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ロット・ソウダルの成功を支える3つのトップブランド

ロット・ソウダルのバイク・サプライヤーであるベルギーのリドレー社は、毎年国内のビッグレース開催に合わせて世界各国のプレスを招待する『クロスオーバー・イベント』を主催している。そのイベントで紹介されるのはリドレーだけでなく、さまざまな国から集まった自転車関係のトップブランドだ。今回はその中から、ロット・ソウダルも使用している3つのブランドを紹介しよう。

ロット・ソウダルが使用するイタリアンシューズブランド『ガエルネ』

 
ガエルネはエルネスト・ガッゾラが、北イタリアのトレヴィーゾにあるコステ・ディ・マゼールで、1962年に設立したスポーツ・フットウエアー・メーカーだ。社名のガエルネ(GAERNE)は、エルネスト・ガッゾラ(Ernesto Gazzola)の、名字の頭のガ(GA)と、エルネストのエルネ(ERNE)を合体させたものだ。

設立当初は登山用シューズを製造していたが、会社が成長するとともに事業を拡大し、1970年台にモータースポーツ用ブーツの製造を始め、1980年台中盤から自転車競技にも参入するようになった。

専門的な職人たちの技術と50年を超える伝統、素材の厳選、妥協しない品質の追求、技術革新、新しいデザイン、そして独自の解決策。それがブランド哲学である。それはガエルネの歴史が持っているイタリアン・スタイルの世界的な成功と、継続的な推進力と技術革新に基いている。

ガエルネでは現在サイクリングシューズを年間79000足、モータースポーツ用ブーツを116.000足製造し、66ヶ国に輸出している。

これまでにガエルネが勝利に導いたチャンピオンは数知れない。1990年台には地元のクラウディオ・キャプーチやマルコ・パンターニが使用。ラトビアのロマンス・バインスタイン(2000年)やオーストラリアのカデル・エヴァンス(2009年)はガエルネのシューズでロードレースの世界チャンピオンになった。

今シーズンはベルギーのロット・ソウダル、イタリアのバルディアーニ・CSF、スイスのロス・シュコダとスポンサー契約していた。
 
 
ロット・ソウダルが今シーズン使用していたのは、BOA IP-1クロージャー・システムが採用された快適で280グラムと軽量の『G.STILO』。シューズ上部には優れた通気性をもたらすために、レーザーで通気孔を開けたマイクロファイバーが使われている。

フルカーボン・ソール『EPSライト・ウエイト・フルカーボン・ソール』は軽量で硬く、非常に薄いため、足の裏が最短でペダルに置かれることを可能にしている。そのためエネルギーが失われることなくペダリングができ、最大のパワーを生み出すことができる。

今シーズン、ロット・ソウダルはガエルネのシューズを履いて数々の勝利を上げている。グランツールのジロ・デ・イタリアでは、ドイツのアンドレ・グライペルが区間3勝、ベルギーのティム・ワロンスが区間1勝。ツール・ド・フランスでは、トーマス・ドヘントがモン・バントゥ区間(ゴールはシャレ・レナール)で逃げ切り優勝し、グライペルがシャンゼリゼ区間を制した。
 
ジロ・デ・イタリアの中級山岳区間で優勝したワロンス
ジロ・デ・イタリアの中級山岳区間で優勝したワロンス

(http://www.gaerne.com/cycling/en/home/)

デンマーク生まれのハイエンド・サイクリンググローブ『グリップグラブ』


グリップグラブ(GripGrab)はデンマーク生まれのサイクリングとランニングのハイエンド・アクセサリー・ブランドで、2000年にクレーヤー3兄弟が立ち上げた。

創立当初はサイクリング用のグローブだけだったが、次第に新しいカテゴリーを増やし、現在はソックス、シューズカバー、ヘッドウエアー、防寒アイテムも出している。この5つのカテゴリーで、少なくとも100種類のモデルがあるが、そのブランド理念は常にコンフォート&クオリティだ。
 
創業者の1人であるビヨルン・クレーヤー氏は元ランナーだ                 
創業者の1人であるビヨルン・クレーヤー氏は元ランナーだ                 
デンマークの首都コペンハーゲンに本拠地を構え、ローカル・アスリートをサポートし続けているのもグリップグラブが持ち続ける信念の1つだ。

グリップグラブが「ローカルヒーロー」と称えてサポートしているサイクリストとランナーは500人もいる。そして創業者の1人であるビヨルン・クレーヤー氏も元ランナーだ。

主要マーケットは北欧、オランダ、ベルギーで、ロット・ソウダルは2014年からグリップグラブとスポンサー契約を結び、有力ブランドがしのぎを削るベルギーでのシェア拡大に一役買っている。
 
 
ロット・ソウダルも使用するグリップグラブのハイエンド・サイクリンググローブの最大の特徴は、手のひらの部分に挿入されている『ドクターゲル(DoctorGel)システム』という衝撃を吸収するゲルパッドだ。

アスリートとドクターが共同開発した『ドクターゲル(DoctorGel)システム』を用いたグリップグラブのグローブは、神経への圧迫を軽減するようにデザインされていて、サイクリストに快適なライドをもたらしてくれる。

グリップグラブは、デザインよりもクオリティを重視するプロダクト哲学を貫いている。そして、そのクオリティはコンシューマーの声によって作られている。それは非常にシンプルだが、すべてのカテゴリーにとって重要なルールになっている。

1つのモデルは3年サイクルでリニューアルされ、例えば現在販売されている『イージーライダー』というサイクリンググローブは第4世代で、2014年に発表されたモデルだが、第5世代にリニューアルされるのは2017年になる。3年間で蓄積されたコンシューマーの声が、次の世代を改良していくわけだ。

ロット・ソウダルの選手たちもまた、グリップグラブのクオリティ向上に貢献している。今年の春に発表されたモデルは、アンドレ・グライペルが昨年のエネコ・ツアーでプロトタイプを使用していたものだった。
 

(http://www.gripgrab.com)
photo : GripGrab
photo : GripGrab
photo : GripGrab
photo : GripGrab

ニュージーランド生まれのホームトレーナー『リボックス』

リボックスを使用するグライペル(photo : Revbox)         
リボックスを使用するグライペル(photo : Revbox)         
 
ロット・ソウダルの選手たちが今シーズンから屋内トレーニングで使用しているホームトレーナーは、ニュージランド生まれのユニークな『Revbox(リボックス)』だ。

リボックスは抵抗を作り出すために、磁気や流体の代わりにエアブレーキを使用し、非常に低い慣性で最も効果的なベダルストロークを生みだすことができ、プロアスリートにも趣味のサイクリストにも適している。

空気抵抗だけで必要な張力を発生させるリボックスのシステムは、ボート漕ぎ用の室内トレーニングマシーンではすでに10年以上前から使用されていて、強度と耐久性のためのトレーニングに有効なことは世界中で認知されている。

長年にわたる開発と最適化により、リボックスはコンパクトな上に8.9kgと軽量で持ち運びもしやすく、ロット・ソウダルの選手だけでなく、多くのアスリートたちが年間トレーニング・プログラムの中で使用している。

リボックスはアスリートの個々のトレーニングのニーズに合わせて調整することも可能で、レース前のウォームアップ、低いケイデンスと高いワット数のトレーニング、スプリントもしくは耐久力のトレーニングなど、あらゆるタイプのトレーニングに適している。さらに事故の後のリハビリにも有効だ。

ロット・ソウダルはリボックスと5年間のパートナー契約を結んでいる。それがいかにすぐれたトレーニング装置であるかの、最高の証明になるだろう。

(http://www.revbox.co.nz)
 
photo : Revbox
photo : Revbox

special thanks : Ridley Bikes




■”We are Belgium" RIDLEY本社訪問レポート(2012年) → 
http://www.cyclesports.jp/articles/detail/28791

■トッププロチームの舞台裏を初公開! ロット・ベリソルのサービスコース(2013年) → 
http://www.cyclesports.jp/articles/detail/28669

■ウィンドトンネルを完備したフランダース・バイクバレーの拠点がリドレー本社敷地内にオープン(2016年) → 
http://www.cyclesports.jp/articles/detail/62354