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Daily アレ!アレ!ユキヤ!2014  ツール・ド・フランス第18ステージ~第21ステージ

 

2014年7月5日~27日、新城幸也(ヨーロッパカー)が5回目のツール・ド・フランスに挑戦! サイクルスポーツでは、ユキヤの活躍を現地からの写真で毎日お届けします。 

 

 

photo&text:大前 仁

7月24日 第101回ツール・ド・フランス 第18ステージ[ポー >> オタカム 145.5km]

 

ポーからピレネーのスキーリゾート、オタカムへの第18ステージは、ポーから田舎道をつないでピレネーへ向かい、超級のツールマレー峠を越えてさらに超級のオタカム頂上へとフィニッシュする過酷な山岳ステージだ。 ピレネー最終日、しかも山頂ゴールなので、クライマーたちは今日こそステージ勝利をと考えていたに違いない。

 

昨日逃げたユキヤは、今日の20人の逃げには乗らなかったが、代わりにペリグ・ケムナーがアタックし、トマ・ヴォクレール、ケヴィン・レザが乗った先頭集団が形成された。

 

4分近くリードして突入したツールマレー峠でこの逃げはバラバラになったが、追走するマイヨジョーヌグループでユキヤはピエール・ロランを強力にアシスト。ユキヤはそのまま、ツールマレー峠をニバリのグループでクリアしていった(写真)。

 

最後の上り、オタカムにかかってニバリがアタック、前の走者を追い抜いて今年のツール4勝目を飾った。オタカムの上りでユキヤはついにドロップしたが、区間34位でフィニッシュ、今ツールでの区間最高成績はピレネー山岳で! 総合は61位でピレネーを終えた。

 

 

パリまであと 400.5km



7月25日 第101回ツール・ド・フランス 第19ステージ[モーブルゲ・ペイ・デュ・ヴァル・ダドゥール >> ベルジュラック 208.5km]

 

ピレネー山岳を終えたツールは、モーブルゲからベルジュラックへの第19ステージを迎えた。コースは大きなアップダウンこそないが、雷雨の天気予報は十分に荒れたレースを予感させた。

ユキヤは「アタックするなら今日しかない!」と話していた。

 

スタートアタックはヨーロッパカーのセリル・ゴティエ、ここに3人がジョインし、次いでタラマエ(コフィディス)が追いついて5人の逃げが成立した。

集団の先頭はアスタナがフタをして、土砂降りの雨でもレースはつつがなく…進まなかった。落車こそ少ないものの、厳しい天候とパンクの嵐が選手たちの力を削いでいく。

 

そのなかでユキヤはしっかりとピエール・ロランを守り、好位置でレースを進めた。チームカーからはNHK・BSの番組クルーがこれを見守った。

 

終盤、集団が細切れになるなかでピエールはニバリの集団に残り、独走勝利を飾ったナバルダスカス(ガーミン・シャープ)に7秒遅れでゴール。

ユキヤは3分遅れの71位でフィニッシュし、総合は63位となっている。

 

残るは土曜日のTTとパリ、いよいよシャンゼリゼが見えてきた!


 
パリまであと 192km

7月26日 第101回ツール・ド・フランス 第20ステージ[ベルジュラック >> ペリグー 54km]

 

今年のツールで唯一の個人タイムトライアルステージは、パリを目前にした第20ステージに設定された。ベルジュラックからペリグーへの54kmは、1994年にミゲル・インドゥラインが1時間15分で勝ったTT(逆向きの64km)だ。

 

昨日までの悪天と山岳に全てのパワーを使い切ったかに思えるユキヤだが、「沿道の観客に日本人を探しながら、いいテンポで苦しまずに走れました」と1時間14分15秒で走りきった。

 

区間成績は109位、総合は65位。この順位は明日もそのまま確定しそうだ。

ピエール・ロランは総合11位と、チームの目標であった10位以内にわずかに届かなかったが、「明日は楽しむだけですよ!」とユキヤは楽しそう。

日本人のツール歴代最高成績をまたも更新だ! 

 
 
 

パリまであと 137.5km

 

 

 

7月27日 第101回ツール・ド・フランス 第21ステージ[エヴリー >> パリ・シャンゼリゼ 137.5km]

今年のツールの最終ステージは、パリ近郊のエブリーからパリまでの137.5kmが設定された。選手たちはパリ・オルリー空港まで飛行機で移動、スタッフはクルマで530km移動してスタートを迎えた。

 

総合優勝がほぼ決まったヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ)はブラックにイエローをあしらった自転車を、そしてチーム総合首位のAG2Rはハンドル回りにイエローをコーディネイトしてエブリに到着した。

ユキヤの所属するヨーロッパカーも、引退したアントニー・シャルトーが登場、スタートを手伝った。

 

例年通りパリの周回まではゆっくりと走り、シャンゼリゼ大通りからアタックがかかる。「楽しみます」との宣言通りユキヤは集団中盤にいるが、ピエール・ロランやブライアン・コカールのアシストをしている様子。

 

最終ラップにはブライアンを牽いて先頭に立ち、今年引退するスピーカー、ダニエル・マンジャスがアラシロの動きを熱くアナウンス。

そして…。区間優勝はキッテル(ジャイアント・シマノ)、ブライアンは7位。ユキヤ自身は118位で無事にフィニッシュゲートをくぐった。総合65位は自身最高成績、日本の自転車競技史にもまた新たな1ページを書き加えた。

 

最終ラップの動きについて「かなり脚、痛かったですが」と笑うユキヤだが、表彰式後のパレードは「これが楽しみです!」と、チームメイトとともに楽しそうにシャンゼリゼをもう1往復。日本の国旗を見つけるたびにファンに走り寄り、5回目のツール完走を満喫した。 

 

 

 

 ゴール!ツール・ド・フランス5回目の完走!

2014 ツール・ド・フランスのすべて

 

サイクルスポーツ10月号(8/20発売)別冊付録「2014 ツール・ド・フランスのすべて」

 

7月5日イギリス(リード)から7月27日パリまでの23日間、全21ステージを熱くレポートします!

 

 

第101回 ツール・ド・フランス2014 公式プログラム、発売中

世界13カ国で翻訳出版されている「ツール・ド・フランス公式プログラム」の日本語版は、フランスのパリにあるツール・ド・フランスの主催者ASOの許諾、協力のもとにチクリッシモが特別編集。各チーム、選手、全ステージの詳細データ満載で「ツールのすべて」を知ることができる、日本で唯一の公認のガイドブックとなる。

 

ツールを5回制したフランスのスーパースター、ベルナール・イノーによる、出場22チームの辛口戦力分析など公式プログラムならではの内容に加え、日本語版独自の記事もフィーチャー。付録は2014ツールの全ルートが掲載されたフランス全土マップの大判ポスター!

 

■第101回 ツール・ド・フランス2014 公式プログラム

体 裁:A4ワイド判(225×297mm)、オールカラー212ページ

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問い合わせ先

ツール・ド・フランス 2014「Daily アレ!アレ!ユキヤ!」第12ステージ >> 第17ステージ
http://www.cyclesports.jp/articles/detail.php?id=541