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振り返りジャパンカップ、あなたの観戦スタイルを教えて下さい!〜プロ観戦者への道〜

2016年10月23日(日)、宇都宮市森林周回コースを舞台に開催された「ジャパンカップ サイクルロードレース」。25回目を迎えた記念すべき本大会は、25歳のダビデ・ヴィッレッラ(キャノンデール・ドラパック)の独走勝利で幕を閉じた。そしてその瞬間を生で味わうために宇都宮に集まったのは、8万5000人(主催者発表)ものロードレースファンだ。今回編集部員が実際に本戦会場を取材していると、特に目を引く観戦スタイルの人が多く集っていた! ここでは、会場で一緒にレースを盛り上げてくれる「プロ観戦者」のみなさんを紹介しよう。
 
text:江里口恭平、photo:中島丈博

いつもチームを支える応援団!

土井ちゃん応援団!
土井ちゃん応援団!
地元、宇都宮ブリッツェンへの応援は毎年大きい。古賀志林道で特に大きな一団に遭遇
地元、宇都宮ブリッツェンへの応援は毎年大きい。古賀志林道で特に大きな一団に遭遇
同じく地元栃木のチーム、那須ブラーゼン応援団も古賀志林道脇に陣取る
同じく地元栃木のチーム、那須ブラーゼン応援団も古賀志林道脇に陣取る
ジャパンカップは国内最大のワンデーレース。ふだんから国内のプロツアーチームを支えている応援団にとっても最も盛り上がるレースでもある。
本戦コースの見せ場のひとつである古賀志林道では、多くの観戦者やチームの応援団がにぎわう。横断幕や特性の応援パネルなど、コース上はチームカラー一色に染まる、なんてシーンが多く見られる。ふだんは静寂に包まれた緑豊かな林道も、この時ばかりはプロトンが通り過ぎる度にバルーンやカウベル、そして歓声が響いていた。

海外チームももちろん大人気!

盛り上がるのは国内選手だけではない。近年特に数が増えたレースファンの女性たち。お目当ては、いつもなら画面の中でしか見ることができない海外チームの選手たちだ。多くの海外選手が来日して驚くことのひとつが「日本のファンはとても熱心!特に若い女性が多いね」ということ(例、本戦前日開催された「ジャパンカップクリテリウム」でのファビアン・カンチェッラーラ選手(トレック・セガフレード)のコメント)。
ジャパンカルチャーのコスプレよろしく、さまざまな衣装や小道具を用意した皆さんが、大会に一段と華を添えてくれる。長年レースファンを続ける人からも非常に好意的な意見が多く、SNSでも盛り上がっているので、今後もより数が増えるのかもしれない。
 

目立ってナンボ、ユニークな観戦スタイル

団体だけでなく、個人でユニークな応援をする人も多く見られた。「ボトルを投げて!」と、的を作り選手のからのボトルをゲットするなんて、他のスポーツではなかなか思いつかない、ロードレースらしい観戦スタイルだろう。
その他にも、今大会のライブ中継でも目立っていたカンチェッラーラ選手のかぶり物や、悪魔ちびっ子も。スタジアムスポーツでできない、自由な応援スタイルをそれぞれ楽しんでいたようだ。
 

レース観戦を仲間が集まるきっかけに。観戦はその日のイベントの”一部”

レースでは基本的に、限られた禁止区域以外では、どこでも自由に観戦することができる(もちろん周囲に迷惑をかけないことは当然だが)。そのスタイルも十人十色、いかに自由かはここまで見てきたらわかると思うが、今回の取材でひときわ個性を放っていたのがこちら。何やらひときわ楽しげな歓声が聞こえてくる。と、思ったらなんとコースサイドで本格的なパーティが開かれている! しかも中には見覚えのある人が……元プロロードレーサーで現在「レモネード・ベルマーレ」の選手兼監督を務める宮澤崇史さん。仲間たちと一緒に観戦パーティを開催中だった。

その内容もスペシャルで、料理は東京四谷に店を構えるイタリアン「osteria crocetta」から、ワインは「les copainドミニクブシェ銀座」のソムリエ宮城さんにサーブしてもらうという気合の入れよう。宮澤さんは「日本でもロードレースの本場イタリア、フランスのように、レースを楽しむという文化が根付いて欲しい。それは単にレースを見るだけではなくて、プロトンが通り過ぎる前後の時間、1日を気のおけない仲間たちと共有する。集まるきっかけがロードレースというわけです」と語った。
 
飲み終わったワインのボトルを地面に突き刺して”土に返す”。欧州ワイン農家が実際に行っているワインに対する敬意の表れ
飲み終わったワインのボトルを地面に突き刺して”土に返す”。欧州ワイン農家が実際に行っているワインに対する敬意の表れ
オードブルも本格派!
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「ォオオオオーッ」と声を上げてイタリア式で乾杯!
「ォオオオオーッ」と声を上げてイタリア式で乾杯!

25周年にふさわしい、過去最高の観客数

赤川ダム湖脇の観戦エリア
赤川ダム湖脇の観戦エリア
スタート直後の坂を上ったところにある補給ポイント
スタート直後の坂を上ったところにある補給ポイント
古賀志林道には多くの応援メッセージが
古賀志林道には多くの応援メッセージが
山岳賞ポイントは黒山の人だかり
山岳賞ポイントは黒山の人だかり
25年目を迎えるジャパンカップ。自転車レース自体の認知度が広がっていったことにより、今年2016年は過去最高の来場者を記録した。そして観戦する人がみな楽しんでいる様子を見ていると、まだまだこの熱は冷めるどころか盛り上がると期待させる。今年訪れることができなかった人も、来年は自分の好きな観戦スタイルでレースに「参加」してみてはいかがだろうか。