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ブエルタ・ア・エスパーニャ 2016コース発表!

3大ツアーの1つであり、8月に開幕する
ブエルタ・ア・エスパーニャの今年のコースが発表された。
頂上ゴールが10ヶ所もあるクライマー向きのコースで
初めてフランスのオービスク山がゴールになる
(MAP: Unipublic)
8月に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)のコース発表会が、1月9日にスペイン北西部ガリシア地方のサンチャゴ・デ・コンポステラで行われた。

71回目となる今年のブエルタは、8月20日にガリシア地方で開幕。3週間の日程のうち、最初の2週間はスペイン北部が舞台となり、今年は南部のアンダルシア地方には訪れない。そのレイアウトは、例年にまさる厳しい山岳コースになっている。

初日はオウレンセのテルマル・バルネアリオ・デ・ライアスからパルケ・ナウティコ・デ・カストレロ・デ・ミーニョまでの29.4kmで、恒例のチームタイムトライアルが競われる。
 
主催者の発表では、平坦区間は7ステージとなっているが、実際には峠越えがないステージは、マドリード市内のサーキットで競われる最終日だけだ。しかも、平坦区間になっているのにカテゴリー1の頂上ゴールというステージが2つもある。今年のブエルタは、まるでスプリンターには門を閉ざしているかのようだ。
 

頂上ゴールが10ステージ

第3ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
第3ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
第4ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
第4ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
第8ステージは平坦区間だが、ラ・カンペローナの頂上ゴールだ(MAP: Unipublic)
第8ステージは平坦区間だが、ラ・カンペローナの頂上ゴールだ(MAP: Unipublic)
山岳区間と中級山岳区間は12ステージあり、そのうち8ステージは頂上ゴール。平坦区間と合わせると、今年はほぼ半分の10ステージが頂上ゴールで、昨年よりも1ステージ多くなっている。しかし、初日のチームタイムトライアルの他に、終盤の第19ステージに39kmの個人タイムトライアルも設定されている。

最初の見どころになるのは、ミラドール・テ・エサロにゴールする第3ステージだ。この激坂ゴールを2012年に制したのはホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)だった。その翌日のサンアンドレス・デ・テイシドにゴールする第4ステージも楽しみだ。ブエルタが初めて訪れるこの巡礼地には美しい教会がある。

そして3週間のちょうど真ん中になる第10ステージには、アストゥリアス地方のラゴス・デ・コバドンガがゴールに設定された。標高は1110メートルだが、全長12kmで最大勾配が17%以上ある超級の上り坂だ。

2014年にここでマイヨ・ロホを着たアルベルト・コンタドール(ティンコフ)が、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)やロドリゲスと激しい闘いを繰り広げたのは記憶に新しい。
 
ラゴス・デ・コバドンガに挑む第10ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
ラゴス・デ・コバドンガに挑む第10ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
 
ラゴス・デ・コバドンガで最初の山岳ステージが競われた後、やっと最初の休養日が訪れる。そして2週目はバスク地方を訪れたあと、フランス国境を越えて標高1705メートルのオービスク峠にゴールする、今大会でもっとも注目される第14ステージが競われる。しかもこのステージは200km近い長距離で、オービスクに到着するまでにカテゴリー1の峠を3つ越えなければならない最難関のクイーンステージだ。
 
最も注目されているオービスク山頂ゴールの第14ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
最も注目されているオービスク山頂ゴールの第14ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
 
そして今年も最終日前日には、標高1510メートルのアルト・アイタナにゴールする、逆転劇を期待させるような厳しい山岳区間が設定されている。この頂上ゴールでは、2009年にイタリアのダミアーノ・クネゴ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が優勝している。

第71回大会の総距離は3277.3kmで、昨年(3357.1km)よりも短い。200kmを越える区間も1ステージだけだ。しかし、カテゴリーの付いた上り坂は51ヶ所で、昨年の44ヶ所を上回っている。
 
最終日前日となる第20ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
最終日前日となる第20ステージのレイアウト(MAP: Unipublic)
 
今年のコースを見たコンタドールは、以下のようにコメントしている。「ブエルタ・ア・エスパーニャの典型的なコースで、近年のものとよく似ている。最初から総合を争う選手たちは先頭にいなければならず、彼らの責任を負わなければならないだろう」

「いくつかのステージはより長い山越えが含まれている。とりわけオービスクへと向かう第14ステージがそうだ。それらのステージは、ボクのような選手に向いている。もしもボクがブエルタに参加すればの話だけどね」

「今年のコースは、本当に最後の瞬間まで強い感動を提供してくれると確信しているよ。開幕のときに、総合を争う主要な選手たちが、どんなコンディションなのかを見ることが非常に重要にもなるだろう」

コンタドールの今季の目標は7月のツール・ド・フランスと8月のリオ五輪で、彼は「2016年は、ブエルタに良いコンディションで乗り込むのは最難関の年になるだろう」とも語っている。




[ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 全日程]
8月20日(土) 第1ステージ オウレンセ・テルマル・バルネアリオ・デ・ライアス〜パルケ・ナウティコ・デ・カストレロ・デ・ミーニョ(チームTT) 29.4km
8月21日(日) 第2ステージ オウレンセ・カピタル・テルマル〜バイオナ 159km
8月22日(月) 第3ステージ マリン〜ドゥンブリア(ミラドール・デ・エサロ) 170km ▲△
8月23日(火) 第4ステージ ベタンソス〜サンアンドレス・デ・テイシド 161km ▲△
8月24日(水) 第5ステージ ビベイロ〜ルーゴ 170km
8月25日(木) 第6ステージ モンフォルテ・テ・レモス〜ルイントラ(リベラ・サクラ) 163km ▲
8月26日(金) 第7ステージ マセダ〜プエブラ・デ・サナブリア 158.3km ▲
8月27日(土) 第8ステージ ビリャルパンド〜ラ・カンペローナ(バリェ・デ・サベロ) 177km ▲▲△
8月28日(日) 第9ステージ システィエルナ〜オビエド(アルト・デル・ナランコ) 165km ▲△
8月29日(月) 第10ステージ ルゴネス〜ラゴス・デ・コバドンガ 186.6km ▲▲▲△
8月30日(火) 休養日
8月31日(水) 第11ステージ コルンガ(ムセオ・フラシコ)〜ペーニャ・カバルガ 168.6km ▲△
9月1日(木) 第12ステージ ロス・コラレス・デ・ブエルナ〜ビルバオ 193.2km ▲
9月2日(金) 第13ステージ ビルバオ〜ウルダクス・ダンチャリネア 212.8km ▲▲
9月3日(土) 第14ステージ ウルダクス・ダンチャリネア〜オービスク・グレット(フランス) 195.6km ▲▲▲▲△
9月4日(日) 第15ステージ サビニャニゴ〜サレント・デ・ガレゴ(アラモン・フォルミガル) 120km ▲▲△
9月5日(月) 第16ステージ アルカニス〜ペニスコラ 158km
9月6日(火) 休養日
9月7日(水) 第17ステージ カステリョン〜ルセナ(カミンス・デル・ペニャゴロサ) 173.3km ▲▲△
9月8日(木) 第18ステージ レケナ〜ガンディア 191km
9月9日(金) 第19ステージ シャビア〜カルプ(個人TT) 39km
9月10日(土) 第20ステージ ベニドルム〜アルト・アイタナ(エスクゥアドロン・エイエルシト・デル・アイレ) 184km ▲▲▲△
9月11日(日) 第21ステージ ラス・ロサス〜マドリード 102.5km
 
 
 
[昨年の結果]

1 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)85時間36分13秒
2 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+57秒
3 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分09秒
4 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分42秒
5 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+3分10秒
6 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+3分46秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+6分47秒
8 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+7分06秒
9 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+7分12秒
10 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+10分26秒
(http://www.lavuelta.com/

ブエルタ・ア・エスパーニャ