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ツール・ド・フランス 2017 コース発表

2017年のツール・ド・フランスはドイツのデュッセルドルフで開幕し、フランスの5つの山脈を全て訪れる。
タイムトライアルの総距離は短く、
頂上ゴールは3ステージしかないが、
より勾配のキツい峠がいくつも取り入れられ、
けっして簡単なコースではない

 
photo: Graham Watson

グランデパールはドイツのデュッセルドルフ

MAP : ASO
MAP : ASO
ツール・ド・フランス2017のコース発表会が10月18日にパリで開かれ、今年3度目の総合優勝を果たした英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)や、総合2位になった地元フランスのロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)らが出席した。

第104回大会は、7月1日(土)にドイツのデュッセルドルフで開幕する。初日は13kmの個人タイムトライアルが行われ、ドイツ出身のTT世界チャンピオン、トニー・マルティン(エティックス・クイックステップ)のマイヨ・ジョーヌ獲得に期待がかかっている。マルティンは来季、スイス登録になるカチューシャ・アルペシンへの移籍が決まっている。

2日目にはドイツを離れ、隣国ベルギー南部のリエージュにゴールする第2ステージが行われる。第3ステージはベルギーのフィリップ・ジルベール(BMCレーシング)が生まれた街ベルビエールからスタートし、アルデンヌ地方を南下してフランスに入り、ロンウィでゴールする。

ベルギーを走るこのステージは、リエージュ〜バスートニュ〜リエージュが通過するアルデンヌの丘陵地帯を走ったあと、最後はアップヒルでのゴールになっているため、パンチャー向きのステージになるだろう。
 
パリでコース発表を行ったASOの総合ディレクター、プリュドム
パリでコース発表を行ったASOの総合ディレクター、プリュドム

5つの山脈をめぐるレイアウト

最初の頂上ゴールになる第5ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
最初の頂上ゴールになる第5ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
クイーンステージになるかも知れない第9ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
クイーンステージになるかも知れない第9ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
第12ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
第12ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
来年のツールはフランス北西部のブルターニュ地方には訪れず、フランス全土をぐるりと一周するレイアウトにはなっていないが、1992年以来、25年ぶりで5つの山脈(ボージュ、ジュラ、ピレネー、中央山塊、アルプス)をすべてコースに盛り込んでいる。

最初の頂上ゴールは第5ステージに設定され、ボージュ山脈のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ(標高1035メートル)にゴールする。

ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユと言えば、フルームにとっては2012年のツールで区間初優勝を果たした思い出の地だ。2014年には、イタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が区間優勝してマイヨ・ジョーヌを着用し、そのままパリまで総合首位の座を守り続けた。

もう一つ、前半戦で注目しなければならないのは、最初の休養日の前日にシャンベリーでゴールするジュラ山脈の第9ステージだ。頂上ゴールではないが、標高1501メートルのグラン・コロンビエール峠と標高1504メートルのモン・デュ・シャ峠を含めた4カ所の峠があり、獲得標高は4600メートルにも及ぶ。

バルデはこのステージが来年のツールのクイーンステージ(最難関ステージ)になる可能性があると分析している。

最初の休養日でフランス南西部へと移動し、2週目はピレネー山脈のステージが競われる。2つ目の頂上ゴールは、標高1580メートルのペラギュード山にゴールする第12ステージだ。しかし、その翌日に行われる、たった100kmで峠を3つ越える第13ステージも要注意だ。
 
第13ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
第13ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
第17ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
第17ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
初めてイゾアールがゴールになる第18ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
初めてイゾアールがゴールになる第18ステージのコースプロフィール(MAP:ASO)
最終週はアルプスが舞台となり、最後の頂上ゴールになる第18ステージはイゾアール山にゴールする。これまでイゾアールはツールで何度も通過してきたが、ゴールになるのはこれが初めてと言うのは驚きだ。標高2360メートルの山頂でどんなドラマが生まれるのか、今から楽しみだ。

最終日の前日には、マルセイユで23kmの個人タイムトライアルが競われる。スタートとゴールに使用されるのは、今年オレンジ・ベロドロームに名称が変わった有名なフットボール・スタジアムだ。

来年はチームタイムトライアルがなく、タイムトライアルは初日の13kmと合わせて36kmのみ。最後は南仏のマルセイユからいっきにパリ郊外まで空路で移動し、7月23日にシャンゼリゼ大通りで閉幕する。

全21ステージ中、平坦ステージは9区間、丘の多いステージは5区間、山岳ステージは5区間で、頂上ゴールはそのうちの3区間のみ。来年のツールは山岳が厳しいわけでもなく、個人タイムトライアルが多いわけでもないが、より勾配のキツい峠をいくつも越えなければならず、どこで何が起こるかわからないコースだ。

さいたまクリテリウムで来日したフランスの英雄、ベルナール・イノー氏は、来年のツールについて「レースを作るのはコースではなく、選手だ」という、いかにもレースを自ら動かしてきたチャンピオンらしいコメントを残している。
 

第104回ツール・ド・フランス 全日程

7月1日  第1ステージ  デュッセルドルフ(ドイツ)~デュッセルドルフ(ドイツ) 13km(個人TT)
7月2日  第2ステージ  デュッセルドルフ(ドイツ)~リエージュ(ベルギー) 202km
7月3日  第3ステージ  ベルビエール(ベルギー)~ロンウィ 202km
7月4日  第4ステージ  モンドルフ・レ・バン(ルクセンブルク)~ビッテル 203km
7月5日  第5ステージ  ビッテル~ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ ▲▲△ 160km
7月6日  第6ステージ  ブズール~トロワ 216km
7月7日  第7ステージ  ニュイ・サン・ジョルジュ~トロワ 214km
7月8日  第8ステージ  ドル~スタシオン・デ・ルス ▲▲ 187km
7月9日  第9ステージ  ナンチュア~シャンベリー ▲▲▲ 181km
7月10日   休養日
7月11日  第10ステージ  ペリグー~ベルジュラック 178km
7月12日  第11ステージ  エメ~ポー 202km
7月13日  第12ステージ  ポー~ペラギュード ▲▲△ 214km
7月14日  第13ステージ  サン・ジロン~フォワ ▲▲ 100km
7月15日  第14ステージ  ブラニャック~ロデズ 181km
7月16日  第15ステージ  レザック・セベラック・レグリーズ~ル・ピュイ・アン・ブレ ▲▲ 189km
7月17日   休養日
7月18日  第16ステージ  ル・ピュイ・アン・ブレ~ロマン・シュル・イゼール 165km
7月19日  第17ステージ  ラ・ミュール~セール・シュバリエ ▲▲ 183km
7月20日  第18ステージ  ブリアンソン~イゾアール ▲▲△ 178km
7月21日  第19ステージ  アンブラン~サロン・ド・プロバンス 220km
7月22日  第20ステージ  マルセイユ~マルセイユ 23km(個人TT)
7月23日  第21ステージ  モンジュロン~パリ・シャンゼリゼ 105km
(総距離:3516km)
 

コース発表会に出席した選手たちのコメント


■クリストファー・フルーム(英国/チームスカイ/31歳)
「僕はこの瞬間が本当に好きだ。ツールの期間中に何が起こったのかを、ちょっと後から振り返って考えることができる。そしてまた、次のシーズンに目を向ける機会でもある。コース発表を見るのは、とてつもない量のモチベーションも与えてくれる。

プログラムにプランシュ・デ・ベルフィーユが入っていたのはうれしい驚きだ。あれは僕が感謝している上り坂だからね。最高のゴールの1つはイゾアール山になるだろう。それは世界クラスの上り坂で、とりわけこのレースのこの瞬間では、確実に決定的なステージになるだろう。

イゾアールは一度も上ったことがないが、そこで発見することにとても好奇心を抱いている。下見で走って学ぶために時間を取る必要があるだろう。全体としては頂上ゴールが3回あるが、このツールがそれらのステージで決まるかどうかは確かではない」


■ロマン・バルデ(フランス/AG2R・ラモンディアル/25歳)
「2017年のコースには目新しいものがたくさんある。個人的には、単純に知らないいくつかの上りがあるので、綿密に勉強しなければならないだろう。でも、プログラムに5つの山脈があるのは興味深い。

シャンベリーのステージ(第9ステージ)は非常に重要になる可能性がある。それはこのツールでクイーンステージになるだろう。モン・デュ・シャ峠とグラン・コロンビエール峠の連なりでは、集団の中でタフでいなければならない。

それからピレネーで100kmのステージ(第13ステージ)があり、それは決定的な区間に変わる可能性がある。より短いステージというものは、時に選手たちがより苛立ちを覚えるもので、にもかかわらず彼らはパンチャーの活躍を許したりもするものだ」


■リッチー・ポート(オーストラリア/BMCレーシング/31歳)
「頂上ゴールはたくさんないことがわかったが、それでもまだ全く難しいと思われる。例えばプランシュ・デ・ベルフィーユの上りは早い段階で登場するし、それはとてもハードだろう。それからピレネーでの短いステージではたくさんの動きがあるだろうし、高速で非常に難しい。

自分に可能かどうかはわからないが、僕はパリを目指すつもりだ。それは僕がずっと夢見てきたステージで、ツール・ド・フランスをTVで見るために、オーストラリアで朝の2時に起きていた頃からの夢なんだ」
 
 



Le parcours en 3D / The route in 3D - Tour de... 投稿者 tourdefrance


Cérémonie de présentation du Tour de France 2017 投稿者 tourdefrance

 
[ツール・ド・フランス2016 個人総合最終成績]

1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)89時間06分01秒
2 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+2分52秒
3 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分08秒
4 アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+3分29秒
5 リッチー・ポート(BMC/オーストラリア)+4分04秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+5分03秒
7 ルイ・メインティス(ランプレ・メリダ/南アフリカ)+5分45秒
8 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)+5分51秒
9 ロマン・クロイツィーゲル(ティンコフ/チェコ)+5分58秒
10 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+6分18秒


[過去10年の優勝者]
2016 クリストファー・フルーム(英国)
2015 クリストファー・フルーム(英国)
2014 ビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)
2013 クリストファー・フルーム(英国)
2012 ブラッドリー・ウィギンス(英国)
2011 カデル・エヴァンス(オーストラリア)
2010 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)*繰り上げ優勝
2009 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2008 カルロス・サストレ(スペイン)
2007 アルベルト・コンタドール(スペイン)

(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)

ツール・ド・フランス 2017