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茨城県に日本一の長さのサイクリングロードが完成!!

11月25日(金)、茨城県土浦市川口運動公園にて茨城県桜川市から潮来市をつなぐ「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の開通記念式典が行われた。開通された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、元々自転車道として設置されていた「つくばりんりんロード」と「霞ヶ浦湖岸道路」を結び、全長約180kmにも及ぶ日本最大の長さを誇るサイクリングロードとなった。美しい景色やおいしいものに出合え、ゆるポタライドにもガッツリライドにも対応できるコース取りの幅広さも魅力だ。式典の様子やサイクリングロードの一部をレポート!
 
text&photo:滝沢佳奈子

サイクリングロード沿線市の職員が式典会場までリレー走行

リレーをつないできた潮来市、行方市、石岡市、かすみがうら市の職員たちが霞ヶ浦をバックに記念撮影
リレーをつないできた潮来市、行方市、石岡市、かすみがうら市の職員たちが霞ヶ浦をバックに記念撮影
関東甲信各地で記録的に早い11月の初雪をもたらした空模様から一点、ここ最近では一番の晴天のなか、つくば霞ヶ関りんりんロード(桜川・潮来間)開通記念式典が行われた。式典の前には開通記念リレー走行として、沿線市の職員たちがたすきをつなぎながら式典会場を目指した。

記念式典会場は川口運動公園陸上競技場

典にて橋本昌茨城県知事が挨拶
典にて橋本昌茨城県知事が挨拶
続いて中川清土浦市長が挨拶をする
続いて中川清土浦市長が挨拶をする
川口運動公園陸上競技場に到着すると、記念式典が開始された。「地方活性化のためにも1.5km離れた2つの自転車道(つくばりんりんロードと霞ヶ浦湖岸道路)をどうにかつなげないだろうかと考えた」と話す橋本昌茨城県知事。「このコースが多くの人に愛されるように」と主催者挨拶を締めくくった。続いて、つくばりんりんロードと霞ヶ浦湖岸道路の結節点に当たる土浦市の中川清市長は、土浦市への歓迎の言葉とともに「コースは平坦で、子供から大人まで、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめると思っております。首都圏からのアクセスも大変良く、美しい風景を楽しむこともできますので全国各地・海外からも多くのサイクリストに訪れていただきたい。」と話した。

スペシャルゲストにリオパラ銀メダリスト藤田選手、サイクルライフナビゲーター絹代さん

スペシャルゲストとして茨城県在住のリオパラリンピックメダリスト藤田征樹さんも祝辞を述べた
スペシャルゲストとして茨城県在住のリオパラリンピックメダリスト藤田征樹さんも祝辞を述べた
サイクルライフナビゲーターの絹代さんもスペシャルゲストとして登壇した
サイクルライフナビゲーターの絹代さんもスペシャルゲストとして登壇した
その後、スペシャルゲストとして呼ばれた土浦市在住のリオパラリンピック銀メダリスト藤田征樹選手(日立建機)は、「自転車というのは競技だけでなくさまざまな人が楽しめるスポーツだと思います。私も普段から霞ヶ浦や筑波山などでサイクリングに親しんでおりますが、こういった道路が開通して整備されることでいろんな人がさらに楽しんでいける土壌が整っていくんではないかなと思います。茨城県は2019年に国体も控えています。そのなかで自転車のイベントも数々開かれていますし、私のような障害者も健常者と一緒になって楽しめるイベントも開かれているところです。いつまでも自転車を楽しんでいけるような取り組みを皆様とともに歩んで行けたらと思います。」と語った。

全国各地のイベントでおなじみ、サイクルライフナビゲーター絹代さんは、つくば霞ヶ浦りんりんロードについてこう力説した。「茨城県はアクセスに優れ、山も海もあってダイナミックなロングライドコースやヒルクライムコースもとれる、他と比べて一つ頭が抜きん出るような非常に恵まれた県だと思います。つくばにはアカデミックな財産もたくさんあり、他の土地を真似するのではない独自のアイディアやセンスのいい提案があるというのも、非常に期待できるところだと感じています。観光だけではなくルールや走り方を伝えていくこと、さらには見るだけでルールが分かるような路面標示をやっていくといった、本気度の高い取り組みを実施されていることが素晴らしいと感じています。日本一のサイクリング環境がここに整って、日本一の県になってくれたらと思います」。

式典は場所を移し、交通安全祈願やテープカットを行ったあと、橋本県知事を先頭に沿線の市長やゲストの2人とともに、用意されたジャイアントの自転車にまたがり、実際にサイクリングコースの一部区間を爽やかな笑顔で走行した。
 
知事や沿線関係7市町、スペシャルゲストの2人、県会議委員がテープカットを行った
知事や沿線関係7市町、スペシャルゲストの2人、県会議委員がテープカットを行った
橋本県知事を先頭に実際にサイクリングコースを走行
橋本県知事を先頭に実際にサイクリングコースを走行

独自の道路標示

左折まであと何mかの標示もある。しっかり安全確認をしながら走ろう
左折まであと何mかの標示もある。しっかり安全確認をしながら走ろう
横断歩道の手前には進行方向案内とともに注意を呼びかける標示も
横断歩道の手前には進行方向案内とともに注意を呼びかける標示も
中にはこんな注意書きも。日本語だけでなく英語、タイ語、韓国語の多言語形で記している
中にはこんな注意書きも。日本語だけでなく英語、タイ語、韓国語の多言語形で記している
つくば霞ヶ浦りんりんロードの特長の一つは路面標示の独自性だ。サイクリングロードに引かれる青いラインは行政が指定したものだが、矢印の上下に縁取られたオレンジ線はオリジナルだという。これをたどれば霞ヶ浦一周ができるとのこと。そのほかにも、右左折箇所や横断歩道、車の通る箇所、幅員が狭くなる箇所などの少し手前には路面標示があり、注意喚起を促すようになっていたりと楽しく安全に走るための趣向が凝らされたコースとなっている。せっかく長い距離を走れるコースができたんだからめいっぱい走り込みをしたい!という人もいるだろうが自転車道とはいえ公共の場所であることには変わりないので、視野を広くとって周りへの配慮ができるカッコいいサイクリストを目指したいところだ。

周辺には日本で2番目に大きい湖として有名な霞ヶ浦をはじめとする茨城県自慢の景色や、どの時期に行っても何かしらが旬な食スポットが満載だ。これからの季節はみかんやいちごが旬。レンタル自転車でスポットを巡りながら果物狩りを楽しめるプランなどもあるので、家族連れや女子のゆるポタライドにもうってつけだ。

いやいや自転車走らないでどうする!と考える人には、標高差が少ない平坦基調なサイクリングロードで距離を稼ぐのも良し、名峰・筑波山でヒルクライムをするも良し、それぞれの好みに合わせたサイクリングコースを作ることだって可能だ。また、雄大な景色を感じられるにも関わらず、トイレや補給場所もまんべんなく散りばめられており、安心して走ることができるのも魅力の一つだ。

東京都内から輪行もしやすい土浦駅にはサイクルステーションも設置され、関東のサイクリストの聖地としてますます普及していくであろうつくば霞ヶ浦りんりんロードに是非足を運んでみてほしい。