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トレック・ドマーネ SL 6 アサノ試乗します!その4

2017年モデルでフルモデルチェンジを果たしたドマーネ。SLRに次ぐグレードに位置づけられるのがSLシリーズだ。上位モデルに当たるSLRシリーズとは何が違うのか? 前回インプレしたSLR7やSLR6ディスクにコンポーネントの構成が近いSL6を試乗し、違いを確かめた。
 
text:浅野真則 photo:岩崎竜太

フロントIsoスピード搭載したお値打ちモデル

ニュードマーネSLシリーズは、ハイエンドのSLRシリーズ同様にフロントIsoスピードを搭載した上位モデル。リアIsoスピードは、ピボットの位置が旧モデルから変わった第2世代のものだが、SLRにあった調整機構が省略されているのが特徴。これにシートマストを組み合わせ、Isoスピードによるシートチューブのしなりを快適性向上に生かすのはSLRシリーズと同様だ。SLシリーズの中級グレードに当たるSL6は、OCLV500シリーズカーボンフレームにメインコンポーネントとしてシマノ・アルテグラを組み合わせたキャリパーブレーキモデル。価格も41万円(税抜)と、SLR6比で18万円安く、パッケージングを考えるとお値打ち感がある。

新ドマーネの上位モデルのトピックのひとつが、フロントにもIsoスピードを搭載し、フロントまわりの振動吸収性が大きく高まったこと。この機能を搭載するのが、ドマーネのフラッグシップSLRシリーズとセカンドグレードのSLシリーズだ。言い換えれば、SLシリーズは、フロントIsoスピードを搭載するお値打ちモデルということになる。
 
そうすると、気になるのはSLRとSLグレードの違いだ。SLRもSLも、上位モデルはアルテグラDi2やアルテグラ搭載モデルをラインナップしているので、一見すると違いが分かりにくい。だが、つぶさに観察するとパーツアッセンブルにいくつかの違いがあることが分かる。中でも注目すべき相違点は2つある。
 
ひとつはフレーム素材がSLRがOCLV600グレードだったのに対し、SLではOCLV500グレードになっていることだ。フレーム素材を変更することで、いくらか重量増にはなるがコストパフォーマンスを高めているのだ。実際に同じグレードのメインコンポーネントを搭載するSLRとSLの完成車価格を比較すると、キャリパーブレーキ仕様では17万円〜18万円の違いがある。
 
もうひとつが、SLグレードではリアIsoスピードにアジャスターが付いていないことだ。SLRもSLもピボットの形状を見ると旧モデルとは違う第2世代のリアIsoスピードであることが分かる。しかし、SLRはアジャスター付き、SLはアジャスターがない。つまり、SLでは乗り味までは調整できないと言うことだ。これらの違いを予備知識として、メインコンポーネントにアルテグラを搭載するSLR6とSL6の乗り比べを行った。
 

グランフォンドやロングライドで本領を発揮するのでは

SL6のフロントまわりの快適性は、SLR6と同じぐらい高い。荒れた路面にさしかかったときに、これまでのバイクとで感じていたような角のある荒々しいショックがいくらか和らぐのだ。どちらもフロントIsoスピードを採用しており、ハンドルバーはIsoコア採用ではないものの、アッパー部からブラケット部にかけて振動を緩和するIsoゾーンパッドを採用したハンドルバーを搭載しているからだろう。

リアのIsoスピードは、アジャスターがなくなったことでSLRのようなカッチリ感を際立たせた乗り味や、より快適性重視の乗り味に調整することはできない。SLの乗り味は、おおむねSLRのアジャスターを中央に合わせたとき、すなわち最もニュートラルな状態とほぼ同じような感じだ。これこそドマーネらしい乗り味であると思うし、多くの人はアジャスターがなくても不満を感じることはないだろう。
 
フレーム素材がOCLV500グレードカーボンになったことは、快適性や剛性などにはさほど影響を与えているようには思えない。しかし、重量がやはり少し重くなっているようで、上りの軽快な走りはSLRに一歩及ばないと感じる部分もあった。加速の乗りでもSLRには及ばない。ただ、多少の軽快さとは引き替えに安定感はさらに増しており、特に下りやコーナーで、狙ったラインをトレースしやすかったり、多少荒れた路面でもバイクを安定して制御できるのは好印象だ。
 
ドマーネのバイクとしてのキャラクターを考えたときに、レースでバリバリ使うという人はそれほど多くなく、本領を発揮するのはグランフォンドやロングライドなのではないか。それならば、多少軽快さという面では劣ろうとも、アジャスターで乗り味が変えられなくとも、ドマーネの新世代のIsoスピードの恩恵を受けて快適に走りたいと考える人も多いのではないか。そうやって考えると、ドマーネSLの存在は、「安価にいいバイクに乗りたい」と願う人には俄然魅力的な選択肢として映るはずだ。
 
ハンドルバーはSLRシリーズとは異なり、レースライトRLを搭載。アッパー部からブラケット部にかけて振動を20%緩和するIsoゾーンパッドを採用し、快適性を高める
ヘッドチューブ内にフロントIsoスピードを搭載。フォークコラムをヘッドチューブの上ワン付近のリング状の部分に通すことで、フロントまわりの衝撃を大幅に緩和する
リアIsoスピードは新マドン用にピボットの位置を変更した第2世代だが、SLRにあるアジャスターはない。シートチューブ後ろ側にフェンダーを取り付けるためのボルトがある
フレーム素材はOCLV500カーボン。トレックが誇る最高のカーボンフレーム製造のテクノロジーを受け継ぎながら、素材を吟味して高いコストパフォーマンスを実現している
新世代のリアIsoスピードとシートマストが組み合わされる。通常のシートポストに比べてシートチューブのしなりを最大限に生かせる、マドンの快適性を司る重要なポイントだ
キャリパーブレーキはダイレクトマウント方式に対応。SL6に搭載されるのは、ボントレガーオリジナルのスピードストップキャリパー。タイヤ幅は最大28Cまで対応する

トレック・ドマーネ SL6


シマノ・アルテグラ完成車価格/41万円(税抜)
●フレーム/カーボン ●フォーク/カーボン ●コンポーネント/シマノ・アルテグラ ●ホイール/ボントレガー・レース ●タイヤ/ボントレガー・R2 700×28C ●ハンドル/ボントレガー・レースライト アイソゾーン ●ステム/ボントレガー・プロ ●サドル/ボントレガー・アフィニティ コンプ ●サイズ/50、52、54、56、58、60、62
 
■浅野真則
実業団エリートクラスで走る自転車ライター。ロードレース、エンデューロ、ヒルクライムなど幅広くレースを楽しみ、海外のグランフォンドにも参加経験がある。愛車はスコット・アディクトとキャノンデール・キャード10。ハンドル位置が低めのレーシングバイクが好き。

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トレックジャパン
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