述べている。  

この素材の変更によりエボの剛性値は、ハンガー部でSLXと同様の数値を実現。ヘッド部については10Nm減の99Nmとなるが、その数値はライバルブランドのハイエンドと比べても遜色のないもので、この実現には1-1/4インチ径のベアリングを上下に装備する、同社独自のヘッド構造「ワン・ワン・フォー」システムが効果を発揮しているという。こうしてキャニオン史上最高となる軽さを手に入れつつ、緻密な設計で高い剛性値を維持したエボは、その名にふさわしい〝究極〞をさらに極めた存在である。

高額な完成車価格だが、フレームセット(ステム一体型ハンドルバー、シートポスト付属)は36万9000円という価格設定になっている。

 
ハンドルまわりは軽さと剛性を重視して、ハンドル、ステム別体のトラディショナルな仕様。ステムはアルミ製のV13、ハンドルバーはカーボン製のH18エルゴCFというキャニオンのオリジナルを装備する
フロントディレーラーの直付台座は、フレームと一体成型されるカーボン製として極限までの軽量化を追求する。固定ボルトによるせん断荷重がかかる部分なので、クロスタイプのカーボン素材を使用する
フレーキセットはアーム部からリターンスプリングまでカーボン製の超軽量モデル THM・フィブラ。重量は前後で120gしかない。絶対的な制動力の高さはないが、かといって不足に感じるレベルでもない
トップチューブから延長されるようにデザインされたシートステー。その根元部分にイモネジを装備してシートポストを固定する。シートまわりのねじれ剛性を上げつつスマートな外観を実現する合理的な作り
シートポストはエルゴン社と共同開発された、リーフスプリング構造を搭載した S14 VCLS 2.0 CF。軽量モデルにありがちな路面からの突き上げ感の緩和や、後輪の接地感を得やすくする狙い


アルティメットCF エボ 10.0 SL
スラム・レッド完成車価格/109万9000円(税抜)
フレームセット価格/36万9000円


フレーム●キャニオン・R47カーボン 
フォーク●キャニオン・F37カーボン 
メインコンポ●THM・カーボネス、 スラム・レッド 
ホイール●ライトウェイト・マイレンシュタイン オーバーマイヤー TU 
タイヤ●コンチネンタル・ポ ディウムTTチューブラー 22mm 
ハンドルバー●キャニオン・H18エルゴCF 
ステム●キャニオン・V13 AL 
シートポスト●キャニオン・S14 VCLS 2.0 CF 
サドル●フィジーク・アンタレス0.0 
サイズ●2XS、XS、S、M、L、 XL、2XL 
カラー●カーボンファイバー×ネオンオレンジ 
試乗車実測重量●5.16kg(Lサイズ、ペダルなし)

 

試乗インプレッション「普通に走れる高い潜在能力を持つ超軽量車」

今回の試乗は2機種展開される完成車でも最軽量の「アルティメットCF エボ10.0 SL」。ライトウェイトのホイール、THMのクランクとブレーキなど豪華軽量パーツを装備した試乗車の実測重量は、Lサイズなのに5.16kg。筆者が普段乗るSLXより2.5kg以上も軽い。

さすがにこれだけ軽いとバイクの挙動は全てが機敏だ。ペダリングフィールは肉薄・軽量のチュービングに起因する乾いたもので、タッチの柔らかさも感じられる。そしてフロントセクションの剛性レベルのせいか、高負荷・高速域の加速はSLXに比べてわずかに穏やかではあるが、それ自体に鈍さはない。そして全体的な剛性レベルもやわな印象も見られず、SLXに著しく劣るものではない。この軽さでここまでの剛性なら十分に納得のパフォーマンスだろう。  

車重の軽さは、やはり上りで生きる。俊敏な挙動、乾いたペダリングフィール、しなりをうまく使って推進力を発揮するパワーラインが同調すると、小気味良く軽快な上り性能を発揮してくれる。車重がきわめて軽く、足下も超軽量なので少々腰高な乗車感もあるが、それを除いては軽量車に乗るデリケートさはない。ヘビー級とパワー系のライダーを除けば、その軽さを武器にヒルクライムに使うのもよし、一般的な重量のパーツに組み替えればロードレースにも対応できる、普通に使える高い潜在能力を持つ超軽量車といえる。  

絶対的な価格こそ高いが、アッセンブルパーツの国内価格を引き算すると、フレーム価格はほぼタダになる、キャニオンマジックともいえる圧倒的なプライスパフォーマンスも、もう一つの魅力だ。



 

問い合わせ先

キャニオンジャパン
https://www.canyon.com/ja/