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超級山岳グランフォンド、ラ・カンピオニッシモに挑戦!

プロ選手には一切スポンサードしないアソスが、メインスポンサーを務めるグランフォンドイベントがこの「ラ・カンピオニッシモ」。ジロ・デ・イタリアも通過する峠を巡る、リアルサイクリストならずとも脚がムズムズするような超級山岳イベントが6月26日に開催された。
 
texte&photo:中島丈博

とことん山岳を味わい尽くす!

グランフォンドと聞いてどんなイベントをイメージするだろうか。日本でグランフォンドと名の付くロングライドイベントは、峠をいくつも越えていくルートかが組まれた「上りの厳しいロングライド」という感覚があるように思う。それが欧州に来るとどうなるかというと、完全に市民ロードレースとなる。もちろん、コースに厳しい上りが用意されているのは言うまでもない。警察の協力により、プロレースと同様に、コースは一般車両の通行が規制されているという本格仕様だ。その他に代え難い経験は一度で病みつきになる楽しさ。

今回参加したラ・カンピオニッシモというレースは、イタリアで開催されるグランフォンドの1つ。ミラノの北東約170kmに位置するアプリーカという山間の小さな町を約1200人がスタートし、 ジロ・デ・イタリアでもたびたび登場する名峠「ガヴィア(2652m)」と「モルティローロ(1852m)」をクリアする155km、獲得標高3600mのコースだ。これが〝ミドルコース〞。さらにサンタ・クリスティーナ峠を追加した175km、獲得標高4500mがロングコースだ。どれだけ上らせるというのか......。

ところが今年は少し問題が。ガヴィア峠で崖崩れの恐れがあり、安全が確保できないのでキャンセル。代わりにモルティローロを2回上るという、それはそれで過酷な内容に変更になった。距離もミドルコースで100km。日本からは自分以外にも、アソスフプロショップトーキョーが企画した参戦ツアーを利用して人が、それぞれ希望のコースにエントリーした。
 
レース全体はもちろん、上り区間のみのタイムアタックも行われた
レース全体はもちろん、上り区間のみのタイムアタックも行われた
エイドステーションでは、エナジーサプリばかりでは味気ないとばかりに、生ハムとチーズも!
エイドステーションでは、エナジーサプリばかりでは味気ないとばかりに、生ハムとチーズも!
2回目のモルティローロ峠途中にあるパンターニのモニュメント
2回目のモルティローロ峠途中にあるパンターニのモニュメント
午前7時分から、各カテゴリーが順次スタート。ほとんどがイタリアからの参加者だが、他にもスペイン、英国、ドイツ、ベルギー、スイス、カナダ、ブラジルと、さまざまな国からの参加者が参戦。 エドロというモルティローロ峠入り口の街まで大集団で下っていく。バイクでコントロールされた500人近い集団が一気に峠道を下っていくのは圧巻。道幅が変化するので、そのたびに周囲のライダーとスペースをうまくやりくりしながら進む。

エドロの街まで下りきったら、そのままの勢いでモ ルティローロ峠へ突入!日本の ロングライドだったら、最初の街にエイドステーションがありそうなものだが、もちろんない。あっという間に集団は長ーく伸びてつづら折りに消えていく。行けるところまで粘ろう!と思うものの、約17kmの上りだ。勢いでどうにかなるわけもなく、イーブンペースを心がけて進む。天気予報は晴れのち雨。だが、標高差があるコースなので、いつ雨が来てもいいように心の準備だけはしながら、峠の頂上へ。

ここで最初のエイドステーション。フルーツやエナジードリンクにまじって生ハム、チーズがあるあたりがさすがイタリアのイベントだ。永遠に続くかのようなつらい上りも、ダウンヒルはあっという間。グロージオという山の反対側の街へ。そこから川沿いの緩やかな下りを経て、マッツォ・デイヴァル ルテッリーナという街から、今日2回目のモルティローロアタックにかかる。2つめのエイドステーションがあったので、気合いとエネルギーを注入。

今度は12kmと距離は短いものの、到達する標高は同じ。ということは平均勾配がキツイといえる。数々の名勝負が繰り広げられたことで有名なモルティローロ峠はこちら側からのルートだ。入り口こそ勾配は8%だが、中盤になると基本は10%以上、最大勾配18%……。6km地点にエイドステーションが 用意されており、このコース最大の難所だ。上りきったときには背筋が痛くてしょうがなかった。気分的には「後は下るだけ!」という感じなのだが、まだフィニッシュまでは30kmほどある、しかも持ちこたえていた空がついにぐずりだして、本格的な雨に......。アソスのレインジャケット「ストームプリンツエボ」を着込んで雨のダウンヒルへ突入。下りきって、もうすぐフィニッシュというあたりになって、頑張りを称えてくれるかのように晴れ間が戻ってきた。タイム6時間12分35秒、総合430位、カテゴリー47位であった。2017年も6月25日に開催予定だ。
 
そのモルティローロ峠。告白します......3回脚をつきました
そのモルティローロ峠。告白します......3回脚をつきました
雨の下りもまた楽しい
雨の下りもまた楽しい
日本からの参加者全員が無事にフィニッシュ! 達成感に満ちた顔で記念撮影
日本からの参加者全員が無事にフィニッシュ! 達成感に満ちた顔で記念撮影

日本人参加者からクラス入賞者が!

アソスプロショップトーキョーのツアーで、ミドルコースに参加した三代幸子さんがカテゴリー4位入賞を果たし、記念の盾を授与された! ツアー全体にとってうれしいサプライズだった。三代さんは国内のヒルクライムレースでも表彰台に上る実力の持ち主で、普段のトレーニングは「短時間、高強度」で集中して行っているという。