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北アイルランドのベルファストで開幕! ジロ2014コース発表

ロンバルディア終了後にミラノで来年のジロ・デ・イタリアのコース発表会が行われた

 

Photo: Graham Watson / LaPresse (RCS Sport)

バランスの取れたコースレイアウト


ジロ・デ・イタリア2014のコース発表会が、イル・ロンバルディア開催の翌日の10月7日に、イタリアのミラノで行われた。すでに発表されていた通り、第97回大会は北アイルランドのベルファストで開幕し、フリウリ・ベネツィア・ジュリア州のトリエステで閉幕する。

ベルファストでは初日に21.7kmのチームタイムトライアルが行われる。アイルランド島では3ステージが行われ、最終日には北アイルランドのアーマーをスタートし、国境を越えてアイルランド共和国の首都ダブリンへとゴールする、シンボリックなステージが設定されている。アイルランド島からイタリアへの移動日を兼ねた休養日を1日追加したため、来年のジロは5月9日の金曜日に開幕する。

アイルランド島から空路で南イタリアへと移動したあと、イタリア半島のブーツのくるぶしから北上し、平坦ステージと中級山岳ステージを行う。第12ステージでは、ワインで有名なピエモンテ州のバローロで46.6kmの個人タイムトライアルを競い、後半戦はアルプス、ドロミテを舞台に厳しい山岳ステージが続く。

ジロは100周年記念大会だった2009年以来、最終目的地を毎年変更しているが、来年はトリエステがその大役を務める。これは、この地域のイタリア併合60周年を祝うためだ。最終日は6月1日で、ジェモーナ・デル・フリウリからスタートし、トリエステ市内はサーキット形式になる。

総距離は3449.9kmで、休養日は3日。平坦ステージが8、山岳ステージが5、中級山岳ステージが5、タイムトライアルはチームTT、個人TT、山岳個人TTがそれぞれ1つずつとなっている。後半戦に集中した山岳ステージは5区間すべてが頂上ゴールで、中級山岳ステージも4区間が上りゴールだ。来年もクライマー向きのコースではあるが、個人タイムトライアルの総距離も94.9kmと長く、バランスの取れたレイアウトになっている。

 

マルコ・パンターニの偉業をたたえた山岳区間


来年のジロは、没後10年となるイタリア人クライマー、マルコ・パンターニの偉業をたたえたコースになっている。パンターニはジロで1998年に総合優勝しているが、そのとき区間優勝したモンテ・カンピオーネ峠ゴールが、第15ステージに設定された。

翌年のジロでもパンターニは総合優勝まであと一歩だったが、最終日前日の血液検査でヘマトクリット値が高すぎたため、2連覇を失ってしまった。それでもジロ主催者はその年の彼の偉業を忘れず、区間4勝したうちの1つのオロパ峠ゴールを、第14ステージに設定した。パンターニはそこで、マリア・ローザを着て区間優勝したのだ。さらに、パンターニの故郷チェゼナーティコ近郊で行われる第8ステージでは、彼がよくトレーニングしていたカルペンニャ峠がコースに含まれている。

この他に、今年降雪で中止になってしまったガビア峠とステルビオ峠を越えるステージが、第16ステージに再設定された。ステルビオ峠は標高2758メートルで、来年のチマコッピ(山岳最高峰)になっている。

そして来年のクイーンステージは、最終日前日に設定されたゾンコラン峠にゴールする第20ステージだ。発表前にはゾンコラン峠を2回上るのではないかという噂もあったが、挑むのは1度だけ。それでもその前に2つの峠越えがあり、厳しいステージになることは間違いない。ゾンコラン峠は2003年からジロのコースになり、ジルベルト・シモーニが2回、イバン・バッソとイゴール・アントンがそれぞれ1回ずつ制している。

 

ジロ・デ・イタリア2014 山岳ステージ&山岳TT

[第14ステージ]

■アルペ・ノベイス(標高1099メートル)

全長:8.95km

平均勾配:7.9%

最大勾配:16%

■ビエルモンテ(標高1482メートル)

全長:18.35km

平均勾配:6.2%

最大勾配:13%

■オロパ(標高1142メートル/ゴール)

全長:11.8km

平均勾配:6.2%

最大勾配:13%

[第15ステージ]

■プラン・ディ・モンテカンピオーネ(標高1665メートル/ゴール)

全長:18.65km

平均勾配:7.8%

最大勾配:12%

[第16ステージ]

■ガビア(標高2618メートル)

全長:16.5km

平均勾配:8%

最大勾配:16%

■ステルビオ(標高2758メートル/チマコッピ)

全長:21.7km

平均勾配:7.2%

最大勾配:12%

■バル・マルテッロ(標高2051メートル/ゴール)

全長:22.3km

平均勾配:6.4%

最大勾配:14%

[第18ステージ]

■リフージョ・パナロッタ(標高1760メートル/ゴール)

全長:15.85km

平均勾配:7.9%

最大勾配:14%

[第19ステージ]

■モンテ・グラッパ(標高1712メートル/山岳個人TT)

全長:19.3km

平均勾配:8%

最大勾配:14%

[第20ステージ]

■プーラ(標高1428メートル)

全長:11.25km

平均勾配:7.7%

最大勾配:13%

■セッラ・ラッツォ(標高1811メートル)

全長:15.85km

平均勾配:5.2%

最大勾配:15%

■ゾンコラン(標高1730メートル/ゴール)

全長:10.1km

平均勾配:11.9%

最大勾配:22%

コース発表会に参加した選手たちのリアクション

■今年ジロで総合優勝したビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)「このコースはとてもよくデザインされていて素晴らしい。終盤にとても厳しい山岳がたくさんあっても、ワイン畑のタイムトライアル(第12ステージ)でバランスが取られている。休養日が多いのもいいね。タイムトライアルで守りの走りができるクライマー向きだろう。オールラウンダーである必要がある。今季はボクにとって素晴らしいものだった。来年もそれを繰り返せるように、狙って行きたい」

■ジロで2回優勝しているイバン・バッソ(キャノンデール)「TTと上りが補われた、バランスの取れたジロだ。トリッキーな序盤の区間にも注目している。とても重要な上りはいつも通り終盤にある。3週目に脚があれば、差をつけられるだろう。優れた戦術も要求される」

■カデル・エヴァンス(BMCレーシング)「終盤の山岳ステージは、過去のように極端に長くはないが、それでも峠は手強いものばかりだ。これらのステージが3週間のレースで総合争いには本当に重要になるだろうと思う」

■フィリッポ・ポッザート(ランプレ・メリダ)「ボクのためのゴールはたった2回しかない。でも参加したい。“バラ色のレース”はずっとボクのお気に入りだからね」

■ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)「頂上ゴールがとても多いこのコースは好きだ。でも、ボクが参加するかどうかはエウセビオ・ウンスエ監督が決めるだろう」

ジロ・デ・イタリア2014 全日程

5月09日(金) 第1ステージ[ベルファスト(北アイルランド)(チームTT)/21.7km]

5月10日(土) 第2ステージ[ベルファスト(北アイルランド)~ベルファスト/218km]

5月11日(日) 第3ステージ[アーマー(北アイルランド)~ダブリン(アイルランド)/187km]

5月12日(月) 休養日

5月13日(火) 第4ステージ[ジョビナッツォ~バーリ/121km]

5月14日(水) 第5ステージ[タラント~ビッジャーノ▲/200km]

5月15日(木) 第6ステージ[サッサーノ~モンテカッシーノ▲/247km]

5月16日(金) 第7ステージ[フロズィノーネ~フォリンニョ/214km]

5月17日(土) 第8ステージ[フォリンニョ~モンテコピオーロ▲▲/174km]

5月18日(日) 第9ステージ[ルーゴ~セストーラ▲▲/174km]

5月19日(月) 休養日

5月20日(火) 第10ステージ[モデナ~サルソマッジョーレ・テルメ/184km]

5月21日(水) 第11ステージ[コレッキオ~サボナ▲/249km]

5月22日(木) 第12ステージ[バルバレスコ~バローロ(個人TT)/46.6km]

5月23日(金) 第13ステージ[フォッサーノ~リバローロ・カナベーゼ/158km]

5月24日(土) 第14ステージ[アリエ~オロパ▲▲▲▲/162km]

5月25日(日) 第15ステージ[バルデンゴ~プラン・ディ・モンテカンピオーネ▲▲▲/217km]

5月26日(月) 休養日

5月27日(火) 第16ステージ[ポンテ・ディ・レンニョ~バル・マルテッロ▲▲▲▲/139km]

5月28日(水) 第17ステージ[サルノーニコ~ビットリオ・ベネト/204km]

5月29日(木) 第18ステージ[ベッルーノ~リフージョ・パナロッタ(バルスガナ)▲▲▲▲/171km]

5月30日(金) 第19ステージ[バッサーノ・デル・グラッパ~チーマ・グラッパ(クレスパノ・デル・グラッパ)(山岳TT)/26.8km]

5月31日(土) 第20ステージ[マニアーゴ~モンテ・ゾンコラン▲▲▲▲/167km]

6月01日(日) 第21ステージ[ジェモナ・デル・フリウリ~トリエステ/169km]

[総距離:3449.9km]