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ジロのすみっこから、僭越(せんえつ)ながらお届けします その1

現在開催中、今年最初のグランツールであるジロ・デ・イタリア。レースが北イタリアに差し掛かるタイミングで運よくイタリアに行く仕事があった中島が、これまた運よくニッポ・ヴィーニファンティーニチームにくっついてジロ第13ステージ~第16ステージまでを回れるチャンスをゲット。そんな日々をお届けする。
 
text:中島丈博

ドバイ経由でイタリアへ

6月19日、成田国際空港22時発のエミレーツ航空を利用して、ドバイ経由イタリアへ。夜遅くに出発するということで、出発日の日中も仕事などで有効活用してから出国できる。ヨーロッパに行くのになぜドバイ経由?と思うかもしれないが、所要時間が長いものの、1回のフライト時間がヨーロッパ直行便よりも短くて済むという魅力がある。機内で見られる映画の種類が多いのもいい。
 
クルマにはジロ関係車両を示すステッカーが貼られてる。これがないとレー  ス中コースを走ることができない
クルマにはジロ関係車両を示すステッカーが貼られてる。これがないとレー ス中コースを走ることができない
いきなり話が脱線したが、定刻通り6月20日の13時35分にイタリアはヴェネツィア、マルコ・ポーロ国際空港に到着。空港でニッポ・ヴィーニファンティーニの大門宏監督と合流し第13ステージのフィニッシュ地点チビダーレ・デル・フリウリを目指す。なんでレース中にコースに関係ないトコロで”監督”と合流できるのか。チームには複数人の監督がおり、ジロに出動中なのはステファノ・ジュリアーニ、マリオ・マンゾーニという2人のイタリア人監督というわけ。

 

花金にジロが来る!


イタリアに”花金”という言葉が存在するかはわからないですが、チビダーレ・デル・フリウリの人たちにとってはそういうこと。ロータリーの真ん中にはでっかいオブジェが飾られて、歓迎ムードを盛り上げている。同じグランツールであるツール・ド・フランスのフィニッシュ地点よりもまったりしているといった印象だ。

パブリックビューでヴィンチェンツォ・ニバリのアタックが映し出されたときはすごい盛り上がりだった。人気の高さをうかがい知ることができる。

 

クネゴの山岳賞ジャージでチームは集中、いい雰囲気


ニッポ・ヴィーニファンティーニはダミアーノ・クネゴ(イタリア)が山岳賞ジャージをキープしたままクイーンステージに突入するということで、雰囲気も良く、やる気も十分だ。

チーム全員がフィニッシュしてからは、バスで小1時間ほど走って今日の宿に。車中では炭水化物を補給ということで、ゆでたポテトにオリーブオイルをかけたもの、小さな缶のコーラ、クッキー、サプリメントを談笑しながら食べていた。

気になる日本人選手山本元喜はこの日もグルペットでフィニッシュ。「疲れている?」という問いに、「そうでもないです」という答え。

「と にかく完走しなければいけない。平坦ステージなど自分が仕事をできるステージもあるけれど、ハードな山岳ステージではそれもかなわない。とはいえ、グル ペットも最初にできるグルペットにすぐに入ってしまうのではなく、余裕をもって合流。いっぱいいっぱいでは周りで何が起きているのかわからないまま、レー スを終えてしまう。そうならないように気をつけています。

第14ステージが超級山岳、第15ステージが山岳TTと気を抜けば脚きりにタイムに引っかかってしまうので、気を抜かないようにします。そして休息日あけの第16ステージと、19、20ステージも注意しなければならないですね。」。と集中した様子だった。

 
スプリンター、グレガ・ボーレの家族がバスで待っていた。束の間の再会。レーサーから父親の顔に。本当にうれしそうだった
スプリンター、グレガ・ボーレの家族がバスで待っていた。束の間の再会。レーサーから父親の顔に。本当にうれしそうだった
フィニッシュ地点に先行しているスタッフは、チームバスの中で中継を見ながら過ごしていた
フィニッシュ地点に先行しているスタッフは、チームバスの中で中継を見ながら過ごしていた