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ジャパンカップ2011@東京編

ジャパンカップ終了後、サクソバンクとアスタナは東京へ移動。スペシャライズド主催のサイン会やアフターパーティでファンと交流した。サイスポWebではクロイツィゲルとラーションにインタビュー!

サクソバンク・サンガード&アスタナ in 東京

今年も素晴らしい熱戦が繰り広げられたジャパンカップサイクルロードレース。その熱気がレース翌日に、サクソバンク・サンガード、アスタナの2チームとともに東京へやって来た。 大会翌日の10月24日に、両チームをサポートするスペシャライズド・ジャパンが主催するサイン会とアフターパーティに参加するため。午前中はフリーだったため、アスタナのロマン・クロイツィゲルは中野喜文マッサージャーの案内で、明治神宮を観光。アレクサンドル・シュシェモインは渋谷のマルキュー・メンズ館でショッピングを楽しんでいた。 渋谷区にあるスペシャライズド・コンセプトストアで行われたサイン会は、会社帰りでも立ち寄れるようにと夕方5時から行われ、大勢のレースファンが詰めかけて、ジャパンカップで激走した選手たちからサインをもらっていた。 夜には国立競技近くのオシャレなカフェでアフターパーティが開かれ、2チーム選手やスタッフたちは、日本のファンやレース関係者とともにぎやかに過ごした。パーティ会場には何と2チームのロゴが入ったスペシャル仕様の卓球台が設置され、選手たちに大人気。順番待ちをして卓球に興じていたが、腕前の方は…。 「とにかく選手たちにパーティを楽しんでほしい」という主催者スペシャライズド・ジャパンの願い通り、選手たちは日本での最後の夜を大いに楽しんでいた。
短い東京滞在の間をぬって、両チームのエースであるグスタフエリック・ラーションと、ロマン・クロイツィゲルの2人が、サイスポWebのためのインタビューに応じてくれたのでご紹介しよう!

未来のスーパースター、クロイツィゲルはインタビュー嫌い?!

今回初来日したチェコ人のロマン・クロイツィゲル(アスタナ)は、グランツール制覇を期待される未来のスーパースターだ。今年のツール・ド・フランスは落車で手首の舟状骨を骨折し、3ヶ月間実戦から遠ざかっていたが、シーズン最後の復帰レースにジャパンカップを選択。開幕前の記者会見でも今回は復帰レースであると明言。チームメートのアンドレイ・ミズロフの調子がいいので、彼をアシストすると語っていたが、実際にレース当日は後半戦で集団の先頭を引き続け、逃げを吸収する働きに徹していた。実は、クロイツィゲルはインタビュー嫌いで有名。しかし、今回はイタリア語が堪能な中野喜文マッサージャーの助力もあって、貴重なインタビューが実現した。
Q:初来日だけど、日本ではどんなところを見てまわった? 金曜日、練習がてら自転車で日光へ行ったよ。日曜日は(東京へ移動したあと)夜遅くまで渋谷の町を歩き回っていた。今朝は明治神宮を見に行ってきた。だからボクが見た日本といえば、日光のお寺と明治神宮と…あとはクリテリウムのコースで宇都宮の町をながめてたくらいかな。もっといろいろ見たかったけど、ボクら自転車選手は歩きまわるのがつらいから、精力的に見ることはできないのさ。 Q:日本へ来て一番おどろいたことは? 一番記憶に残っているのはジャパンカップのコースが思っていた以上にキツかったことだ。 Q:ジャパンカップについてはどう思った? とてもよくオーガナイズドされていた。レース自体もとてもレベルが高くて問題はなかったが、1つ言いたいことは古賀志林道の下りについて。普段クルマがあまり通っていないようで、路面が汚れていてちょっと怖かったよ。 Q:レース結果には満足している? 自分に関してだけ言うと、いいレースだったね。3ヶ月間レースを走っていなかったから、重要なのは落車をしないことだった。チームのためにも働くことができた。逃げをコントロールして、エースのアンドレイ・ミズロフのために働いたんだ。結果としてミズロフはいい成績を出せなかったけど、まあ、レースというものはそういうものさ。 Q:22歳でツール・ド・スイスを制しているけど、それは自分が期待していた通りの成績だった? それとも驚きだった? あれくらいの年齢になると、自分の能力というのものは大体想像がつくものだ。あのときは自分がとてもよく走れていると、レース中にも感じていた。最終的に勝つことを考えながら走っていたのさ。 Q:自転車レースを始めたのは何歳から? 11歳の時から。サッカーやアイスホッケーも試してみて、とくにアイスホッケーは自分でもまあまあいける方だと思っていた。でも、周りの友達を見ると自分よりも早く成長していて、自分にはそういう肉体的な素質がないのがわかった。そんなとき(元自転車選手の)父が誕生日プレゼントに競技用の自転車を買ってくれて、始めてみたら面白かったってわけさ。それが11歳の誕生日だったんだ。 Q:チェコではアイスホッケーが人気スポーツ? 人気はサッカーと同じくらいだけど、アイスホッケーはチェコにとっては重要なスポーツで、世界選やオリンピックでも活躍している。長野五輪で優勝したんだよ。 Q:将来勝ちたいレースは? やっぱりグランツールかな。あるいはクラシックでも素晴らしいだろう。何が最初になるのかは…勝ってみてのお楽しみだね。 Q:同世代のライバルは誰? 大勢いるけど、アンディ・シュレク、ビンチェンツォ・ニーバリ、ロベルト・ヘーシンク、バウケ・モレマだ。 Q:グランツールで勝つために、これから必要なことは何だと思う? 自分の成長過程を見極めなければならないだろう。例えばカデル・エヴァンスは、30歳をすぎてから勝ち始めた。自分がどういう風に成長していくかわからないが、それは運や、チーム、コンディションにも左右されるだろう。1つ1つに全力をつくした上で、どういう結果になるかだ。 Q:来年のプログラムはもう決まっている? ジロとツールのどちらを走る予定? ジロとツールのコースはもう見ていて、どちらも自分は好きだけど、まだ来年のプログラムは決まっていないんだ。12月5日のミーティングで決まる予定だ。今はまだ考えるのは早いよ。まずはゆっくり休んで、それからさ。 Q:最後に、故郷チェコをファンに紹介して ヨーロッパの中心にあるということで、とても重要な国だ。長い歴史があり、古い建造物もたくさんある。観光都市としてもとても重要だ。海はないけれど山がとてもきれいで、ガラス工芸品やピルスナー、ブドバルといったチェコビールも有名だよ。 ●ロマン・クロイツィゲル(アスタナ) 1986年5月6日生まれ。25歳。チェコ出身のステージレーサー。父親も自転車選手だった。2008年にツール・ド・スイスを制覇。翌年はツール・ド・ロマンディアで総合優勝。今季はジロ・デ・イタリアで総合6位になって新人賞を獲得した。ツール・ド・フランスでは2009年、2010年と総合9位に入ったが、今年は落車で手首の舟状骨を骨折。完走はしたものの、良い結果は出せなかった。

いつもニコニコ☆ラーションは日本のファンに大感謝!

今回が来日3回目だったスウェーデン人のグスタフ・ラーション(サクソバンク・サンガード)。いつも笑顔でファンサービスもよく、ジャパンカップのおかげで日本には大勢のファンができたにちがいない。ジャパンカップを3度走っている経験者として、ラーションにはとくに今年のレースについて詳しく話を聞いてみた。 Q:ジャパンカップ参戦は3度目だけど、このレースを選ぶ理由は? ジャパンカップのコースはいいコースで、ボクに合っていると思ってる。もしも調子がよかったら、勝てるレースなんだ。上りは短いが、それでもキツいコースで、クライマーにもスプリンターにもチャンスがある。すべては調子次第なのさ。今年のように路面が濡れていたら、下りでみんなスピードを落とすから(上りで遅れたとしても)戻って来られるしね。 Q:今年のジャパンカップはコンチネンタルのオーストラリア人選手が優勝して、表彰台にはUCIプロチームの選手が誰も上がらなかったけれど、このレースを3度走っている経験で、今年は今までと何がちがっていたと思う? ボクたちは長いシーズンの終わりにここに来る。ボクたちにとっては本当に遅すぎる時期なんだ。だから勝てるかどうかは、シーズンのこの時期に、このレースに対していかにモチベーションがあるかどうか次第なんだと思う。日本人にとっては重要なレースだし、オーストラリアの選手たちは(南半球は季節が日本とは逆だから)シーズンがスタートしたばかりでここにやって来て、冬の間によくトレーニングも積んできているだろう。それがちがいなんだとボクは思うよ。 Q:オーストラリアから来日した選手の方が、時差ボケが少ないからではない? 時差ボケよりも関係するのはモチベーションの方さ。ボクたちがシーズンの終わりであることの方が差になるんだ。 Q:来シーズンはオランダのバカンソレイユ・DCMで走るけど、このチームを選んだ理由は? 契約の話があったとき、このチームで走るのはボクにとって素晴らしいチャンスだと思った。今よりもっと自由に走れるからね。それから、来年バカンソレイユはビアンキの自転車を使うんだけど、ビアンキのサイクルヨーロッパ社(現オーナーはスウェーデン人)で働いている友人がいたからでもあるんだ。 Q:来年の目標は? ロンドン・オリンピックがあるけど、TTを狙ってる? もちろんさ。まだ来年のレースプログラムは決まっていないけど、ジロ・デ・イタリアでよく走りたいと思っている。どんなステージがあるかはまだよく知らないけど、オリンピックに参加するためには、ジロが時期が一番いいんだよ。 Q:子供の頃のヒーローは? ジョン・トマック(MTB選手)。今でもMTBはトマックブランドに乗っているんだ。 Q:もしも自転車選手になっていなかったら、他になりたかった職業は? ラリードライバー。 Q:日本に来て一番おどろいたことは? 2009年に初めて来日したんだけど、とにかく日本のファンの熱心さと礼儀正しさにおどろいた。本当に初めての経験だった。サクソバンクの選手はみんなそう言ってるよ。いろいろとよくしてくれて、ファンのみんなには本当に感謝しているよ! ●グスタフ・ラーション(サクソバンク・サンガード) 1980年9月30日生まれ、31歳。スウェーデン出身のTTスペシャリスト。現スウェーデンTTチャンピオン。2008年北京オリンピックで銀メダルを獲得。2009年メンドリーズィオ世界選TTでも2位。昨年ジロ・デ・イタリア最終日の個人TTで優勝した。

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スペシャライズド・ジャパン
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