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ラピエール・ゼリウス EFI アルチメイト 試乗レポート

ジロ・デ・イタリアでFDJチームが使用していたバイクが「ゼリウスEFIアルチメイト」だ。昨シーズンから販売されているモデルだが、試乗したのはそのマイナーチェンジ版。フレームはそのままに、フォークがダイレクトマウントタイプのブレーキを採用したものに変更されている。

 
text:ナカジ photo:岡 拓

ユニークなマイナーチェンジ版

 

前後異径ホイールのTTバイクや左右非対称のチェーンステーなど、速く走るためにあえて均等ではない構造を持たせるバイクは過去にいくつもあった。 それらは総じて特別なオーラをまとっていた。  

 

「ゼリウスEFIアルチメイト」では、空力性能とストッピングパワーの向上を図っている。もちろん一部の選手によって実戦投入もされている。  

 

フロント同様にリヤもダイレクトマウントのブレーキに変更されているのかと思いきや、ノーマルのまま。他社では前後ともそうするところだが、レースの現場で使うことを考えると、パンクしたときのホイール着脱に時間がかかっ てしまったり、メンテナンス性が 落ちるなどの不便な点がある。

そこで、あえてフロントだけの変更となったのだ。  

 

ロードバイクの本分であるレースの現場で必要とされる性能を追い求めた結果、出来上がったその たたずまいは、やはりただ者ではないオーラを発している。  ダイレクトマウントタイプのブレーキキャリパーはシマノしか純正パーツとして用意していないというのが難点だが、最新のトレン ドが、くどくなく盛り込まれている希有なモデルといえるだろう。

 

LAPIERRE Xelius EFI Ultimate

 

ラピエール・ゼリウス EFI アルチメイト

フレームセット価格/29万9000円(税抜) 

 

フレーム●カーボン 

フォーク●カーボン 

コンポーネント●シマノ・デュラエース9000 

ホイール●ゼンティス・スクワード4.2ダークマット 

タイヤ●ヴィットリア・ルビノプロスリック 

ハンドルバー●イーストン・EC70SL 

ステム●イーストン・EC90SL 

サドル●セライタリア・SL 

シートポスト●イーストン・EC70 

試乗車実測重量●6.62kg(49サイズ、ペダルなし) 

サイズ● XS、S、M、L 

カラー●FDJ、ブルーイエロー、レッド

 

 

リヤブレーキはノーマルタイプを採用。シートステーは二股に分かれてシートチューブと接合される。快適性を重視したカーボンの積層になっている

 

 

 

ダイレクトマウントタイプ専用となる。メリットがある反面、ブレーキキャリパーの選択肢が減ってしまう。また、装着できるホイールのリム幅は25mm以下である必要がある

 

 

 

 

下ワンに1.5インチではなく、1- 1/4インチ径のベアリングを採用する上下異径の構造。ヘッドの剛性、軽さを重視した設計だ。空力性能も考慮され前方がやや尖っている

 
 

 

BBはプレスフィットタイプを採用することで、クランク間の幅一杯まで太いチューブとチェーンステーとの接合面積を確保することで、パワーをムダなく推進力に変換する

 

 

 

 

トップチューブ前側1/4まではパワー伝達を優先した積層に、後側はフレームに推進力を生み出すために、しなりを重視した積層になっている

 

 

ナカジの試乗レポート

 

もともとのフレーム自体がかなり剛性の高いかっちりとした モデルなので、その走りはスパ ルタンだ。思うままに進路をとれるし、操作と挙動が素早くリンクする。

 

その代わり、操作が へただとバイクもあらぬほうへ 行ってしまうだろう。それを操るのがまた楽しい。

ダイレクトマウントブレーキは、思っていたよりも、キャリパーブレーキとの制動力の差は小さいように思う。

 

このバイクを試乗するにあたり、ゼリウス600というアルチメイトと同じ金型を使い、カー ボンの積層を変更したセカンドグレードの試乗車も借りてみた。 厳密には同じではないが、フォ ークの違いがどのような影響を もたらすのか、その方向性をつかみたかったからだ。  

 

2台をたてつづけに乗り比べてみると、意外にもゼリウス600のほうが好印象。その理由 は、ゼリウス600のノーマルフォークのほうが使い慣れているので、安心してバイクを操作することができるという慣れの部分が大きいと感じた。

自分がダイレクトマウントブレーキの制動力の立ち上がり具合や、フォークの感覚にすぐには順応できなかったという印象だ。  

 

だが、このバイクが持つスペ シャルな雰囲気を前にすれば、 そこを乗りこなしてやろう!という気持ちにさせられる。そんな気概のある人にぜひ手にしてもらいたい。

クセのあるバイクを乗りこなす楽しみはオーナーの特権だ。なにより所有していたら、ロードバイクがわかる人から注目される。走行性能はもちろんのこと、それは所有欲を満たしてくれるはずだ。

 
 

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