トピックス

チェント10NDR ウィリエール・トリエスティーナが放つSUV

昨年、創業110周年を迎えたウィリエール・トリエスティーナ。その年に登場したのが同社究極のエアロロードであるチェント10(ディエチ)エアー。

その次の一手として用意されたのは、快適性をプラスした"NDR"だ。今年もイタリアの試乗会へと向かった。

 
text:Takehiro Nakajima photo:Takehiro Nakajima /Kitamura〝 Kitto〞 Keisuke(服部産業)

エアロに快適性をプラス。111年目のニューモデル

来年の春のクラシックではプロチームも使用する予定とのこと

発表されたバイク「チェント10NDR」は、昨年発表されたエアロロードを踏襲し、より積極的に振動吸収性能をアップさせたモデルだ。最大の特徴は、シートステーとシートチューブの接合部に設けられた「アクティフレックス」という振動減衰機構。一見するとシートステーの上部にエラストマーがはさまっているだけのように見えるが、その内部にリンクを内包し、シートチューブとシートステーはリンクを介してつながっている。なので、エラストマーによりダイレクトに振動が伝わり効果を上げる構造だ。

他社のロードバイクでもリヤセクションの振動吸収性能を上げるために独自の機構を盛り込んでいるバイクがいくつかあるが、プレゼンテーションではこのアクティフレックスが、他社よりも優れている点として①サドル高の変化がないこと、②振動吸収機構による横剛性の低下がないことの2つが挙げられた。

①については、シートチューブをしならせて振動を減衰する機構との比較。その場合だとサドルがやや後方に動くことになり、サドル高が変わってしまい、違和感を感じるライダーもいる。アクティフレックスはシートステーの付け根で振動を減衰するのでシートチューブは動かない。

②は、ピナレロ・ドグマK 8のように小型のサスペンションを設けた場合、サスペンションとフレームのリンク部はボルトで固定され、その小さな面だけでフレームと接することになる。それと比較してアクティフレックスはエラストマー全体でフレームと接しているので、より高い横剛性を確保できるとしている。また、フレームのフォルムの一部のように見えるスマートなルックスを実現。

エラストマーの開発に当たり、異なる体重、脚力のライダーでテストをし、最適な硬さ3種類が用意された。フレームサイズによってデフォルトの硬さが違う。耐用年数は2年。専用工具なしで交換可。

ブレーキは写真のディスクブレーキと、ダイレクトマウントブレーキのコンパチである。ロードディスクブレーキ時代への過渡期であることを鑑みて、どちらにも対応できるようにしているそうだ。国内販売モデルはダイレクトマウントブレーキが標準装備となる。
 

チェント 10 の空力性能を生かしつつ、快適性を上げる工夫が各部に

チェント10エアーで採用されていた ステム一体型のハンドル「アラバル ダハンドルバー」の、ワイヤ内蔵機 構はそのままに、ステム(ステンマ)・ ハンドル(バッラ)を別体とし、ポ ジショニングの幅を広げた
ワイヤ類がコラムスペーサーの内側を通るので、スペーサーも専用品が必要。ハンドル高が調整しやすいように割が入っているので着脱にいちいちワイヤ類を抜かなくてもいい
ダウンチューブにはフロントディレーラーワイヤ調整ダイヤルが備わる。 チューブ形状は空力性能の高いNACAプロファイルだ
BBはウィリエールが先鞭を付けたBB386エボではなく、プレスフィッ トタイプに。ユーザービリティーの向上が目的だという
フロントディレーラー台座はアルミ製。シマノのフロントディレーラーにあるサポートボルトをしっかり受けられるよう、後方に伸びるフィンが設けられている
シートステーとチェーンステーの接点は、リヤハブのセンターよりも後方。ホイールからの衝撃がシートステーにつたわり、エラストマーを機能させるための位置関係
ヘッドパーツのベアリング径は上下とも1-1/4インチで、内径が広い特殊サイズのベアリングを採用。ベアリングの内側にケーブルを内蔵するための処理だ
左右非対称のチェーンステー。写真のエンド幅は142㎜だが、リムブレ ーキを使用する場合、エンドの交換 で130㎜に変更できる
エラストマーはソフト(フレームサイズXS、S)、ミディアム(フレームサイズM、L)、ハード(フレームサイズXL)の3種類。別売で後から購入し交換も可能
シマノDi2の新型ジャンクションAは、ハンドルバーエンドに装備できる。ケーブルはステムからフレーム内へフル内蔵可能

チェント10 NDR スペック

シマノ・デュラエース完成車価格/90万円(税抜)
※ホイール:WH-R9100 C40-CL

シマノ・R8000アルテグラ完成車価格/58万5000円(税抜)
※ホイール:WH-RS11

フレームセット価格/50万円(税抜) 
※ステンマ&バッラ付き
フレーム重量:1190g(ペイント済み、Mサイズ)
フォーク重量:390g

ステンマ(ステム)価格/4万5000円(税抜)
バッラ(ハンドル)価格/3万円(税抜)
ディスクブレーキ化キット価格/1万5000円(税抜)

※前後スルーアクスル+スルーアクスル対応エンド
※国内販売モデルはダイレクトマウントブレーキが標準装備