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世界の走りを目前で堪能! シクロクロス東京2014

初日の吹雪がウソのような晴天に恵まれた大会2日目は、鈴なりの観客がお台場に集まり、世界の走りを手が届くほどの目前で堪能した
 

お台場に太陽が戻ってきた!

 
3年目を迎えたシクロクロス東京の初日は、記録的な大雪のなかで開催されたが、午後には東京23区に大雪警報が発令されたため、最後に行なわれる予定だったC1カテゴリーが中止になってしまった。
しかし一夜明けて、会場となったお台場海浜公園(東京都港区)には、太陽と青空が戻ってきた。

午前中は前日に降り積もった雪の影響で交通機関が乱れていたため、観客の出足に響くのではと心配されていたが、プロのレースが行なわれた午後には昨年と変わらない大勢の観客が来場し、ゴールゲート近くは人垣が幾重にもなるほどだった。
その声援に応え、今年も世界トップクラスの選手たちが、本場のシクロクロスの走りを魅せてくれた。
 

ラファ・フォーカスのマクドナルドがリベンジ優勝!

 
シクロクロス東京の最後を飾るエリート男子のレースは、今月23歳の誕生日を迎える米国のザック・マクドナルド(チームラファ・フォーカス)がスタートから先頭に立ち、みごとな独走を演じて初優勝した。

2位には日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシック・ドルトチーニ)が2年連続で入り、3位は昨年8位の長身レーサー、バリー・ウイックス(コナサイクロクロスチーム)だった。

マクドナルドは昨年11月に開催された野辺山シクロクロスにも参加したが、発熱で体調を崩し、初日のレースは途中棄権。2日目はスタートすることすらできなかった。

その翌週に行われたビワコマイアミランド(滋賀県野洲市)のレースでは、いくぶん体調が回復したものの、日本チャンピオンの竹之内を打ち負かすことはできなかった。

しかしマクドナルドは、お台場では野辺山とは別人のような走りを見せた。

この日、お台場海浜公園のコースは雪が溶け、未舗装路の林の中はドロドロで滑りやすくなっていたが、逆に砂浜エリアの砂は水を含んで固くしまっていた。そこを彼は信じられないようなスピードで疾走し、ライバルたちを突き放していったのだ。
 
 
「ミスが目立ち、前半で離されたのが痛かった」と、昨年2位で今年は優勝を狙っていた竹之内はレースを振り返った。
 
沿道から飛び交う「悠! 悠!」という熱い声援に後押しされ、彼は後半に先頭のマクドナルドを猛追してその差を縮めはしたのだが、結局最後まで捕らえることはできなかった。

竹之内の43秒差を付けてゴールを迎えたマクドナルドは、観客と勝利を分かち合うタッチをするゆとりすらあった。
 
そして野辺山では得られなかった勝利を、やっとチームにもたらすことができたとばかりに、胸のチームロゴをしっかりと見せてフィニッシュラインを通過した。

チームラファ・フォーカスにとっては、昨年優勝したジェレミー・パワーズにつづき、大会2連覇となった。

「楽しいコースで、挑戦的でもあり、何よりも観客が大勢いて声援を送ってくれてすばらしかった。とてもいい経験になった。来年もぜひ戻ってきたいね」と、マクドナルドは喜びを語った。

エリートカテゴリーに上がったばかりのマクドナルドに、次の目標は何かと聞いてみたら「とにかく健康なシーズンを過ごしたいよ!」と、笑っていた。




 
[エリート男子結果/11周]
1 ザック・マクドナルド(チームラファ・フォーカス/米国)54分31秒
2 竹之内悠(ベランクラシック・ドルトチーニ/日本)
3 バリー・ウイックス(コナサイクロクロスチーム/米国)
4 山本和弘(Cプロジェクト/日本)
5 沢田時(ブリヂストン・アンカー/日本)
6 門田基志(チームジャイアント/日本)
7 前田公平(チームスコット/日本)
8 山田誉史輝(バイクランチ・ダートフリーク/日本)
9 辻善光(チームZenko/日本)
10 中間森太郎(チームedcoシクロクロスwithジロ/日本)
 

女子はワールドカップ女王のコンプトンが圧勝

 
エリート男子に先駆けて行われた女子(L1)のレースでは、今シーズンのUCIワールドカップ7戦中、5戦を制して総合優勝した米国チャンピオンのケイティ・コンプトン(トレックサイクロクロスコレクティブ)が圧倒的な強さで初優勝した。
 
日本の豊岡英子(パナソニックレディース)は、今大会での3連覇を達成できなかった。

スタートで先頭に立ったのはカナダのウェンディ・シムズ(コナサイクロクロスチーム)だったが、コンプトンは砂浜エリアであっという間に追い上げると、シムズを抜いて先頭に立った。そしてその後はライバルたちを寄せ付けることなく、独走でゴールした。

「厳しくてテクニカルなレースだったけれど、同時に楽しめたわ。コロラドに住んでいるから、雪は普通なのよ」と、コンプトンはレースを振り返った。
 
「砂浜エリアではパワーと同時にテクニックも必要。ベルギーで滞在している場所の近くに砂地があるから、いつもそこでトレーニングをしているのよ」と、砂での強さの秘密を教えてくれた。
 
[女子(L1)/6周]
1 ケイティ・コンプトン(トレックサイクロクロスコレクティブ/米国)37分29秒
2 豊岡英子(パナソニックレディース/日本)
3 宮内佐季子(チームチェーンリング/日本)
4 ウェンディ・シムズ(コナサイクロクロスチーム/カナダ)
5 ライン・ベセット(キャノンデールpb/カナダ)
6 坂口聖香(パナソニックレディース/日本)
7 坂口楓華(パナソニックレディース/日本)
8 今井美穂(サイクルクラブ.jp/日本)
9 武田和佳(チームチェーンリング/日本)
10 相野田静香(チーム轍屋/日本)


エリート男子のレースには、第1回大会で2位、昨年は3位になったベテランのティム・ジョンソン(キャノンデール pb cyclocrossWorld.com)も参加する予定だったが、1周間前にオランダで開催されたシクロクロス世界選で左肩を骨折してしまい、残念ながら欠場となってしまった。

しかし彼は、同じシクロクロス選手である妻のライン・ベセット(キャノンデール pb cyclocrossWorld.com)と一緒に来日。女子レースの表彰式でプレゼンターをつとめていた。
 

午前中は人気のエンデューロで盛り上がった!

 
2日目の午前中には、コスプレ選手が大勢参加する人気のエンデューロを開催。前日の雪がまだコース上に深く残り、かなり厳しいコンディションではあったが、参加した選手たちは90分間の挑戦を仲間と一緒に楽しんでいた。

エンデューロでは事前にお知らせしたとおり、サイクルスポーツ本誌の編集長の座を決めるレースも行なわれた。気になる結果は、2月20日発売の本誌4月号で発表されるのでお楽しみに!
 

問い合わせ先

シクロクロス東京
http://www.cyclocrosstokyo.com/