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第4のコンポーネントになる? ローター油圧制御コンポ「ウノ」

ユーロバイク前からにわかに注目を集めていたロードバイク向けの新コンポーネントがある。それがローター・ウノだ。最大の特徴は前後の変速機の制御方法がワイヤでも電気でもなく油圧であるということ。その詳細を会場で取材した。


 
text&photo●ナカジ編集長

油圧制御コンポーネント「ウノ」

自転車で油圧を使用する部分といえばディスクブレーキの制御が一般的だが、それを変速操作に採用したのがこの「ウノ」だ。

メーカーのローターは楕円チェーンリングや軽量アルミクランク。さらにパワーメーターを内蔵した「ローターパワー」など、プロのレースシーンでの使用に耐える逸品としてシリアスライダーから人気を得ているパーツメーカーだ。

そのローターがコンポーネントを発表するということで話題になっていた。昨年からプロジェクトはスタートしていたという。最大の特徴は前後の変速機の制御方法がワイヤでも電気でもなく油圧であるということ。

そのメリットはメンテナンス頻度を少なく抑えることができ、もちろん充電も必要ない。またエアロロードやTTバイクなど、ワイヤで組むとラインにいくつもカーブが発生してしまい抵抗が大きくなるようなバイクでも、その影響が少ないところだ。

リザーバータンクはコントロールレバーのブラケットに内蔵されており、そこから細いオイルラインが前後ディレーラーまでつながっている。一見すると機械式のコントロールレバーのようなコンパクトなサイズだ。

オイルラインの太さはシマノDi2のケーブルとほぼ同じなので、フレーム側に特殊な規格は必要ない。

ちなみにブレーキはワイヤ制御。ブレーキも油圧制御になる予定です。訂正いたします。
 

変速機をどうやって動かしている?

どうやって変速機を動かしているのかというところだが、ディレーラーに2列に配置された小さなタンクのようなものがある。この中には後ろから見て左側が油圧ピストン、右側にスプリングが入っており、油圧を調整することでその中央にあるシャフトを回している。

フロントディレーラーはローターの楕円リングに最適化されている。変速操作はスラムと同じ1レバーで、リヤの場合、軽く押すとシフトアップ、深く押し込むとシフトダウンする。

​シフトダウンの一気変速が可能で、その段数は1-3まで変速機についているボルトで調整することができる。

レバーストロークは大きく、クリック操作も「ガッチャン」とかなりしっかりと操作する必要がある。確実な操作を大事にするのか、より少ない力で操作できるようにするのか、ローターがどの方向で製品を研ぎ澄ましていくのか気になるところだ。

開発状況をメーカーのスタッフに聞くと、「まだプロトタイプのプロトタイプくらいの段階です」ということだった。。開発はゆっくり進むと言うことなので、続報を期待したい。
 

ちなみにカーボンチェーンリングも

ローターの楕円チェーンリングといえばアルミ合金を削りだしたものだけだったが、ユーロバイクのブースの片隅にひっそりとカーボンを素材に採用したモデルが登場していた。ギアの歯先とクランクへの取り付け部はアルミ製。価格、発売時期などは未定だ。