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《手ぶらでMTB》vol.3 この冬のマスト 「スノーをファットバイクで走る」その楽しさ2つ


ファットバイクをご存じだろうか。知らないわけないだろう。あのぶっといタイヤの自転車である。

メーカーはこぞってファットバイクを出している。どうやら本格的にいい感じの乗り心地らしい。MTBを持っていなくても、手ぶらで行けば走れるMTBフィールドやツアーを紹介する『手ぶらでMTB』では、ファットバイクでスノーライドを楽しめる、冬の今ならではのツアーをご紹介する。

 
text: 中村パンソニ、photo: 岩崎竜太

ファットバイクでスノーツアーに行こう!



このファットバイクのスノーツアーを行っているのは、『八ヶ岳サイクリング』である。MTBに馴染みの深い人なら、ポール/チェットウィンドを知っているだろう。日本にはMTBブランド《ロッキーマウンテン》のプロライダーとして来日、そのまま日本に居着いて25年。レース活動を終えた後は長野県茅野市で『フリーライド・アドベンチャー』の名で、走り倒した茅野周辺のMTBガイドツアーを行ってきた。
 
現在は『八ヶ岳サイクリング』として、ロードバイクでの峠越えサポートツアーをはじめとする、ジャンルを問わない八ヶ岳のライド&サイトシーイングツアーを行っている。イージーゴーイングなスタイルのポールのライドは、ファンも多い。
 
そのポールが2016シーズンより、満を持して開始したのがファットバイクでスノーライドだ。雪の上のライドは、どうやら本当に楽しいらしい。例えば冬の間には雪が多い米国ウィスコンシン州ウォータールーに本拠地を持つトレックは、盛んにファットバイクの楽しさを謳っている。カリフォルニア州モーガンヒルに本拠地を持つスペシャライズドは、砂漠やビーチなどで、きっと試したに違いないその喜びを表現している。

 

スノーでファットが楽しい理由を2つ!



ファットバイクは、実際に乗ってみても楽しい。はっきり言えば舗装路では、やはり重いし速く走ろうなんて思いもしないのだが、そのぶん雪の上、特に少し圧雪された雪の上は最高だ。空気圧をパンクしてるんじゃない? ってぐらいに落としても、雪の上ではより安定する(もちろん舗装路ではぶりぶり言って走れたものじゃない)。
 
ファットバイクでスノーライドの楽しさ、ファットバイクの乗りこなし、走ると楽しそうな時期、必要となる装備。これらについては、2016年2月20日発売の『サイクルスポーツ』本誌4月号の連載ページ『ABCdeMTB Vol.08』に詳しいので、こちらをご参照いただきたい。
 
 

しかし本誌紙面では表現できないことがある。それは動画だ。ということで上の動画をご覧頂きたい。シマノのカメラを胸につけて画像をダラっと切り貼りしただけのものだが、これでファットでスノーの実際をイメージしてもらえると思う。
 
ではファットバイクに乗ると、ホントに楽しいこと、それを2つお伝えしよう。

 

1)雪がすべてをパンプにする

 
路面の根っこやちょっとした段差がすべて、雪でまあるいRになる。これに、雪がかぶさってまろやか〜に気持ちよ〜く成形され、ナチュラル・パンプともいうべき地形になる。雪でファットバイク用パンプトラックを作ってみるのも面白い。
 
 

2)ウィリーしやすい

「オレは35年間マウンテンバイクに乗ってきたんだけど、このファットバイクに乗って、初めてウィリーができるようになったよ」とポール。この太いタイヤの安定感が、確かにそうなのだ。うまい人ならすぐにでも、そうでないひとはそれなりに、憧れのウイリーに一歩近づく。雪の上でなくてもしやすいのだが。
しかしあなたはファットバイクを持っているか。ボクはまだ持ってない。まあまだ新しいジャンルではあるので、まだ持っていなくても仕方ない。だからレンタルでファットバイクに乗れるところがあるといい。そこで『八ヶ岳サイクリング』の登場である。

 

八ヶ岳サイクリング



『八ヶ岳サイクリング』
http://yatsugatakecycling.com
長野県茅野市湖東641-2 TEL: 080-6934-0674
 
ファットバイクのレンタル込みの半日ツアーを9〜12時、そして13〜16時の2回行っている。それぞれ税込み6000円。ヘルメット、雪がシューズに入りにくくなるゲーターはレンタルあり。防寒グローブは2500円程度での販売。コーヒー/茶の一服と、日々天気と雰囲気にインスパイアされフレーバーの変わる手作りマフィンも付く。この日はココアとクランベリーの大人チョコ系と、ローズマリー・チーズベーコンの食事系マフィンが絶品だった。絵本多数、シャワー有り。

高速道路・諏訪南インターチェンジ、JR茅野駅までの搬送もあり。整備されたさまざまなサイズのレンタルバイクもあるので、手ぶらで家族で来るのには最適だ。平日の晴れた雪の日(?)に電車で来るのがおそらく最も幸せなあり方である。なお、ファットバイクはQファクターがかなり広いので、SPDシューズよりも潔くブーツを履いていくほうがいいかもしれない。

 


《手ぶらでマウンテンバイク》vol.1 富士見パノラマ MTBパーク
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《手ぶらでMTB》vol.2 ふるさと納税してMTBツアー走って。山伏トレイルツアーに見るガイドツアービジネスの成功モデル
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《手ぶらでMTB》vol.4 2020年までに走っておきたい『日本サイクルスポーツセンター』MTBコース
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