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【10万円台で乗れるロードバイク】キャノンデール・キャード8 ティアグラ



レーシングバイクとしての血筋の良さを感じさせる軽快な走りはそのままに、万人に乗りやすい味付けに仕立てられているキャノンデール・キャード8。本物志向のロードバイクに乗りたい人にオススメだ。

 
text●浅野真則 photo●永田まさお

ビギナーに優しいアルミフレームロードの代名詞

古くからの自転車愛好家にとっては、キャノンデールといえばアルミフレームのイメージが強いのではないか。その企業イメージを大事にしているのか、キャノンデールはカーボンフレーム全盛の今でもアルミフレームの開発に本腰を入れている。  

薄いアルミ素材を大口径のチューブにすることで軽さと剛性を両立したアルミフレームのキャードシリーズは、代を重ねるごとに進化を遂げ、2016年モデルではついにキャード12へと進化した。 さらにかつてのハイエンドアルミフレームだったキャード8はエントリーモデルとしてリファインされ、今もラインナップされている。 

〝カーボンキラー〞との異名を持つほどに研ぎ澄まされた戦闘力を持つピュアレーシングロードとの位置づけがなされるキャード12に対し、キャード8はレーシングバイクとしての血筋の良さを感じさせる軽快な走りはそのままに、万人に乗りやすい味付けに仕立てられているのが特徴だ。  

その秘密はジオメトリーにある。 キャード8は上位モデルと比べてヘッドチューブが 15mm長くなっており、アップライトなポジションが取りやすい。ハンドル位置が高くてもコラムスペーサーを多用せずにすむので、ハンドルまわりがスッキリするのだ。 かつてのハイエンドモデルの流れをくむ名車キャード8が、初心者向けにアレンジされ10万円台で手に入るとは、実にいい時代になったものだ。


 


キャノンデール・キャード8 ティアグラ
シマノ・ティアグラ完成車価格/14万5000円(税抜) 

フレーム●6061アルミニウム
フォーク●カーボンブローデス
コンポーネント●シマノ・ティアグラ
ホイール●マッドダックス・RS3.0スピード
タイヤ●シュワルベ・ルゴーノ 700×25C
ハンドルバー●キャノンデール・C4
ステム●キャノンデール・C4
シートポスト●キャノンデール・C4
サドル●キャノンデール・ステージエルゴ
サイズ●44、48、51、54、56、58、61
カラー●ブラック×グリーン、ホワイト×ブラック
試乗車実測重量●9.43kg(54サイズ、ペダルなし)

 
スーパーシックスエボやキャード12などと比べると、ヘッドチューブを15mm延長。アップライトなポジションが取りやすくなっている



 
フロントフォークのコラム径は、上下とも1-1/8インチ。必要十分な剛性があり、下りやコーナーでも小気味良い走りが楽しめる


 
キャード8のシマノ・ティアグラ搭載モデルは、JIS規格のオー ソドックスなBBを採用。シマノ純正のクランクとの相性も良い


 
上位モデルでは25.4mm径のシートポストが採用されているが、キャード8は引き続き27.2mm径の汎用性が高いタイプを採用


 
シートステーには、路面からの突き上げを効果的にいなすSAVE テクノロジーを採用。アルミフレームらしからぬ快適性を実現


 

浅野真則の試乗インプレッション

キャードシリーズといえばかつてサエコに供給され、マリオ・チポッリーニがジロ・デ・イタリアなどで勝利を量産した最先端のレーシングマシンとして活躍した実績あるアルミフレーム。その流れをくむのが、キャード8であり、現在のアルミのハイエンドモデルであるキャード12だ。

キャード8は、キャノンデールのラインナップではビギナー向けのアルミフレームロードという位置づけで、ヘッドチューブが15mm長くなっている。これに伴ってアップライトなポジションが取りやすくなっており、きつい前傾姿勢を強いられることなく、ロードバイクに不慣れな人でも乗りやすくなっている。  

ポジションは乗りやすくしながらも、レーシングマシンの血を引くだけに走りは軽快。ハンドルまわりやBBエリアの適度な剛性感は、小気味良い加速と思い描いたとおりのハンドリングを生み出し、カタログスペックには表れない育ちの良さが感じられる。挙動にもクセがなく扱いやすいので、意のままにバイクを操るロードバイクのだいご味も味わいやすい。アルミフレームなので輪行や輸送時もそれほど神経質にならなくていいという点でも、初めてのロードバイクにはうってつけのモデルだ。

 

問い合わせ先

キャノンデール・ジャパン
06・6330・1801
http://www.cannondale.com/ja-JP/Japan