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NIPPO・ヴィーニファンティーニ2017チームプレゼンテーション 新たなステージへ飛躍する

2015年にプロコンチネンタルへと昇格したNIPPO・ヴィーニファンティーニ。今年も1月7日にイタリア・ペスカーラ州キエーティの歴史あるテアトルでチームプレゼンテーションが行われた。
 
text:NIPPO Vini Fantini、Takehiro Nakajima photo:Takehiro Nakajima

若手の育成、そして2020年東京五輪へ

2015年からはプロコンチネンタル登録になりその年と、2016年はジロ・デ・イタリアへの出場も果たした。レースでの活躍はもちろんだが、それ以外にも選手の育成、ロードレースのイメージ向上と、近年の大型プロツアーチームとは違ったアプローチで活躍を続ける同チーム。

チームの目標として日本人選手や若いイタリア人選手の育成を行なっていくこと。チームとしてステップアップを図り、UCIアジアツアーでトップ3位、UCIヨーロッパツアーでトップ15位という具体的な内容が発表された。また、今年は新たな目標として2020年の東京五輪で活躍する選手の育成を、一般社団法人「JAPANプロサイクリング」と提携しながら行うと発表した。新たなスポンサーとして日本の愛三工業が名を連ねる。
 
所属選手も大きく変更になり、日本人は内間康平、中根英登、伊藤雅和、小林海が新メンバーに迎えられた。内間、中根はかつてコンチネンタル時代に同チームで走っていた経験がある。伊藤は鹿屋体育大学を卒業後愛三工業レーシングで6年間走り、今回が初の移籍、初の海外チーム所属となる。小林は2016年U23ロードレース、タイムトライアル全日本チャンピオン。スペインのアマチュアチームを経ての加入となる。

外国人選手も5人が加入。アラン・マランゴーニ(イタリア)、ジュリアン・アレドンド(コロンビア)、マルコ・カノラ(イタリア)、イヴァン・サンタロミータ(イタリア)、ニコラ・バジオーリ(イタリア)だ。

マランゴーニはリクイガス・キャノンデール、キャノンデール・ガーミン、キャノンデール・ドラパックなどワールドツアーチームで7年間走ってきたベテランアシスト。アレドンドは2013年にNIPPOに所属して、2014年からトレックファクトリーレーシングに移籍。ジロ・デ・イタリアでの区間優勝経験を持つコロンビア人クライマーだ。ベテランのダミアーノ・クネゴももちろん契約を継続している。日本人6人を含む総勢19人態勢で2017年シーズンを闘う。
 

株式会社NIPPO 岩田裕美社長のスピーチ

日本からはメインスポンサーである株式会社NIPPOの岩田裕美社長が出席し、プレゼンテーションの冒頭にイタリア語を交えながらスピーチを行い、選手やスタッフを激励した。
「NIPPO・ヴィーニファンティーニはプロコンチネンタルチームとして3年目を迎えました。昨年、一昨年は世界最高峰の大会であるジロ・デ・イタリアに出場し、昨年はクネゴ選手らチームの活躍が光りました。日本でもチームの知名度が飛躍的に高まりました。

長年、建設業に携わってきた私にとって、全く分野の異なるチームの活動は、見ること、聞くことがすべて新鮮であり、私のハートを揺さぶります。選手たちのレースにかける情熱と日々のひたむきな努力、監督、メカニック、トレーナーそして関係する方々の一丸となった体制、レースにおける耐久心、駆け引き等々、世界の舞台で勝負するチームの魅力を挙げたらきりがありません。そして何よりチームと関係者が明るいムードの中で一つにまとまっている様子は、自然とできあがったチームの特性であり、天から授かった贈り物と感謝しております。そのようなNIPPO・ヴィーニファンティーニが皆さまから愛され、感動を与えるチームとしてさらに成長することを期待しています。

我々建設業界の合い言葉は『安全第一』です。NIPPO・ヴィーニファンティーニの選手、監督、スタッフも『健康でケガなく』を第一に、チームワークを大切にし、勇敢にチャレンジをしてください。チームの皆さんが一丸となって躍進されますことを祈念しています」と語った。
 

・大門宏監督/マネージャーのコメント
「プロコンチネンタルチームの運営には多大な費用がかかり、1年目のチームプレゼンテーションのときには、2年目を迎えることができるのか不安を感じていたが、今年無事に3年目のチームプレゼンテーションを迎えられ、正直嬉しく思っている。気がつけば、チームのバジェットは毎年増え、プロコンチネンタルチームでも10億円を超えるバジェットをもつチームもあるため、潤沢な運営資金とは言えないが、それでも今年は3億5千万円を超える資金を確保できた。そして今年は選手19人、監督も5人体制となり、確実に昨年よりも多くの国のレースに参加できることを見込んでいる。

我々のチームは、一部のチームにあるような“いずれはワールドツアーチーム”という段階的なものではなく、たとえば『JAPANプロサイクリング』との提携など、より明確なビジョンをもって活動をし、その魅力を幅広く伝えられるように努力していきたい」と語る。

チームプレゼンテーションを終えて、選手たちは約1週間の第二次トレーニングキャンプに入った。当初、アブルッツォ州での実施を予定していたが、積雪のためにリグーリア州のラスペツィアへと急遽移動し、本格的な乗り込みを行う。
 

バイクは新型デローザ・プロトスを使用

機材サポートは引き続きデローザ。最新モデルのプロトスが供給される。その走りは選手たちからも好評だ。コンポーネントはカンパニョーロ。タイヤはIRC。ウエアはMSティナになった。

チームの初戦は、1月24日からのブエルタ・ア・サンフアン(アルゼンチン、UCIアメリカツアー2.1)で、日本人選手は窪木一茂が出場する予定。 

注目選手のインタビューは2月20日発売のサイクルスポーツ4月号に掲載予定。


問い合わせ先

NIPPO・ヴィーニファンティーニ
http://teamnippo.jp/