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お台場の砂浜を舞台に「シクロクロス東京2017」が開催!

青空とレインボーブリッジをバックにした「シクロクロス東京2017」。もはや代名詞となったお台場海浜公園の砂浜が、海外招待選手と日本選手たちの闘いを魅せる。シクロクロス独特の会場の雰囲気とともに、レースの模様をお届けしよう。
text:江里口恭平 photo:岩崎竜太
今年で6回目を迎える「シクロクロス東京2017」が2月11日(土)、12日(日)お台場海浜公園にて開催された。
まだまだ冷え込む東京の朝。しかしこれまでは大雪や悪天候の年もあったことに比べると、舞台となるお台場海浜公園の砂浜は絶好のコンディションとなった。
 
本レースの見どころは、もはや代名詞とも言える砂浜区間がコースの多くを占めること。舗装路のスタート・ゴール地点を抜けると、すぐ砂浜に突入。シケインを超えてからの林間エリアをクリアすると、再びの長い砂浜が姿を現す。
レインボーブリッジをバックにして砂浜区間を走っていく選手たちの姿は、非日常を味わうレースの観戦としては非常に魅力的だ。
そしてその砂区間を、バイクに乗車して進むのか、それとも押しながら駆けていくのか、コーナーのクリアの方法等を間近で観戦でき、選手たちのスキルやパワーを感じる事ができる。

シクロクロス特有の選手との距離の近さや、選手達のちょっとラフな雰囲気は、普段から自転車レースに馴染みが無い人でも楽しめる要素が盛りだくさん。会場では多くのメーカーブースや飲食ブースも多数出展し、レースの観戦のおともはビール!という人も多く見られた。
今回は快晴のレース日和ということもあって、来場者は両日あわせて、昨年を大きく上回る2万7000人(主催者発表)が詰めかけた。
 
土曜の朝イチにはスティーブ・シェネル選手がミニスクールを行った
サイスポチームがサンドスイッチエンデューロに参戦!ロード全日本チャンプの初山 翔選手が助っ人に加わった!
スポンサーレースでは、関係者や出展者が観客を沸かせた
11日(土)にはC4カテゴリーからC1カテゴリーまでのクラスが開催。
また、今年は「サンドスイッチエンデューロ」として、砂浜の200mにランの区間が設けられるというデュアスロン形式の新カテゴリーが設けられた。こちらにはサイスポチームが参戦、そのレポートは後ほどお伝えする。
 
快晴が続く12日(日)。午前中はキッズクラスや、チーム対抗で90分走り順位を争う「エンデューロ」が開催された。エンデューロでは男女混戦チームだけでなく、茄子やガングロギャル(?)など仮装姿でレース走り、盛り上げるチームも見られた。
 
ビールはシクロクロス観戦スタイルの必需品
エンデューロではコスプレでの参加者も会場を盛り上げる
青空とレインボーブリッジをバックに、参加者は砂に苦しめ(?)られた

CL1はルーシー・シェネル(クロスチーム バイG4)が優勝!

ルーシー・シェネル(クロスチーム バイG4/フランス)
日差しを増す太陽とともに、詰めかけた観客達の期待が高まるなか「CL1」カテゴリーが幕を開けた。40分間のラップ数を競う。
1周目から飛び出したのは今井美穂選手。他に差をつけて先行するも、砂浜区間のランで失速。後方より捕らえたのはルーシー・シェネル(クロスチーム バイG4)選手。波打ち際で砂が固まっている部分を乗車し、コーナーではプッシュを入れていくなど、隙のない走りでトップラップを刻んだ。

その後方では、サミエル・ルーネルズ(スキッドプロチーム)選手が軽々とした身のこなしでペース作っていったところを、スロースターターとして後半巻き返してきた唐見実世子(弱虫ペダルシクロクロスチーム)選手が追走。結果3位となり表彰台に上がった唐見選手は「スタートで出遅れてしまいましたが、砂の区間で何とか挽回することができました。どうしても取りたかったレースでした。」と喜びを語った。
 
サミエル・ルーネルズ(スキッドプロチーム/米国)
唐見実世子(弱虫ペダルシクロクロスチーム/日本)

CL1結果

1 ルーシー・シェネル(クロスチーム バイG4/フランス) 35分26秒
2 サミエル・ルーネルズ(スキッドプロチーム/米国)
3 唐見実世子(弱虫ペダルシクロクロスチーム/日本)
4 エミリー・カチョレク(アメリカ)
5武田和佳(リブ/日本)
6 ナオミ・ウィリアムズ(チームウィリールック/オーストラリア)
7 今井美穂(日本)
8 福本千佳(ライブガーデンビチステッレ/日本)
9 レベッカ・ルック(チームウィリールック/オーストラリア)
10 西山みゆき(東洋フレーム/日本)
 

海外招待選手と日本人選手との決戦、エリート男子

スティーブ・シェネル(クロスチーム バイG4/フランス)
そして2日間のクライマックスである「エリート男子」がスタート。
先行したのはCL1で優勝したルーシー選手の夫であるスティーブ・シェネル(クロスチーム バイG4)。それまでのカテゴリーで作られた深い砂の溝を全身の筋肉をパワーに繋げるかのようにして進んでいく。そのすぐ後につけるのは連覇を狙うジェレミー・パワーズ(アスパイヤレーシング)選手、竹之内悠(東洋フレーム)選手、オーストラリアチャンピオンのクリス・ジョンジェワード(フランダース-ネメシス)選手。
彼ら4人の第一パックが一列に固まり、竹之内選手がトップに出るシーンでは、詰めかけた観客の鳴らすカウベルが一斉に響いた。目立っていたのは前田公平選手(弱虫ペダルシクロクロスチーム)。第二パックから一人抜けだし、4位のジョンジュワード選手を追いつつ、毎回のフライオーバーではジャンプアクション決めるなど、ひときわ観客の声援に応えていた。
 
最終周にパワーズ選手に2位の座を奪われてしまったものの、竹之内選手は日本人最高位の3位と善戦。「これだけの声援を受けながら走るんだから、頑張っちゃいますよ」。
独走のまま2位に1分の差をつけ優勝したシェネル選手は「(シクロクロス東京の)コースは、難しいセクションが続くけど、体力があれば乗り切れると思った。来年?もちろん来るよ!」と語った。表彰台ではシェネル選手が空へと高らかにバイクを持ち上げ、シクロクロス東京2017は幕を閉じた。
 
竹之内悠(東洋フレーム/日本)
ジェレミー・パワーズ(アスパイヤレーシング/米国)
クリス・ジョンジェワード(フランダース-ネメシス/オーストラリア)
前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム/日本)

エリート男子結果

1 スティーブ・シェネル(クロスチーム バイG4/フランス)1時間3分51秒
2 ジェレミー・パワーズ(アスパイヤレーシング/米国)
3 竹之内悠(東洋フレーム/日本)
4 クリス・ジョンジェワード(フランダース-ネメシス/オーストラリア)
5 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム/日本)
6 ケリー・ワーナー(コナ エンデュランスチーム/米国)
7 アンソニー・クラーク(スキッドプロチーム/米国)
8 沢田時(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム/日本)
9 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム/日本)
10 丸山厚(ボーマ・ロンド/米国)
 

エリート男子3位・竹之内悠インタビュー

2月12日(日)、シクロクロス東京の最後を締めくくったエリート男子カテゴリーのレース。序盤にはトップで走り、中盤から終盤まではジェレミー・パワーズとの接戦を繰り広げ、見事3位に入った東洋フレームの竹之内悠に話を聞いた。(text&photo●滝沢 佳奈子)


CS:去年も参戦していますが、今年のコースはどうでしたか?

今日は今までで一番難しかったです。やっぱり毎年違うんですよ。

CS:どんなところが特に難しかったですか?

砂が乾いていて、埋まってくんですよね。後半の少し曲がるところが本当にラインが1本しかなくて、みんな乗れてたかどうか分からないですが、ライン外したら埋まるので。外しても踏んだら前には進めるんですけど難しかったです。あと、潮が満ちてきて、試走の段階ではすごい固いところがあったんですけど、そこの場所もなくなっちゃったんです。まだかろうじて残ってた幅も毎周ごとに潮が満ちてきて、重いの嫌だから水の中ずっと走ってたんですけど、あまりに水が深くなりだしたんで、もうダメだ!と思って。そうしたら、上の方に新しいラインが出来てたんで、みんなに「そっち走れ!」って言われてたんですけど、ラスト2周くらいかな。僕の後ろパワーズもいたけど、その後ろもオーストラリアの選手が10秒ごとの差くらいでいて、もうシェネルは見えないんで、どうしたらいいか分からなくてドタバタしてたらパワーズに追いつかれちゃって。パワーズも上手にそのままバーって前行っちゃったんです。

CS:シェネルが見えなくなったのはいつ頃だったんですか?

中盤くらいです。序盤、僕トップで走らせてもらってたんで。スタートして、試走のときと砂質が変わってたんで、女子が走ってたのもあるし、気温が高かったから乾いてきたんですよ。そしたらシェネルは砂が走れていなくて、多分焦ってたと思うんです。僕は後ろ走ってたんでどのラインがいいか選ぶ立場にいて、シェネルのラインをトレースしながら走ってたんです。でも彼らもワールドカップのトップ選手なんで、いくら僕が前で頑張ったって彼らも学習しますし、経験値もそりゃありますし、体のエンジンもテクニックも数段上なので、今だけ僕に花持たせてくれ!と思ってました(笑)。いつ来るかなと思ったら、追いついてバーン行ったんで、とりあえずシェネル、お前は行っとけー!あとは任せろ!みたいな(笑)。それは言わないですけど。
日本選手も去年は(小坂)光とかいて、一緒にやってたんですけど、やっぱり海外走って日本でまたパフォーマンスを求められるっていうのはすごいつらいのは良く分かるんですよ。僕も毎年10月、11月海外走って、帰ってきて野辺山走って、全日本で結果を出さなくちゃいけないっていうのを毎年させてもらってるんで。そこでどれだけ体への負担や、精神的なキツさがあるかも分かるんです。今日は俺が頑張んなくちゃなぁって。
この大会、一般の方がたくさん見に来てくださるじゃないですか。そこで日本人が前に誰もいなくて、外人だけでやってるレースって楽しくないですよね。なので、僕であれ、光であれ、(沢田)時であれ誰でもいいんですけど、日本人が前にいなくちゃいけないという使命感はありました。でもレース後、光と話したのが、「悠、お前大変だったね」って。「お前がおらんかったからやぞ!」って返しました(笑)。外人選手も一番強いような選手が来てたんで、トップは置いといてもパワーズと絡むレースが出来て良かったなと思います。

CS:デットヒートで見てる側としても面白かったです。

めっちゃしんどかったです(笑)。始まってから僕もオーバーペースで突っ込んでたんで、最後まで持たないの分かってたんですけど、持ちそうになったからまた頑張ったけどきつくて。でも良かったかなと思います。

CS:今ヨーロッパではどのように走っているのですか? ベルギーのチームに所属しているわけではないんですよね?

日本のチームですよ。東洋フレームです。ヨーロッパに、メカニックが住むところ、オーガナイザーとのコネクション、向こうのレース契約を持ってきてくれるエージェント、そういう仕組みは向こうで作ってるんです。シクロクロスって向こうのトップチームに入ったからこのメカニックが付いてくるっていう世界じゃないんですよ。全部持ち出してるんです。向こうのインフラは、2~3年毎年ずっと続けていて出来上がっているんで、そことの関係をより発展させて、それを若い選手に、他の選手に共有していかないと、日本のシクロクロス界が途切れちゃうんで。今日も見て分かっていただいたかと思うんですけど、持ってるものが違いすぎるじゃないですか。いくら僕が頑張ったって僕が死んだら終わりやんけ、っていう感じなんで。より継続していけるように。運良くか悪くか、今(全日本)チャンピオンじゃないんで、今動くにつきますし、いろいろ考えてます。シクロクロスがより強くなって、ロードやMTBにつながるならそれはそれでいいですし。東京オリンピックもありますしね。