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チネリの2018年モデルをピックアップ! ハッチンソンの最新タイヤも紹介

ポディウムの2018年モデル展示会が東京・品川で開催された。その中からイタリアンバイクブランドの「チネリ」、老舗サドルブランドの「サンマルコ」、そしてトップモデルを一新したタイヤブランドの「ハッチンソン」を紹介する。
text&photo:江里口恭平

センセーショナルなレースモデルの系統、「ヴィゴレッリ ロード」が追加

「ヴィゴレッリ ロード」
「ヴィゴレッリ ロード」
「レッドフッククリテリウム」などシングルギアレースで、その名声を欲しいままにしてきたチネリ・クロームチーム。彼らが使うピストバイクの流れを受け継いだロードバイクがこれ。それまではアルミ素材だったにも関わらず、時代をさかのぼるかのようにスチールフレームがリクエストされた。もちろんフレーム重量も多少ではあるが増加している。

それでもこの素材を選んだ理由としては、ハンドリングの良さ。バイクの挙動を全体で考えたときに、コーナリングが高速で抜けることができることから、スチール素材をを採用した。
これまでのシングルモデルは、クリテリウムレースにおいてシート、ヘッドの角度を立たせることで、反応性の良さや加速性能を重視していた。しかしシューズのつま先と前輪が干渉するなどと問題も多く発生。そういったプロライダーからのフィードバックの結果、ヘッド角を修正。BBハイトも上げることで、結果的にコーナリング中のペダリング動作を可能とした。

またシングルギアのバイクで評価されたその無駄のないデザインは、ワイヤをフレームに内蔵とすることで、変速や前後にブレーキが付きつつもシンプルなイメージ損なっていない。その他にも、時流にあわせてタイヤ幅は28㎜まで対応だ。
特徴的なエレクトリックイタロカラーをまとい、ロードクリテリウムレースで活躍するのにぴったりなバイクへと仕上がったのである。
 

カーボンモデル「ストラートファスター」が登場

「ストラートファスター」
「ストラートファスター」
チネリのフルカーボンモデル「ストラートファスター」は、一般的なロードモデルよりもヘッドとシートの角度を1度ずつ立てたことで、シャープなハンドリングやダイレクトな加速といったクリテリウムに適した走りを実現した。それに加えてBBハイトを高めに設定することで、コーナリング中でもペダリングできるため、減速することなくライバルに差をつけることができる。

カーボンモノコックフレームは、フレーム単体の重量で980gとしている。またフォークにもコロンブスの最新モデルを導入した。非常に攻撃的なカラーリングで目を引く「サイケデリックブレックファースト」は、有名な歌の歌詞からその名前を取ったということだ。
 
グランフォンド向けの「スーパースター ディスク」を駆ってパオラ・ジャノッティさんは次週日本縦断の最速記録に挑む
グランフォンド向けの「スーパースター ディスク」を駆ってパオラ・ジャノッティさんは次週日本縦断の最速記録に挑む
2017年モデルから継続となる「スーパースター」は、キャリパーとディスクブレーキの両モデルがそろう。細身のシートポストやウィップの効いたチェーンステーの形状などから、長距離ライドに適した性格を持っている。またトップチューブの角度を寝かせることによって、高速でのダウンヒル時に路面から受ける衝撃を角度の変化でいなすことができる。

今回会場に登場したパオラさんは、これまで女性として最速で世界横断をしたことでギネス記録にも認定されている。そんな彼女は来週から、北海道から鹿児島まで日本縦断TTにもチャレンジ。その際にこのスーパースターディスクを使用する予定となる。

その他のトピックスとしては、チネリの魅力を現在まで伝えるメイドインイタリアのバイクたちのジオメトリのオーダーが可能となった。また、ネモティグについては全26色+艶のアリ・ナシを選べるカラーオーダーにも対応。特定のモデルでは今後、ディスクブレーキ仕様も発表される予定だ。
 
チネリの傑作レーザーの生みの親が制作にかかわり、当時のスチールからカーボンモデルへと生まれ変わった「レーザーミア」
チネリの傑作レーザーの生みの親が制作にかかわり、当時のスチールからカーボンモデルへと生まれ変わった「レーザーミア」
カーボンパイプをつなぎ合わせてラッピングすることで、スチールの時と同じ形状としたうえでフレーム重量950gと軽量に仕上げている。初代レーザーミアに携わった職人が今回も監修した
カーボンパイプをつなぎ合わせてラッピングすることで、スチールの時と同じ形状としたうえでフレーム重量950gと軽量に仕上げている。初代レーザーミアに携わった職人が今回も監修した
こちらもチネリの代名詞と言える「スーパーコルサ」。1960年代当時のグラフィックをそのまま再現した
こちらもチネリの代名詞と言える「スーパーコルサ」。1960年代当時のグラフィックをそのまま再現した
現行のモデルとフレームの内容は変わらないが、再現されたヘッドバッジなどから往時の雰囲気をそのまま伝えている
現行のモデルとフレームの内容は変わらないが、再現されたヘッドバッジなどから往時の雰囲気をそのまま伝えている

サンマルコの最新ショートサドルは側面で支える

「ショートフィットC」
「ショートフィットC」
ショートフィットCは現在他のブランドでも採用されつつある最新トレンド、ショートサドルを研究し誕生したモデルだ。デザインでは従来のクラシカルな要素を捨てること無く、最先端の性能を突き詰めた。
最大の特徴はもちろん短いこと。それによってこのサドルは快適性を手に入れた。前から後ろ部分まで大きく空いた穴の形状とともに、先端部分までパッドを多く入れているので、深い前傾姿勢をとることが可能だ。

それに加えて、サイド部分に面積を多くさき、全体としてU字型の形状としている。
それによってサドルの側面部分にも体重や力が分散することで、そのサドル形状全体で支点の役割を果たすので、結果として快適性につながるというものだ。
また、タイムトライアルや女性用など、特定の用途に限定したわけではないというのも、このサドルの大きな特徴のひとつだろう。
 

ハッチンソン「フュージョン5」は最高峰のコンパウンド「イレブンストーム」を採用し一新

タイヤメーカーからスタートし、現在は自動車産業をはじめとした様々な分野のシェアを持つフランスのハッチンソン。創業品目として現在も重要な位置を占めるタイヤ部門は、1890年より同じ工場敷地内で生産・開発を続けている。そんなハッチンソンが昨年発表した「フュージョン5」が2018年にモデルチェンジする。

大きな変更点としては「イレブンストーム」と名付けられたコンパウンドを採用したという点だ。嵐の強さの測定方法で「最大の嵐(ハリケーンと同等)」を意味するイレブンストームは、世界最強のタイヤを目指して開発された。

それはどんな天候においても最大のグリップ力を持つとともに、速さに直結する「転がり抵抗」を持つ、というもの。前作のフュージョン5に比べると、転がり抵抗は14%、耐久性19%、濡れた路面でのグリップ力11%、乾いた路面でも3%の向上となり、それでいて重量は変化していない。

開発にあたっては自社の測定技術から検査することは当然のこと、今回はフィンランドにある著名な外部の検査ラボを通し、他社のモデルと実際に比較して評価を行った。プレゼンでは実際に他社の高性能モデル3点と比較したグラフから、転がり抵抗、グリップ力、耐パンク性能、耐久性など計8つの比較グラフの上で「最も優れている」という結果が示された。

ラインナップとしてはシリアスなレースのための「ギャラクティック」、最もベーシックな「パフォーマンス」、トレーニングや雨天時に適した「オールシーズン」の3モデルとなり、それぞれの用途に合わせて選択が可能。タイヤタイプとしてはクリンチャーとチューブレスレディのモデルが登場する予定だ。
 

問い合わせ先

ポディウム
http://www.podium.co.jp