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入門ロードバイク・RIDLEY ORION

リドレーが開発フィールドとしているのは、石畳などの悪路や雨の多い気候風土のベルギー。そこで開発されるバイクたちは独自のアイデンティティを持っている。価格は手ごろだが、レーシングバイクとして開発された「オリオン」を試乗した。
text:中島丈博 photo:山内潤也

入門バイクとあなどれないレーシーな乗り味

フレームは上位機種と同じジオメトリーを採用。入門バイクとはいえ、選手が使うバイクに近いハンドリングを手に入れることができるのだ。ヘッドチューブはやや長めに作られているが、これは必要になるコラムスペーサーの量を減らして、よりフレーム設計で狙ったハンドリング剛性で、ユーザーにバイクを使ってもらうための設計だ。 フレーム素材には24Tカーボンを使用しているが、それではヘッドチューブやBB部分の剛性が不足してしまう。そのためヘッドとBBでは、カーボンの積層をふやしている。その分、やや重量は増えてしまうが、リドレーはそれを補ってあまりある走行性能が手に入るという結論を導き出したのだ。事実、持って軽いバイク=よく走るバイクではないのだから。日本の実業団でもオリオンでレースに参戦している選手がいる。また、リドレーのラインナップのなかで、唯一XXSまでのサイズを展開しているのにも注目だ。
■写真下・左:フロントフォークはベンドし、厚みのある形状となっている。フォークブレードの先端までしっかりとボリュームがある。安定したハンドリングをもたらすための形状だ。 ■写真下・中:ヘッドチューブは上下同径のベアリングを使用。長さはやや長めだ。剛性が必要な部分なので、フレームのほかの部分よりもカーボンの積層を増やし、強化されている。 ■写真下・右:シートステーはこのモデルからモノステーに変更されている。後ろから見ると幅広だが、横から見ると薄めの形状をしていることからもわかるとおり、振動吸収性をアップさせている。
■ダウンチューブは五角形の断面形状を持つ。縦横の剛性を確保し、かつ軽く仕上げる。バイクの開発の際にリドレーが重要視する重量と剛性のバランスをいかにうまく取るかを具現化した形状なのだ。 ■太めのチェーンステーはリドレーのバイクに共通するデザインだ。どんな路面状況でもペダルのトルクを確実に伝えることができる。BBの根元ではひとつのかたまりとなって接合される。
【中島丈博の試乗インプレッション】 走り出してすぐに感じるのは、バックの剛性がすばらしいということだ。思いきり踏み込んでも、そのパワーを受け止めてくれる。横方向の動きや道路の縦溝でも、リヤホイールが取られにくい。反面、凹凸に対してはややシビアに反応するが、レース用フレームと考えれば許容範囲だ。分厚いフォークブレードは期待どおりしっかりとしたハンドリングを提供してくれる。簡易舗装の荒れた下り坂でもバイクをコントロールできるのだ。シートステーがサスペンションとしてうまく機能しているからか、悪路でバイクが跳ねてしまい、タイヤの接地感がなくなってしまうということがない。フレームの素性がいいので、長くつきあうことができるバイクだ。自分の走りの成長と合わせてバイクも速くなってくれる。採用されているパーツが4ZAで統一されているのも、完成車としてまとまりがあっていい。せっかくロードレーサーを買うのだから、レーシーな乗り味のバイクが欲しいという人にオススメしたい。

リドレー・ブランドヒストリー

自転車競技が国技というベルギーで1990年に塗装会社として設立。のちに競技用自転車の開発をスタートする。必要な性能、そのために必要な形状やジオメトリーを吟味して自転車を設計している。プロチームへのバイク供給も積極的に行なっており、ツール・ド・フランス2012ではロットベリソルのアンドレ・グライペルがステージ3勝という活躍を見せている。

リドレー・オリオン

完成車価格/23万6250円(シマノ・105仕様) フレーム:ハイモジュラスカーボン(24T) フォーク:カーボン コンポーネント:シマノ・105 ホイール:シマノ・WH-R501 タイヤ:ヴィットリア・ルビノ プロ3 700×23C サドル:4ZA・ストラトス ハンドルバー:4ZA・ストラトス ステム:4ZA・ストラトス シートポスト:4ZA・ストラトス 試乗車実測重量:8.59g(Sサイズ、ペダルなし) サイズ:XXS、XS、S、M カラー:1204A、1204B ****************************************

問い合わせ先

ジェイピースポーツグループ
http://www.ridley-japan.com/