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リドレー2012発表! 2モデルに試乗

オランダのヴァカンソレイユが使用し、ツール・メディテラネアンでフェイユーが3勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでモスケラが総合2位と活躍するリドレー。エアロテクノロジーを追究したノアRSと、フレキシブルシートステーのエクスカリバーを試乗した。
text●小林徹夫 photo●小見哲彦

ノアRS

上位機種ノアのエアロダイナミック形状を受け継ぎながら、山岳もこなせるオールラウンダー。流体力学に焦点をあて、オーヴァルコネクト社との共同開発により作り出されたフロントフォークとシートステーに設けられたスリットや、ヘッド、ダウン、シートチューブに貼られた微粒子のテープが特徴的。走りの軽さはもちろん、振動吸収性も高められている。
■シャープなエアロダイナミック形状のダウンチューブは、太くて剛性が高そうだが、硬すぎることはなく扱いやすい。(写真左下) ■スポーク間で生じる乱気流を、このスリット(Rフロージェットフォイル)が整流する効果により、6.4%の空気抵抗軽減につながる。(写真右下)
■ヘッド、ダウン、シートチューブに設けられた微粒子状のテープはRサーファスと呼ばれ、3.6%の空気抵抗を軽減する。(写真左下) ■エアロ形状は縦に硬くなりがちだが、湾曲したトップがショック吸収性を向上。ワイヤは内蔵され空気抵抗を軽減する。(写真右下)
NOAH RS(フレーム価格)24万9900円 フレーム●30t、24tハイモジュラスカーボンファイバー フォーク●カーボン サイズ●XS、S、M フレームセット重量●1200g 【小林徹夫のインプレッション】 特徴的なエアロダイナミック形状を持つために、平坦のスピード種目向けバイクと思われるかもしれないが、その実態はあらゆる場面で扱いやすいオールラウンダーだ。しかし、ノアRSの性能はなんといっても、その加速性と高速巡航性能にある。最初に踏み出したときの印象は軽量高剛性バイクが普通になった現在、特別に軽いとは感じないものの、ダンシングで加速していくと今までとはまったく異質といっていいほどの加速の持続性を感じる。普通ならダンシングし、スピードのピークに達したところでシッティングに入り、そのスピードを維持する。ところが腰を下ろす前にギヤを上げたくなり、その感覚は15、14、13Tとどこまで伸びていくのかと思うほど気持ちがいい。平地なら軽く時速50kmオーバーの世界に入り、そのスピードを維持するのは難しくない。しかしながらフレームはガチガチに硬いわけではなく、路面からの衝撃も気にならない。

エクスカリバー

カーボン素材は違えど、上位機種ヘリウムのテクノロジーが採用されたコストパフォーマンスに優れたフレーム。大きなボリュームをもつチェーンステーやエンドまでもがカーボン材質で、乗り心地を犠牲にすることなく切れのいいレスポンスを可能にしている。特徴的なシートステーは横方向に扁平加工されたフレキシブルシートステーで、衝撃吸収に貢献している。
■大きなボリュームをもつチェーンステーは、乗り心地を犠牲にすることなく切れのいいレスポンスを可能にしている。(写真左下) ■大径のダウンチューブとチェーンステー、BBなどをモノコック成型することで、剛性アップと軽量化を図っている。(写真右下)
■Rフロージェットフォイルは採用されていないが、前後方向に長く断面積の大きい剛性感あるフォークが採用されている。(写真左下) ■剛性確保のために大径チューブが採用され、ヘッドチューブには上側1-1/8、下側1.5インチの上下異型のヘッドを採用している。(写真右下)
EXCALIBUR(フレーム価格)23万1000円 フレーム●30t、24tハイモジュラスカーボンファイバー フォーク●カーボン サイズ●XS、S、M フレームセット重量●995g 【小林徹夫のインプレッション】 フレーム素材に40tと50tという2種類の弾性率のカーボン素材を使用している上位機種、ヘリウムのテクノロジーを受け継いだコストパフォーマンスに優れたフレームがエクスカリバーだ。素材は違うが、エクスカリバーもフレーム重量995gと軽量で、「ISPシートではないヘリウム」といっても過言ではない。フォークからヘッド部分はしっかりしていて、ダウンヒルからの急制動、ダンシングでの加速は不安感も鈍さも感じない。エクスカリバーはハンドルを左右に振りやすく感じる。これはヒルクライムのダンシングで有効だろう。ダウンからハンガー部の剛性感は高く、キビキビとした加速感を感じられるのもヒルクライムには合っていそうだ。シートステーの形状などを見ると、オールラウンダーとはいいつつも横方向への剛性感を出しつつ縦方向の振動を消す作りのようで、シッティングで腰が揺れてしまうこともなく路面からの振動は伝えにくい。

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