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ヒルクライムに参加しよう

ヒルクライムっておもしろそう。でも、参加するとき何をどうすればいいのかわからない。そんな人のために最低限知っておきたい注意点をピュアヒルクライムチーム「VAXレーシング」の長沼隆行選手に聞いた。
他の人と競うわけじゃなく、自分なりに頑張ってきれいな景色の山頂にゴールし、爽快な気分と達成感が味わえるのがヒルクライムの楽しさだ。イベントを探すにはサイクルスポーツ4月号別冊付録「ロングライド&ヒルクライムイベント参加ガイドBOOK 2011」やCYCLESPORTS.jpを利用すればいいとして、実際に参加するときどんなことに注意すればいいのか。準備は?スケジュールは? まずは無理なく参加できるイベントを探し、経験を積んでいけば実力も上がっていく。それから大きな大会に参加しても遅くはない。徹夜で移動して参加したり、レース後に気を抜いたりしてケガをしたらつまらない。安全に楽しんで、無事に家まで帰るのが一番だ。
1.イベントはどう選んだらいい? ヒルクライムビギナーは、どうしても有名なイベントにあこがれるが、いきなり15km、20kmのヒルクライムというとどんなペースで走ればいいのかもわからない。まずはローカル(できるだけ身近な場所)で開催されるイベントに参加しよう。5kmのヒルクライムに参加すれば「20kmならこれを4回か」と大まかな想像ができる。自分の実力を知ることから始めよう。 2.前日からのタイムスケジュール スタートまでは自分ができる範囲で余裕をもって行動することが一番。そのためには、なるべくスタート地点近くの宿を、早めに予約しよう。前夜は早く到着し、翌日の予定を考えて準備を。アップ用、本番用のウエア、ゴール地点に持っていってもらう荷物、など。余裕をもって行動すれば忘れても準備できる可能性がある。
3.スタート前のチェック箇所 自分のバイクといえども、レース前には基本に戻って各部の点検をすること。レース専用ホイールだったら、ちゃんとギヤチェンジするか、テンションが掛かってもローに入るか、落ちる心配はないか、ブレーキシューのクリアランス、クイックは締まっているか、サドル、ピラーは動かないか、空気圧は適当か、バルブはゆるんでないか。クルマに積んでくれば、どこかゆるむ可能性もある。ヘッド小物にゆるみがないか、ハンドルとステムなどもしっかり確認して、機材にまったく不安がない状態でスタートしよう。
4.空気圧はどれくらい? ヒルクライムは基本的に上りしか走らないので、できるだけ転がり抵抗を少なくするために、やや空気圧を上げる。たとえば23Cのタイヤを使う場合、普段7barで使っていれば、0.7~1bar上げる。路面の状態や天候で多少アレンジはするが、基本は上げておく。 5.アップの方法 荷物が持てない場合は一般道を使うしかないが、できればローラー台を使ってやったほうがいい。インターバルよりもじっくり心拍数を上げていくつもりで40~60分かけてやれればいい。長沼選手の場合、最大心拍200bpmだが、170bpmくらいまで上げておくとのこと。
7.ペース配分 後半ペースを上げるのは難しい。1km3分かかるなら、それの距離分を繰り返すつもりで同じペースを維持して走る。ギヤは回転数に余裕を持たせて、パワーでなく心肺機能で上がるようにする感じで。 8.下山装備 レースのときは半袖、短パンでも暑いが、頂上ではいきなり寒くなることもある。持っている中で一番暖かい格好をして、体を冷やさないようにしよう。震えるようになったら下りではより寒く感じる。最悪ブレーキがかけられなくなることも。夏でも指付き手袋、レインウエア、アームウォーマー、レッグウォーマー、ネックウォーマー、キャップ。なければ新聞紙をもらっておいて、下るときにウエアの間に入れるという手も。
今年発足したヴァックスレーシングのエースを務めるのは、宇都宮ブリッツェンから移籍した長沼隆行選手。その登板能力は折り紙付きで、2010年Jツアーでも2勝をあげている。

問い合わせ先

ヴァックスレーシング
http://www.vaxracing.com/