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カンパニョーロディスクブレーキコンポ「H11」を発表 ケンタウルがリヤ11速化し復活

ここ数年、ロード用コンポーネント界を賑わせているディスクブレーキ。シマノ、スラムに続いて、ロード用コンポーネントブランドの雄、カンパニョーロがついにリリース。そして、リヤ10速のミドルグレードとして存在していたケンタウルが、リヤ11速化されて復活。スペイン・カナリア諸島で開催されたプレスローンチからその詳細をお伝えする。
 
text:中島丈博 photo:campagnolo、中島丈博

ついに製品化された油圧ディスクブレーキ


ついにカンパニョーロが、ロード用ディスクブレーキコンポーネントを製品化した。昨年、ここカナリア諸島で開催されたプレスローンチで、プロトタイプがお披露目され、ユーロバイクでも展示されていた注目製品だ。
「H11」と名づけられたコンポーネントで、既存のコンポーネントであるスーパーレコード、レコード、コーラスをディスクブレーキ化するための製品群を指す。各グレードにディスクブレーキが追加されるのではなく、互換性がある。製品のグレードはスーパーレコードクラスで作られているという。機械式変速用と、電動のEPS用がある。またミドルグレードのポテンツァディスクブレーキ化用として、ポテンツァ11も発表された。どちらも油圧式のみ。
 
ブラケットサイズは先端が8mm長くのびただけで、リムブレーキ用と近いサイズ
H11の特徴は「カンパニョーロらしさ」をディスクブレーキでどう表現したか、というところにある。同社の大きな特徴であるエルゴパワー。シフトアップ、シフトダウン、ブレーキの3つの操作が3つのレバーにわかれている明快な設計はもちろん継承され、ブラケットのサイズも先端部分はほぼ同じ。その先端部分は油圧のリザーバータンクを装備するために8mm長くなっているが、エルゴノミックであることにこだわった形状となっている。

ブレーキレバー、シフトダウンレバーは、ハンドルに対してのレバーポジションを独立で調整可能。また、ブレーキレバーを操作した時に、制動がかかり出すまでのリーチもショートとロングの2種類選ぶことができる。オイルはミネラルオイルを使用する。

ブレーキキャリパーは、ドイツのマグラ社との協力によって開発された。キャリパー内にはマグネットが装備され、ブレーキリリース時の操作感を向上させている。あわせられるパッドはレジンパッドで、特許技術が使われており非常に優れた耐熱性をもつ。テストでは、他社が650wの負荷をかけた時にパッドが破損してしまったのに対して、カンパニョーロのものは800wでも壊れない。パッドはもちろん、キャリパー、ローターのトータルで放熱性ではなく耐熱性を向上させた。

ブレーキローターは、センターアームがアルミ、ブレーキ面はスチールだ。フロント160mm径のみ。リヤは160mmと140mmが選べる。エッジ部分は面取りしてあり、落車時にローターでライダーがケガを負うリスクを軽減している。固定方法はセンターロックタイプのみ。パッドを正面から見ると、ホイールを取り付ける時にローターが進入する側がハの字に面取りされており、ホイール交換時の利便性向上が図られている。ノイズの少なさと、スムーズな操作性を重視した。

クランクもH11シリーズに登場する。いままでのロードバイクはエンド幅130mmだが、ディスクブレーキロードの場合は142mmが主流。エンド幅が広がったことにより、チェーンラインが外側に広くなるのに対応すべくチェーンリングの位置が外側にオフセットしている。
 
レバー根元に見える「S」、「L」のボルトで引きしろを調整する
バイクを水平にした状態でもオイルのブリーディングがしやすいように、ブラケット最先端にオイルの入り口がある
レバー根元部分もすっきりし、握っている時にも不快な穴や突起がない
右がフロント、左がリヤ用
クランクもディスクブレーキロードのジオメトリにあわせて再設計された

ホイールラインナップはレース志向が強い

ボーラワン50DB。チューブラーのみの展開
シャマルのハブボディーは前だけカーボン(写真左)。リヤは駆動力と制動力に耐えるためアルミ製。チューブレスにも対応する2ウェイフィットタイプだ
ボーラワン35DB。こちらはチューブラーとクリンチャーも展開する
昨年ゾンダディスクブレーキホイールのみをリリースしてはいたが、今回コンポーネントと同時にボーラワン50、ボーラワン35、シャマルウルトラC17のディスクブレーキモデルが発表された。どのモデルも末尾にディスクブレーキを意味する「DB」が付く。
ボーラワン35DBはクリンチャーとチューブラーの2タイプ。ボーラワン50DBはチューブラーのみ。シャマルウルトラC17DBは、チューブレース対応の2ウェイフィットモデルとなる。これらのホイールは、すべて12mmスルーアクスルが標準で、アダプターによってクイックリリースにも対応する。OLDはフロント100mm、リヤ142mm。
それぞれの重量は、ボーラワン35DBチューブラーが1297g、クリンチャーが1509g。ボーラワン50DBチューブラーは1364g。シャマルウルトラC17DBは1540gとなる。ライトウェイト・マイレンシュタインディスクのチューブラーモデルの重量が前後で1220g。ライトウェイトはアダプター類が充実している分、一概には比較できないが、同等のリムハイトを持つボーラワン50DBチューブラーが1364gで、重量差は144g。リムブレーキモデル同士で同じようにライトウェイト・マイレンシュタインとカンパニョーロ・ボーラワンを比較すると重量差は175gなので、ディスクブレーキモデルの方が肉薄している。カンパニョーロの本気を感じる。リム単体の重量については非公開だ。

すでにリリースされているゾンダDBから、ミドルレンジを数モデルリリースして、それからトップレンジをディスクブレーキ化という流れではなく、カーボンリム、アルミリムのトップレンジで一気にディスクブレーキモデルを発表した。これは、「プロが使用するためにはトップレンジ先に出す」必要があったためだと同社は語る。
 

ケンタウルがリヤ11速になって復活

10速用のコンポーネントとしてかつて存在していたケンタウルが、リヤを11速化し復活。一時期はカーボンクランク、ブレーキレバーもカーボン製だった時代もあるが、現在はミドルレンジに相当する。ライバルはシマノ・105だ。

シフトレバーは、ポテンツァを踏襲する設計で、シフトダウンレバーは一気に3段。シフトアップは1段ずつとなる。シフトボタンの形状が、EPSなどと共通の下方にカーブしたデザインになったので、ブラケットポジションからの操作はもちろん、ハンドルのドロップ部を握ったポジションからも操作しやすい。

リヤディレーラーはミドルケージのみで、合わせられるスプロケットはロー29T、32T。ワイドレシオを実現できる。
一番軽いギヤの組み合わせでフロント34T×リヤ32Tを実現できる
シマノのミドルケージリヤディレーラー同様。上プーリーの歯丈が高い。ワイドレシオでも高い変速性能を実現するためのポイントだ

シロッコもワイドリム化

ミドルハイトのリム高をもつアルミホイール「シロッコ」がワイドリム化された。手頃な価格帯のエアロホイールとして時流に合わせた進化を遂げている。重量は前後セットで1654g。