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ラピエール・エアーコード300MCP 試乗レポート

今年のツール・ド・フランスで個人総合3位と新人賞に輝いた、 FDJのT・ピノが駆って活躍した「エアーコード」。ラピエール初のエアロロードとなるモデルだ。  

 
 
text:吉本 司 photo:山内 潤也

ツール・ド・フランスで躍動したエアロロード

 

チューブは現在このカテゴリーで主流の一つとなるカムテールデザイン。翼断面形状の後部を切り落とした形状により、実寸法以上 に気流を制御できるのが最大の特徴だ。加えて横風にも強い。

 

一方 シートステーはアーチ状に成型して、快適性の確保にも余念がない。  トップチューブがスローピングなのは昨今では一般的だが、このバイクはヘッドチューブ側が上が っているという表現が正しい。

 

同社のTTバイク、エアロストームから還元された、ステムが半ばフレームに埋没する「セミインテグレーテッドステム」構造は、ステムとフレームの段差を減らして、いっそうの空力向上を図っている。  

 

今回の試乗車のリヤブレーキは、 ダイレクトマウント式をチェーンステー下に装備しているが、市販モデルはシートステー側となる。 これはメンテナンス性を優先したプロチームモデルと同じ仕様だ。  

 

ヘッドチューブ周辺はエアロストーム、リヤ三角はゼリウスからの影響であり、ラピエールが今まで開発したレーシングロードバイクの集大成というべき仕上がり。 

それはジオメトリーやリヤ三角の剛性など、ゼリウスと同様というところからもうかがえる。エアーコードはこのカテゴリーでは後発組となるが、その分空力だけに留まらない性能を詰め込んでいる。

 

LAPIERRE AIRCODE 300MCP

 

ラピエール・エアーコード300MCP 

フレームセット価格/27万9000円(税抜) 

シマノ・アルテグラ6800完成車価格/ 48万9000円(税抜) 

 

フレーム●カーボン

フォーク●カーボン 

コンポーネント●シマノ・アルテグラ6800 

ホイール●マヴィック・エキップWTS 23C 

タイヤ●マヴィック・イクシオンコンプ700×23C 

ステム●ジップ・サービスコース 

サドル●フィジーク・アンタレスmg 

シートポスト●オリジナル 

試乗車実測重量●7.63kg(52サイズ、ペダルなし) 

サイズ●XS、S、M、L 

カラー●ブラック×レッド

※試乗車と販売する車種の仕様が異なります

 

 

流行のカムテールデザインを採用したシートチューブ。

さらにホイールカットアウト処理を施して後輪周辺の空力を高めている。 

 

 

アーチ形に成型されたシートステーは、エアロロードが苦手とする縦方向からの突き上げ感を緩和する。

市販モデルはステー側にブレーキが装備される。 

 

 

ヘッドまわりのねじれ剛性の確保と乗り心地の向上を狙い、波打つように複雑に断面形状を変えるユニークな仕上げのトップチューブ 

 

 

先端まで十分な断面積を与えてしっかりした印象のフロントフォーク。

ダイレクトマウント式ブ レーキで空力と制動力が高められる 

 

 

固定はフレームに内装されたウスによって行なうスマートな方式。シートポストは汎用的な31.6mm径を使用できるのも便利な仕様だ。

 

吉本 司の試乗レポート

 

フレーム剛性は高めなのだが、全体でのバランスが整っているため踏んだときにいやな硬さはない。ひと言で表わすのならクリアで素直な乗り味。

硬質なチューブの質感がそのままペダリングに反映されて、加速のよさへとつながっている。 

 

ラピエールのゼリウスといえば くせのない走りが魅力だが、その方向性を維持して剛性を上げた印象。

高剛性なヘッドからフォーク、ダウンチューブ、さらにそれらのバランスに優れるため、ダンシングでのシャッキリ感が高く、上り、平地ともに軽快感は強いが、それなりに剛性は高いのでその分脚力も奪われ る。

 

乗り心地は、とくにフロント側は路面からの振動を感じやすい。とはいえトップスプリンター愛用のモデルらしく、ある程度の高出力で速度域を目指す走りが楽しい一台だ。

 

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