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CARRERA(カレラ)プロレース500勝のレーシングブランド

1989年に創業したカレラは、 ロードバイクに特化した稀有なイタリアンブランドだ。キャプーチなど往年の名選手らが駆り、プロレースで通算500勝以上も挙げている。 速さに対する飽くなき探求心、そしてフィロソフィーを余すことなくお伝えしよう。
 
text:Yuichi Oya、photo:Masami Sato/Tomoko Komakine

CARRERA BRAND HISTORY



イタリアのアパレルブランド、カレラジーンズがスポンサードする強豪チームの監督を務めていた元プロ選手のダビデ・ボイファヴァ氏と、ルチアーノ・バラキ氏によって1989年に設立されたのがカレラだ。チームには故マルコ・パンターニをはじめ、クラウディオ・キャプーチ、パオロ・ベッティーニ、イヴァン・バッソなど、そうそうたる選手が所属。カレラのバイクはプロレースで500勝以上を挙げるなど、短期間でトップブランドへと上り詰めた。

現在はUCIワールドチームにこそ供給していないものの、若いライダーの育成に注力しており、東京ヴェントスをはじめ世界35カ国、157人もの選手にフレームを供給している。また、イタリア本社では常に最新のテクノロジーが研究されており、その開発に要する時間は1年間で1524時間にも及ぶという。小規模な会社だからこそレーシングバイクに特化し、ディスクブレーキなど最先端のトレンドも惜しみなく導入する。これがカレラというブランドなのだ。

 
マルコ・パンターニ。1970年生まれ。1998年にジロとツールで総合優勝を達成したイタリアの伝説的選手。カレラチームには1992~1996年の5年間所属していた
クラウディオ・キャプーチ。1963年生まれ。1985年にカレラチームと契約してプロに転向した。脚質はクライマーであり、 ツールで2回、ジロで3回の山岳賞を受賞した
イヴァン・バッソ。1977年生まれ。2006年と2010年にジロで総合優勝している
パオロ・ベッティーニ。1974年生まれ。世界選2連覇や五輪金メダルなど入賞多数

新エアロロード TD01-AIR 登場



フラッグシップのAR-01、セカンドモデルのエラクルエアに続くエアロフレーム第3弾が、この「TD-01 AIR」だ。「 AR-01」にはプロが満足できるほどのスペックを与えているが、ホビーレーサーにとってはやや過剛性である、というのがカレラ陣営の判断であり、高性能なエアロダイナミクスを受け継ぎながら快適性にも配慮したのが、このニューモデル誕生の経緯だ。車名のTDはティアドロップの頭文字で、ダウンチューブやシートチューブなどにカムバックと呼ばれる空力上有利な断面形状を採用。素材は東レの T-700をメインに、要所に高弾性カーボンMRC-MR60を取り入れているのがポイントだ。 


TD-01 AIR
■フレームセット価格/24万円(税抜)
■フレーム/カーボン
■フォーク/カーボン
■フレーム重量/1100g(Mサイズ)
■ブレーキ/ダイレクトマウント
■BB/BB86
■サイズ/XS(470)、S(500)、M(520)、L(540)、XL(570)
■カラー/A8-142、A8-143、A8-144、A8-145 

 
反応の良さと振動吸収性という相反する要素を両立した、断面積の大きなチェーンステー
ダイレクトマウントのリムブレーキを採用することで一般的なブリッジを省略し、さらに左右のスパンを広げて空気抵抗の低減を達成したシートステー
ヘッドチューブ、BBまわりなど、応力の集中するパートにはMRC-MR6040Tカーボンを使用
ティアドロップの下流側を切り落とした断面形状(カレラではカムバックと呼称) をダウンチューブやシートチューブに採用。剛性面でも有利だという

クラウディオ・キャプーチの試乗インプレッション

「エアロフレームは重量が増える傾向にあるが、これは軽く仕上げられている。私自身は最上位のAR-01に乗っていて、非常に気に入 っているけれど、全てのパフォーマンスを引き出すにはスキルが必要であり、プロ仕様であることを伝えなければならない。そういう意味では、快適性を程よくバランスさせた TD-01 AIRのほうが、多くのアマチュアライダーにとって最適な選択となるだろう」 
 

新モデルに込められた作り手の想い

ロードバイクに特化した稀有なブランドであるカレラ。プロ選手の勝利のためだけでなく、全ての人が最高のパフォーマンスを感じ取り、また限界を超えたライドを可能とするのが、同社のミッションだという。

そんな彼らがニューモデル「TD-01 AIR」を開発した背景には、AR-01やエラクルエアで培った高度な空力特性を、より多くの人に体感してほしいとの思いからだ。スタイリングは上位2モデルの流れを汲むものの、金型は専用設計であり、さらに使用するカーボンについても要所によって使い分けるなど、空力と剛性、そして快適性という3つの要素を高次元でバランスさせている。ホビーレーサーにとってベストな選択となるエアロフレームなのだ。

 
カレラ セールスマネージャー マルコ・カンパニョーニ ●ダビデ氏に誘われてカレラのセールスマネージャーに。大けがによりプロへの夢は断たれてしまったが、選手としての経験は豊富だ
カレラ ブランドマネージャー シモーネ・ボイファヴァ●創業者ダビデ氏の子息で、幼少の頃からプロ選手と接し、彼自身も彼らと同じ舞台で活躍。その経験が製品作りに生かされている

人気モデルのディスク化も

AR-01 ディスク
■フレームセット価格/47万円(税抜)、56万円(税抜・DIABLO)
■フレーム/カーボン
■フォーク/カーボン
■フレーム重量/1180g(Mサイズ)
■BB/BB86
■ブレーキ/フラットマウント
■付属品/専用ステム
■サイズ/XS(460)、S(490)、M(520)、L(550)、XL(580)
■カラー/DIABLO、A7-112、A8-136、A6-31、A6-32、A7-108、A7-11 


軽さ、剛性、空力特性など、勝つために重要なファクターを完璧にバランスさせたカレラのフラッグシップ。わずかに湾曲したトップチューブは前三角の剛性アップに寄与し、その上面は専用ステムとスムーズにつながっている。2018年モデルでは待望のディスクブレーキ仕様を追加。規格はフラットマウントで、前後とも性能面で有利なスルーアクスルを選択。さらに、キャリパー取り付け部分のカーボンの積層を最適化し、制動力を十分に引き出せるようアレンジしている。なお、リムブレーキ仕様については、コンベンショナルなタイプとダイレクトマウントの2種類から選択可能となっている。完璧に内蔵されたワイヤルーティングは空気抵抗の低減に貢献する。 


 
エラクルエア ディスク 
■フレームセット価格/34万円(税抜)、37万円(税抜・ブラックナイト)
■フレーム/カーボン
■フォーク/カーボン
■フレーム重量/1100g(Mサイズ)
■BB/BB86
■ブレーキ/フラットマウント
■サイズ/XS(460)、S(490)、M(520)、L(550)、XL(580)
■カラー/ブラックナイト、A7-117、A8-137、A6-33、A7-116 


セカンドモデルながら、プロユースも想定して設計されたエラクルエア。AR-01と同様にエアロダイナミクスを追求しており、長方形断面の特徴的なダウンチューブをはじめ、各チューブの形状を空力、剛性の両面から最適化している。2016年モデルとしてデビューし、3シーズン目となる2018年は、ディスクブレーキ仕様がスルーアクスル化された。これにより、さらにパフォーマンスが底上げされたという。なお、リムブレーキ仕様については、これまでどお りコンベンショナルなタイプとダイレクトマウントが選べるなど、ユーザーフレンドリーな面は健在。2018年シーズンはニューカラーが2種類追加されるなど、ますます見逃せないエアロフレームへと成長した。 


 
ER-01ディスク 
■フレームセット価格/12万8000円(税抜)
■フレーム/カーボン ■フォーク/カーボン
■フレーム重量/1150g(Mサイズ)
■BB/BSA
■シートポスト径/31.6mm
■ブレーキ/フラットマウント
■サイズ/XXS(420)、XS(460)、S(490)、M(520)、L(550)、 XL(580)
■カラー/A8-100、A8-101、A7-104、A7-105 


昨年、9万8000円という驚きのプライスを引っさげて華々しくデビューしたER-01。ホイールベースやヘッドチューブを長めにしたり、ワイドなタイヤの装着を可能とするなど、よりエンデュランスに振ったモデルである。2018年のトピックは、このER-01にディスクブレーキ仕様が追加されたことだ。フラ ットマウントに前後スルーアクスルなど、関連する規格に関しては上位モデルと同様に最新のものであり、エントリーユーザーからシリアスなホビーレーサ ーまでもが満足できる仕様だ。 


 
カレラ CX 
■フレームセット価格/19万円(税抜)
■フレーム/カーボン
■フォーク/カーボン
■サイズ/52cm、54cm、56cm、58cm、60cm
■カラー/A8-141 


シクロクロスの盛んなベネルクス三国からの要望により、カレラもついにこのジャンルへと参入することに。フレームの素材はカーボンで、すでに世界選手権でもスタンダードになりつつあるディスクブレーキを採用。フラットマウントにスルーアクスルと、こうした規格に関してもロードフレームと同様に最新のものを採用している。

ちなみに、C・キャプーチ氏はシクロク ロス競技のエキスパートで、すでにこのバイクにも試乗し、気に入っているとのこと。「私の現役時代との大きな違いはディスクブレーキで、泥詰まりしにくいことからバイク交換の回数を減らせるはず。加えてスルーアクスルによる高剛性化も、競技の特性から考えて有利なことは間違いない」  
 

AR-01

【NEW COLOR】A8-136 MATT
【NEW COLOR】A7-112 MATT
A6-31 GLOSSY
A6-32 MATT
A7-108 GLOSSY
A7-111 GLOSSY
DIABLO MATT

AR-01 フレームセット  45万円(税抜) 
(カラー:A7-112、A8-136、A6-31、A6-32、A7-108、A7-111)

AR-01 フレームセット  54万円(税抜)
(カラー:DIABLO)

AR-01 ディスク フレームセット  47万円(税抜) 
(カラー:A7-112、A8-136、A6-31、A6-32、A7-108、A7-111)

AR-01 ディスク フレームセット  56万円(税抜)
(カラー:DIABLO)

ERAKLE AIR

【NEW COLOR】A7-117 MATT
【NEW COLOR】A8-137 MATT
A6-33 GLOSSY
A7-116 GLOSSY
BLACKNIGHT GLOSSY

エラクル エア フレームセット 32万円(税抜)
(カラー:A7-117、A8-137、A6-33、A7-116)

エラクル エア フレームセット 35万円(税抜)
(カラー:BLACKNIGHT)

エラクル エア ディスク フレームセット 34万円(税抜) 
(カラー:A7-117、A8-137、A6-33、A7-116)

エラクル エア ディスク フレームセット 37万円(税抜)
(カラー:BLACKNIGHT)

 

【NEW】TD01-AIR

A8-144 MATT
A8-143 GLOSSY
A8-143 GLOSSY
A8-143 GLOSSY

TD01-AIR フレームセット 24万円(税抜) 
(カラー:A8-142、A8-143、A8-144、A8-145)

 

PHIBRA EVO

【NEW COLOR】A7-127 MATT
A7-128 GLOSSY
A7-130 GLOSSY

フィブラエボ フレームセット 28万円(税抜)
(カラー:A7-127、A7-128、A7-130)

SL 7

【NEW COLOR】A8-122 MATT
A7-121 GLOSSY
A7-123 GLOSSY
A7-124 GLOSSY

SL7 フレームセット 25万円(税抜)
(カラー:A8-122、A7-121、A7-123、A7-124)

VELENO TS

【NEW COLOR】A8-138 MATT
A7-135 MATT
A6-46 MATT
A6-47 GLOSSY
A6-48 MATT

ヴェレーノ TS フレームセット 18万円(税抜)
(カラー:A8-138、A6-46、A6-47、A6-48、A7-135)

ヴェレーノ TS 105特別完成車 28万円(税抜)
(カラー:A6-46、A6-47、A6-48)

ER-01

【NEW COLOR】A8-101 GLOSSY
【NEW COLOR】A8-100 MATT
A7-104 GLOSSY
A7-105 GLOSSY

ER-01 フレームセット 9万8000円(税抜) 
(カラー:A8-100、A8-101、A7-104、A7-105)

【NEW】ER-01 ディスク フレームセット 12万8000円(税抜)
(カラー:A8-100、A8-101、A7-104、A7-105)

ER-01 105完成車(キャリパーブレーキ) 19万円(税抜)
(カラー:A8-100、A8-101、A7-104、A7-105)

メーカーリレートーク Vol.1「これからのロードバイクは どこへ向かう?」



まず最初に、カレラはアジア市場、なかでも日本のマーケットはどういう位置付けにあるのかを聞いてみた。これに答えてくれたのは、同社のセールスマネージャー、マルコ・カンパニョーニ氏だ。

「カレラにとってアジア市場はコアビジネスであることは間違いなく、私たちの製品を愛してくれる代理店がたくさんあります。特に日本のマーケットについてお話しするならば、ポディウムと一緒に仕事ができることをとても誇りに思っています。私たちの関係性は非常に普通ではなく(笑)、彼らは日本のユーザーの要望を積極的に伝えてくれ、私たちはそのコメントに基づいた内容を開発に生かす場合も多い。それに報いるために新しいテクノロジーを導入することもあるほどです。だからこそ、日本のユーザーは我々の商品を高く評価してくれているんだと思います。それは私たちの仕事が完璧であることを意味していますから」

日本のマーケットを重視しているというマルコ氏のこのコメントは、我々にとって非常に喜ばしいと言えるだろう。 続いて、カテゴリーの細分化が進行するロードバイクについて、これがさらに加速するのか、それとも、ある転換期を経て収束するのか? ロードバイクに特化したメーカーであるカレラに、将来の展望について聞いてみた。ブランドマネージャーを務めているシモーネ・ボイファヴァ氏が次のように語ってくれた。

「カレラはロードバイクのみを作ってきたブランドであり、我々の存在意義だと確信しています。確実に言えるのは、以前よりもロードバイクがカバーしなければならない分野がどんどん拡大しているということ。エアロダイナミクスはレースでの速さを追求したものですが、その一方でエンデュランスやグランフォンドを楽しみたいという人もいれば、ヒルクライムに向いたバイクを求めるライダーもいる。現段階での設計方針は、それぞれの目的、それぞれのユーザーに適した製品を提供するというもので、「AR-01」のようなプロユースに特化したものもあれば、「ER-01」のようにエントリーユーザーを対象としたモデルもある。ただし共通するのは、カレラに乗ることで勝利の気持ちが味わえたり、限界を超えたときの達成感が得られること。そして、ディスクブレーキをはじめ、将来のトレンドをきっちりと捉えたブランドになっていくことも我々の重要なミッションです」 
 

What's in your bag?

イタリア国内はもちろん、ほぼ毎月のように国外のイベントに出張しているというキャプーチ氏。はたしてどんなものを持ち歩いているのか、スーツケースの中身を見せていただいた。 突然のお願いにもかかわらず、快くホテルの部屋に招いてくれたキャプーチ氏。持ち物に関するテーマは"コンプリート"だ。決して小さくはないスーツケースに、衣類やシューズが隙間なく詰められている。よく見るとヘル メットまで入っているではないか。 

「こちらで用意しますからと事前に伝えていましたし、イベントでもそれをかぶっていただいたのですが、わざわざ持ってきたというのは、彼のまじめさの表れなんでしょうね」と、ポディウムの担当者。付け加えると、キャプーチ氏はサイクリング中の休憩のたびに、参加者との記念撮影に丁寧に応えていた(なぜか掛け声は「ニンジャー!」だった)。日本のファンを大切にしてくれるキャプーチ氏、再び来日される日を楽しみに待ちたい。 
 


出典:サイクルスポーツ7月号付録「Planet Podium」より
バックナンバー http://www.yaesu-net.co.jp/cart/magazine.php?cart=13&id=188&view=on

サイスポ・トピックス「カレラキャンプ2017 開催!クラウディオ・キャプーチ氏も来日
2017年4月20日(木)、千葉県館山市で開催
 

問い合わせ先

カレラ取扱店
http://www.podium.co.jp/shop/